ブレードランナーのファイナルカット、アマプラ動画で見ることができましたのでちょっと振り返ってみますよ。
「強力わかもと!」
ってことでまずはあらすじから。ネタバレ注意です。見たことがない方は見てからのほうがいいかも。
ブレードランナー・ファイナルカットあらすじ
【主な登場人物】
デッカード
主人公。レプリカント抹殺の専任捜査官「ブレードランナー」。原作の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」では賞金稼ぎだったけど、映画では公務員なのかな。
タイレル博士
タイレル社社長。レプリカント=有機的人造人間の開発者。「有機的」というのは、素材的には人間とほぼ同じということ。アンドロイドみたいに機械的ではない。なので見た目とか触感で判別はできないらしい。
レイチェル
タイレル博士の秘書。自分を人間だと思っていたけど、デッカードがレプリカントと見破って、無慈悲にもわざわざそれを本人に告げる。
ロイ
逃亡レプリカントのリーダー。戦闘タイプ。ルトガー・ハウアーさんなのでかっこいい。
プリス
ロイの恋人的なレプリカント。
ゾーラ
女性型レプリカント。暗殺用に再プログラミングされたらしい。
リオン
おっさん型レプリカント。そりゃ普通の人間より戦闘力は上。
ガフ
ロス市警の刑事。ヒゲと帽子の人。デッカードとは親しいようだ。折り紙が得意。この人がユニコーンの折り紙なんて折ったからすごい論争が起きてしまう。
【あらすじ】
舞台は2019年のロサンゼルス。って、もう過去の話じゃん!
なんでも、地球は環境破壊によって、劣悪な状態になってて、人口の多くが宇宙植民地で暮らしてるそうな。
住める場所が限られてるのか、ロサンゼルスは人口密度が高いらしく、何百階建かわからないけど、超高層ビルが立ち並び、自動車は空飛んでます。
ビルでいつも上昇気流が起こっているのか、地上では常に雨が降っているようです。
さて。
暗殺に嫌気が差して静かに暮らしてたデッカードさんだけど、ロイたちが殺人を犯して逃げてきたということで、「解任=(抹殺)」を命ぜられます。
嫌がってたけど、権力で脅されるとやらざるを得ないようだ。
で、情報収集のためタイレル社へ。
タイレル博士によると、ネクサス6型は非常に優れているけど、「安全装置」として、寿命が4年に設定されてるそうな。悲しい。
それから博士の秘書をやってたレイチェルと出会って、上述のごとくレプリカントだと見破り、それを彼女に非情のネタばらし。
レイチェルさん、自分を人間だと思ってたから、そりゃ泣くよね。それを見て心を動かされたのか、デッカードさんはレイチェルに惹かれていきます。ってか、最初から教えんな。
そのあと、捜査を続け、踊り子として機嫌よく暮らしてたゾーラさんを発見、追跡して射殺。といってもやっぱりデッカードさん、気分は良くないようだ。
さてレイチェルさんはショックのあまり、タイレル社から逃亡してしまうんだけど、それを理由に「デッカードはレイチェルも解任せよ」という命令が下ります。まったく、この世界の権力者は血も涙もないのか。
とりあえずデッカードさんは捜査を続け、おっさん型レプリカントリオンにばったり。
おっさん型はさすがに強くて、デッカードさんはもう少しでやられそうになるけど、そこにレイチェルが現れ、デッカードが落とした銃を拾っておっさん型を射殺します。
これじゃさすがのデッカードさんも、レイチェルさんを「解任」できないよね。
その後、レプリカントのリーダーのロイは、タイレル博士に会って寿命を延ばす方法を聞くけど、
「そんなものはない」
「残りの生涯、楽しく暮らせ」
とかなんとか笑顔で言われちゃったのでブチ切れたのか、博士を殺害してしまいます。
それを知ったデッカードさん、まずロイの恋人プリスを射殺。
ただロイの方は戦闘タイプだけあって強く、デッカードは追い詰められてビルから落ちそうになり、柱に必死にしがみついて宙ぶらりん状態のところ、ロイはとどめを刺すどころか助けます。
その直後に、ロイは寿命で死んでしまいます。
デッカードさんは家に戻ってレイチェルを発見。連れ出そうとしますが、そこでガフが折ったユニコーンの折り紙をみつけます。
デッカードはそれを見てうなずき、レイチェルとともに家を出ていきます。
デッカードが見たユニコーンの夢
このユニコーンの夢というのは、最初の無印ブレードランナーにはなく、「ディレクターズカット」から追加されたもので、無印との大きな違いとなっています。
で、なんでこれが大事なのかというと、あの帽子とヒゲのガフさんが最後、ユニコーンの折り紙を残してるのですが・・
デッカードしか知らないはずのユニコーンの夢について知っている
→つまりデッカードの記憶は、植え付けられた偽物
→デッカードもレプリカントだ!
という説の根拠になるからですね。
で、実際のところそうなのかというと、映画の作り手の設定としても、どちらとも決められていないとのこと。
それでリドリー・スコット監督とハリソン・フォードさんが論争になるくらいなんだそうです。
スコット監督は「レプリカント」だと言い、フォードさんは「人間」と主張するそうな。
監督と主演俳優で意見が違うってどうなの?と思っちゃいますが、この論争も演出の一環かもしれません。
実際のところは、
どっちか決めていない→どっちでもいいじゃん
ということなのかも。
「ロイの白い鳩」からそう思えてしまう。
ロイ・バッティの白い鳩
ロイさんはデッカードさんと命がけの戦いをしているというのに、何故か途中から白い鳩を抱っこしています。
んで、ロイさんが亡くなると、その白い鳩は空に向かって飛んでいきます。
この白い鳩の意味は?
ジャンヌ・ダルクが火刑に処されたとき、煙の中から白い鳩が飛び立った、なんて伝説が残っています。
キリスト教圏では、白い鳩は魂とか聖霊を象徴するそうで。
つまりロイが亡くなったあと、その胸から白い鳩が飛び立ったということは、ロイの「魂」が天に上ったと解釈することもできる。
え? レプリカントなのに魂?
『アンドリューNDR114』でそうでしたが、「人間に作られたものにも魂は宿る」という考えですね。
そう考えると、デッカードさんが設定上どちらとも決められていないこともわかるきがする。
自我があって魂もあるならもう、人間と区別する意味なくね?
というわけ。
そもそもこの物語の悲劇は、人間とレプリカントを区別することから始まっているようですし。
ルトガー・ハウアーさんが亡くなった年
ブレードランナーは2019年の世界が舞台となっていまして、敵役のレプリカント、ロイさんが死んだのも2019年なのですが・・・
ロイさん役をやったルトガー・ハウアーさんがリアルで亡くなったのも2019年なんですね。
偶然とは言えびっくり。