私達の体については、肉体だけでなくいろいろな体が重なって構成されているんだという見方があるということでした。
波動医学でもそういう見方をしているわけですが、いろいろな宗教や霊学、神秘学にはもともとあった考え方です。
分け方はあくまで「理解」のため
もっとも単純化したものとしては肉体と霊という区分ですね。これは人間の体を、二段階に分けて見ているんですよね。
そしてこの分け方は、それぞれの教えや学問によって様々です。神智学などは7段階または8段階に分けたりもします。
ただ注意しなければならないのは、「どの分け方が正しい」というものではないということです。科学的観測が不可能なものですから、共通の分け方を作ることができないんですね。
だから結局は自分にとって分かりやすい分け方を採用しておけばいい、ということになりそうです。
分け方というのは本来そういうものですからね。人間が「理解」のための便宜として分けています。
人間が自らの体を100段階に区分して認識して「これこそ正しい区分である」なんて主張しても、神様から見たら「はぁ?」というようなものかもしれません。
それはさておき。
8つの体が一人の人間に重なっている?
ここでは分け方の参考として、神智学をもとにした体の区分を見てみようと思います。
神智学では、私たちの体を、波長の低いほうから以下のように区分します。
・肉体
・エーテル体
・アストラル体
・メンタル体
・コーザル体
・ブッディ体
・アートマ体
・モナド体
このうち、ブッディ体、アートマ体、モナド体は次元が高すぎて、言葉で説明されてもよくわからない領域です。おそらく「悟り」を得た人が直感的に理解するものなのでしょう。
ということでこの3つはまとめて「高位霊体」と呼んで終わりにしておきましょう。
ということで、これら以外の体についての説明です。
肉体とエーテル体
まず肉体は私たちが普通「からだ」と認識しているものですね。重なって存在する多くの体の中で最も波長が低いものです。そしていわゆる「西洋医学」はこの肉体のみを対象にします。
肉体より一段階波長が高いものをエーテル体といいます。これは前に説明しました。
肉体に直接影響を与えるもので、さらに高位の体や外界から情報やエネルギーを肉体に届けたり、肉体の「鋳型」になったりという役割があります。
肉体の形成や健康に大きくかかわるということで、ルドルフ・シュタイナーはエーテル体を「生命力体」「形成力体」と呼んだりします。
その意味で、エーテル体と肉体は最も関係が深いと言えそうです。
気功や鍼灸などの中医学は昔から、肉体だけでなくエーテル体も視野に入れてきたと考えられます。
アストラル体とは
エーテル体より1段階波長が高い体をアストラル体といいます。これは別名「感情体」と呼ばれることもあります。つまり人間の感情や欲望を生み出している体ということになります。
肉体のみしか認めない場合は、感情はすべて脳内物質の作用として説明しようとすることになります。
アストラル体を視野に入れると、まずアストラル体で感情が起こり、その情報が肉体にもたらされて脳内物質が分泌され、肉体でも感情を感じることができる、という説明になりそうです。
脳内物質だけでは説明できない感情の問題は、アストラル体も視野に入れると、より解決しやすくなるのではないでしょうか。
メンタル体とは
アストラル体より波長が一段階上の体はメンタル体と呼ばれます。
メンタル体は「精神体」や「知性体」とも呼ばれ、その名の通り、人間の知性をつかさどる体だと考えられています。
ただ、知性をつかさどるといっても、次のコーザル体もまた、知性に関係していると言われているんですよね。
ですので神智学ではコーザル体のことを高位メンタル体と呼ぶこともあります。
じゃあどう違うのかということになりますけど、メンタル体は同じ知性でもより分析的、コーザル体はより総合的、直観的と考えられています。
メンタル体は細かな具体的データを一つ一つ順番に論理的に扱っていくのに対し、コーザル体は一気に本質をつかむ、というイメージですね。
コーザル体とは
最後にそのコーザル体についての説明ですが、コーザル体は「原因体」とも呼ばれます。
なぜ原因体と呼ばれるのかというと、コーザル体は知性だけでなく、因果にも関わっていると考えられているからです。
因果というのは原因と結果ですが、これは今の人生のものだけでなく、過去生も関わっているんです。
つまり「前世でこういうことがあったから、その影響で現在こうなっている」という話ですね。
コーザル体には、その人が何度も繰り返した過去生の記憶が蓄えられているということです。
その過去生の膨大な記憶が、現在の人生で起きることの「原因」となっているという意味で、コーザル体を「原因体」と呼ぶわけですね。
ということは、自らのコーザル体を活用できれば、過去生の記憶をよみがえらせることもできるということでしょうかね。
いずれにしても、普通の人には無理ですね。^^;