臨死体験、死んだ後の幸福感、至福感は脳内麻薬による幻覚か?

臨死体験、一時的な死の体験としてよく聞かれることに、「完全なる幸福感を感じた」とか「無限の愛に包まれた」とかいう話があります。

そしてそれを体験した人の多くは大きな変化を体験します。例えば以下のような変化です。

・人生観が変わった
・性格が変わった
・人間関係が良くなった
・エゴの塊だった人が他人のことも考えるようになった
・無神論者だったのに信仰心を持つようになった
・眠っていた才能が開花した
・霊能力を身につけた
・すべてに感謝するようになった
・死の恐怖が消えた
等々。

それは幻覚?

こういう事例について、その臨死体験は「脳内麻薬が見せた幻覚である」と決めつける人がいます。

脳内麻薬によって脳のオピオイド受容体=モルヒネ用物質受容体が反応して、通常ではありえない幸福感を味わったというのですね。

こう聞くと「そうだよね、脳内麻薬のせいだよね」と納得しそうですけど、ちょっと考えると、かなり無理のある解釈だというのがわかります。

脳の中のオピオイド受容体=モルヒネ用物質受容体が興奮して、幸福感を味わう、とのことですが、これは名前の通り、モルヒネのような薬物に反応して、脳で幸福感が生み出されるという話です。

オピオイド受容体というのはそのためのスイッチみたいなものですね。薬物に反応して、スイッチがカチッと入ると、脳が幸福を感じると。

モルヒネで人生好転するわけはない

それでこれ、御存知の通り、一時的なものです。しかも、モルヒネなどの薬物を使おうものなら、依存症の危険まで出てきます。

依存症になれば、人生自体破壊されることになります。

でも。

臨死体験で至福感を味わった人が、薬物依存症になっているでしょうか? そして、破滅に向かっているでしょうか?

それどころか人生観が変わって、人生が好転したという人がほとんどです。

もし、薬物によって脳を狂わせて、そこで得られる幸福感が人生を好転させるなら・・・

人生観を変え、人に優しくなり、人のためを考えるようになり、信仰心を持つようになり、才能も発揮され、霊能力まで得られるのなら・・・

薬物でそれが可能なら、「性格悪い人にはどんどん薬物を注射しろ」「犯罪者には薬物を与えて更生させろ」なんてことになりそうです。

でもそれって・・・ありえませんよね?

モルヒネで人生好転しました・・・って、ありえませんよね?

「脳だけ」で説明すると無理が生じる

以上のことを考えると・・・

臨死体験によって得られる至福感や幸福感、それから無限の愛の体験・・・これらがオピオイド受容体の反応による「幻覚」と考えることには無理がある、ということになります。

脳の作用を超えた、何か別の力を想定せねば、無理なく解釈することはできないのではないでしょうか。