波動医学では、我々が普通「体」だと思っている肉体以外に「見えない体」を想定しているという話でしたね。
ではその「見えない体」とはどんなものかということですが。
エーテル体とは?
その一つに「エーテル体」というのがあります。
私達の体は、波長の異なるものがいくつも重なっているということでしたが、エーテル体というのは肉体よりも一段波長が高い体です。
「一段階だけ高次元」というわけで、「見えない体」の中では肉体に最も近いものです。
人によってはこのエーテル体を気功でいう「気」と同一視したり、オーラと同一視したりすることもありますが、なにぶん、科学的には証明されていないものですので、見方は一つに定まっていません。
とりあえず、「肉体よりも一段階だけ波長が高い体」だと思っておけばいいでしょう。
肉体に最も近い「見えない体」ということで、肉体へも直接影響を与えてくるのがエーテル体です。肉体の活力に関わるということで、人智学のルドルフ・シュタイナーはエーテル体のことを「生命力体」「形成力体」と呼んだりもします。
つまりエーテル体は、肉体の生命力にダイレクトに関わっていると言っていいでしょう。
エーテル体と肉体のつながり
それで波動医学では、エーテル体から肉体へのエネルギーその他の流れが滞ってしまうと、その、エーテル体からの供給が悪くなってしまった部分が病気になりやすくなる、と考えます。
例えばエーテル体から心臓への流れが悪くなってしまうと、心臓の病気にかかりやすくなる、というわけです。
そこで、外部から一定の波動を加えることで、エーテル体から肉体へのエネルギーその他の流れを正常化し、肉体が本来持っている「健康になる力」を引き出そうというのが波動医学の考え方です。
気功で言えば、気の流れが悪くなっている部分が病気になるので、気の流れを良くしましょう、ということになりますね。ですので、気功も波動医学の一種と言ってもいいでしょう。
エーテル体の存在を示唆する研究
さて、エーテル体が「科学的に証明されていない」と言いましたけど、エーテル体の存在を示唆する研究は過去に行われています。
ハロルド・サクストン・バーというイェール大学の神経解剖学者の研究ですが、彼は生物の体を取り巻く電場について研究しました。
それで、サンショウウオの研究において、サンショウウオの脳と脊髄を通る、軸のような電場を見つけたわけですが、これがなんと、サンショウウオが卵の段階からあるというのです。
つまり卵の段階ですでに、その電場が、どの位置に肉体の何ができるか、設計図として存在しているというのです。
どの位置に頭ができてどの位置に足ができて胴ができて・・・ということが、卵の段階ですでに設計図として認められるというわけですね。
ここで、
「設計図って、遺伝子のことじゃないの?」
と思うかもしれません。もちろん遺伝子には、肉体のすべての設計図が書き込まれているわけですが、でも、個々の細胞が、どこで何になるかは書き込まれていません。
細胞がどこで何になるのか、どうやって決めているのか
なぜ頭があるべき場所で頭になるのか、腕があるべき場所で腕になるのか、考えてみれば不思議です。元は同じ、一つの細胞なんですからね。
それが、然るべき場所で、然るべきパーツの細胞になっていく。
これはなぜなのか、解き明かすヒントになるのがバーの研究と言ってもいいでしょう。
肉体ができる以前に、「目に見えない」形で肉体の形を描いた設計図が存在しているのだと。
波動医学では、それこそがエーテル体ではないかと考えます。生き物がまだ、未受精卵の段階から、「エーテル体」という形で、その完成形が示されていると。
まさにルドルフ・シュタイナーの言う「形成力体」という言葉がピッタリ来るところです。
そのエーテル体に描かれている体の設計図にそって、細胞は、然るべき場所でしかるべき肉体パーツの細胞になっていく、ということです。だから首から腕が生えたりはしないということです。
ハロルド・サクストン・バーさんはサンショウウオ以外でも、植物でも同様の研究をしています。
それによると、植物の新芽もその体の周りに電場を持っているのですが、その電場が既に、成長した植物の形をしているというのです。
だからこれも植物のエーテル体で、そのエーテル体にそって植物は成長していく、と考えられるわけです。
以上の研究は、イェール大学という名門大学の学者さんによって行われたものですが、現在は大半の「普通の」学者さんからは等閑に付されています。
なぜなら、「機械論」の権化たる分子生物学がメジャーとなってしまったため、バーの研究は見向きもされなくなってしまったからです。
ただ見向きもされなくなったと言っても、科学的に否定されたわけでもないですので、この研究は、大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。
エーテル体=幽体?
さて最後に、エーテル体と幽体との関係についてですね。
これは単純に、「呼び方の違い」と言っていいでしょう。人によって、その意味するところが微妙に違うことがあります。
たとえば江原啓之さんは、人の体を「肉体」「幽体」「霊体」の3つに分け、このうち霊体がその人の本質的な部分だとします。
輪廻転生ということばがありますが、転生するのはこの霊体の部分だというわけです。
幽体は霊体よりも肉体に近いものということで、幽体=エーテル体と考えられているようです。
神智学では体をもっと細かく、8段階に分けていますが、エーテル体+アストラル体=幽体と言う人もいれば、エーテル体+アストラル体+メンタル体=幽体という人もいます。
結局のところ、共通した定義があるわけではないので、自分が最も理解しやすい分け方を採用するのが良いと思われます。
8段階の分け方については、次の記事で取り上げてみたいと思います。