名詞と形容詞くらべてどうすんのという話はさておき。(笑)
ここでは「スピリチュアルな考え方、信念」を単に「スピリチュアル」と呼ぶことにします。
で、宗教とスピリチュアルの違いはどこにあるのかと。
根本的なことを言えば「宗教」の定義なんてまったく定まっていないので「科学も含めて人の信念なんてどれも宗教でしょ」ということにもなってしまいそうですが・・・
それだと話が進まないので。(笑)
「宗教」と聞いて多くの人が思い浮かべるものと「スピリチュアル」を比べてみることにします。
多くの人が「宗教」と聞いて思い浮かべるもの
「宗教」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、以下のような感じでしょう。
- 「神」のような人間よりはるかに優れた存在を信じている
- その存在を根拠とする「教え」を守れば幸せになれる
- 「教え」に背けば罰がある
- 宗教団体を作る
- 団体の上の人ほど「神」に近く発言力が大きい
- 教祖はほとんど「神」のような存在
- 団体メンバーを増やそうとする
- 「霊」「魂」を向上させねばならない
- そのためには修業が必要
こんな感じでしょうか。
これが多くの人が持つ「宗教」イメージであるなら、スピリチュアルとは多くの点で異なっています。
ひとつひとつ見ていきましょう。
「神>>>人間」?
- 「神」のような人間よりはるかに優れた存在を信じている
「神」のような存在についてはスピリチュアルでも信じられていますが、宗教のように「上下」の関係では見ていません。
本質的には「神」も私たち人間も同じ存在だと考えます。
なぜなら私たちは神の一部を「素材」として神から生まれてきた存在だからです。
なので私たちは神様と同じことができるはずですが、それができないのは「忘れているから」もしくは「自ら封印しているから」と考えられます。
だから大事なのは「どこか遠くにいる神様」を信じることではなく「自分のうちに存在する神様」を信じること、となります。
また、多くの人がイメージする宗教では、神は「畏れ敬うべき存在」ですが、スピリチュアルでは「頼れる親友」といった感じです。
この意味では「いつもすぐそばにいる神様と仲良くするのが大事」、ということにもなります。
「教え=戒律」?
- その存在を根拠とする「教え」を守れば幸せになれる
- 「教え」に背けば罰がある
スピリチュアルにもいろいろな教えがあり、それを守れば幸せになれる・・・というか、もともと幸せであったことを思い出せる、と考えられています。
ただし、教えに背いても「天罰」が下ったりはしません。自分を罰することができるのは自分だけというのがスピリチュアルの考え方だからです。
もし天罰が下るとしたらそれはそのようなルールを自分で「設定」した場合のみです。
ゲームに例えるなら、私たちはゲームのプレイヤー兼開発者だということです。
天は人の上に人を創った?
- 宗教団体を作る
- 団体の上の人ほど「神」に近く発言力が大きい
- 教祖はほとんど「神」のような存在
- 団体メンバーを増やそうとする
スピリチュアルでは宗教団体のようなものは作りません。
もちろん、気の合う人で集まって一緒に活動することはあるでしょうが、それは宗教団体ではなく「趣味のサークル」のようなものです。
だからその集団の中で上下関係はありません。
チャネリングができる人が、いろいろなメッセージを伝えたりすることがあって、それがあたかも「教祖」のように見えることがありますが、あくまでメッセージを伝えているだけです。
「教祖」ではなく「通訳」ということです。
だから、チャネリングができるから「他の人より偉い」ということにはなりません。みんな同じです。
宗教団体ではないので積極的に「信者」を増やそうとはしません。「一緒にやってて楽しいなら一緒にやりましょう」くらいのものです。
「霊魂は進化」に「修行」が必要?
- 「霊」「魂」を向上させねばならない
- そのためには修業が必要
これについてはスピリチュアルの中でも考え方の相違があるように見えますが、本質的には同じです。
「本来の自分」に戻ることを、単に「思い出す」と捉えるか「向上」「進化」と捉えるかの違いです。
また、そこに至るために修業が必要かどうかも、大した問題ではありません。
「修業が必要」と考えている人は、修行が好きだからそうしているまでのことです。
RPGで「レベル上げ」が好きな人がいますよね。あれと同じ。
私たちは「プレイヤー兼開発者」なのだから、レベル上げが好きな人がレベル上げが必要なゲームを作っているまでのことです。
そうでない人は、レベル上げなんてしなくても楽しめるゲームを作ります。
「人それぞれ、好きなように楽しめばいいんじゃない?」
というのがまさにスピリチュアルの特徴でもあります。
伝統的宗教イメージとスピリチュアル、考え方の違い
最後に、端的に考え方の違いをまとめてみましょう。
伝統的宗教イメージは「伝」、スピリチュアルは「ス」と表記します。
わざわざ「イメージ」とつけているのは、あくまで「多くの人が持っている伝統的宗教のイメージ」であることを強調するためです。
実際の伝統的宗教は、様々な内容を持っていますからね。
【神的存在について】
伝:人間とは比べものにならないほど崇高な存在
ス:大切な親友、家族のような存在
【神的存在に対する感情】
伝:畏敬
ス:友情、愛
【人間の霊魂について】
伝:成長しなければならない幼い存在
ス:神的存在と同等の存在
【この世について】
伝:苦しみの多い所
ス:自分たちで創った遊び場
【願いについて】
伝:多大な代償を払わなければかなわない
ス:自由自在
【人生について】
伝:魂の修行
ス:やりたいことをやる
【運命について】
伝:人間にはどうにもならないもの
ス:人間が自分で創るもの
【罰について】
伝:神的存在が人間を罰する
ス:自分を罰することができるのは自分のみ