あしたのジョーの1と2ですね、例によってアマプラで一気に見ることができたので、気になってることを調べてみましたよ。
はい、そうです。矢吹丈がラストで死んだのか、それとも生きてるのかっていう話。
「矢吹丈は死んだ」が常識だった
昔は確か、「ジョーは死んだ」っていうのが常識だったんじゃないでしょうか。
だってほら、アニメ版限定キャラですけど、WBCバンタム級のチャンピオン、カロルド・ゴメスさん。
この人、ホセ・メンドーサと戦うまでは無敗で、しかも4年間防衛を続けてるんです。現実にいたとしたらめちゃくちゃ強いチャンピオン。
それがほんの数発、ホセのコークスクリューパンチをもらっただけで死亡してるんです。
ましてやジョーは・・・数え切れないほどコークスクリューをもらってダウンしています。あんなに殴られちゃもう、HPゼロだよねって誰でも思いますよ。
んで、最後に、血まみれのグローブを白木葉子さんに渡して、真っ白に燃え尽きたとか言われちゃったらもう、死んだとしか思えないですよね。
だからまあ、ほとんどの人が「ジョーは死んだ」って思ってたんじゃないでしょうか。
ところが!
やっぱりジョーは生きていた!
いつ明かされたのか定かではありませんが、2001年に出版された「梶原一騎伝」で、ラストシーン関するエピソードが紹介されていました。
どういう話かというと・・・
原作者の梶原一騎さんの書いたラストでは、矢吹丈は葉子さんの家だか療養所だかで穏やかに余生を送っていて、それを葉子さんが見守っているシーンだったと。
つまり原作では矢吹丈は死んでないんです。
でも、漫画担当のちばてつやさんが、それではラストシーンとしてしまらないということで、何日も悩んだ末書き上げたのが・・・あの名シーン。
なのでちばてつやさんとしても、ジョーが死んだシーンを描いたつもりではなかったんじゃないか、と考えられます。
のちのインタビューでもちばてつやさんは、
「読者に任せます」
とはっきり答えないか、または、
「白木葉子とともに歩きだしている」
とか
「死んでいませんよ」
と答えています。
つまり「死んだ」とは一度もおっしゃっていない。
ジョー自身のセリフにも
ジョー自身も、第何話かで、紀子さんから
「今度旅に出たら、二度と戻ってこないんじゃないかと思うと怖い」
とかなんとか言われたのに対し、
「おれは必ずみんなのところに戻ってくる」
と答えてますので、やっぱり最後、永遠に旅立っちゃうなんてことはないんじゃないかと。
ということで矢吹丈さんは生きていた、というのが結論ですね。ヨカッタヨカッタ。
ちなみにこれは後付説明ですが、ラストのシーン、ジョーがリングサイドで椅子に座って微笑んでますね。
画像:「あしたのジョー」©︎高森朝雄・ちばてつや / 講談社
医学的には、もしあの時点で亡くなっていたら、あの表情もできないし、あの姿勢も保てないそうです。だからやっぱり生きているんだと。
でもあんなに殴られて生きてるってどゆこと?
でもあの強いゴメスが、ホセのコークスクリューパンチ、ほんの数発で死んでしまったというのに、なぜ矢吹丈は生きていられたのか?
「主人公補正でしょ?」
いや、そんな説明じゃ面白くない。
ここはどうにか辻褄の合う説明が必要です。
が。
そんなに難しくはなさそうです。
ゴメスはホセ戦まで無敗でしたが、ほとんど打たれずに勝ってきたんでしょう。
でも実は打たれ弱かったと。
それでホセの強打数発であんな悲劇に見舞われてしまったんです。
それに対してジョーは、単に打たれ強いというだけでなく、天性の回避能力を持ってたんでしょう。
殴られたように見えても実はわずかに芯を外してるとか、ちょっとした動きで衝撃を少しやわらげているとか、そういうことを無意識にやっていたんでしょう。
だからノーガードで相手に打たせておいて、最後にクロスカウンターで逆転、なんてことも可能だったんでしょう。
ボクシング始める前から、そういう天賦の才を持っていたんだと思われます。一人で鬼姫会を壊滅させてるし。