ダウ理論と聞くと
「ああ、あのチャートの波のやつね」
と思ってしまいそうですが、実は大きく6つの法則が含まれています。
ダウ理論6法則
・平均は全てを織り込む
・3種類のトレンドがある
・トレンドには3段階ある
・複数の平均指標があるなら全てでトレンドが確認されなければトレンドとはいえない
・トレンドは出来高でも確認されなければならない
・トレンドは転換シグナルが出るまでは継続する
この6つです。
で、テクニカル分析でよく触れられるのは6番目の法則ですね。テクニカルで「ダウ理論」という場合、この6番目だけを説明することが多いと思います。
ただテクニカル分析では5番目の出来高分析も重要です。
それぞれ簡単に説明
それはさておき、6つそれぞれを簡単に見ていきましょう。
【平均は全てを織り込む】
価格はファンダメンタルを織り込むという考え方ですね。
ただ織り込むまでに時間がかかるので、テクニカル分析が有効に機能することとなります。
【3種類のトレンドがある】
・主トレンド(一次トレンド)…1年~数年周期
・副トレンド(二次トレンド)…3週間~3ヶ月周期
・小トレンド…3週間未満
つまり、大きな視点では上昇トレンドであっても、細かく見てみると、上昇の中に上げ下げがあるということですね。
下降トレンドの場合も同様。
【トレンドには3段階ある】
・先行期…行動の早い投資家が仕込んでいる時期
・追随期…トレンドの発生と継続を見て他の投資家が乗ってくる時期
・利食い期
先行期は買いエントリーであれば底値に近い位置になりますし、売りエントリーであれば天井に近い位置になります。
【複数の平均指標があるなら全てでトレンドが確認されなければトレンドとはいえない】
これはたとえば、日経平均は上げ続けているのに、TOPIXは下げ続けているとかだと、トレンドは認められないということです。
【トレンドは出来高でも確認されなければならない】
上昇トレンドであれば、上げの時に出来高が増え、下げの時に出来高が減る、という形でなければならないということです。
そうなっていなければ、チャートが上昇していても上昇トレンドとはいえないということ。
下降トレンドの場合は下げの時に出来高が増える、という形になります。
【トレンドは転換シグナルが出るまでは継続する】
ということは、ダウ理論に基づいた「転換シグナル」があるということですね。転換シグナルがでていないならそれは「継続シグナル」ということになります。
ということで次に、ダウ理論の第6原則である「継続と転換」について、詳しく見ていきましょう。
ダウ理論の第6原則「継続と転換」
と言っても考え方は非常に単純です。
こちらの図を見てください。
見た感じ「アップトレンド」に見えますね。^^
じゃあダウ理論ではこのどこを見て「上昇トレンド継続」とみなしているのか?
上昇トレンドを見る場合はまず安値から見ていきます。
ここでは①から見ていくことになります。
そこから上がって②、押して③ですね。
まず、上昇トレンド継続というからには、安値①より安値③が高くなっていなければなりません。
安値切り上げ
これが条件その1。
次に、③のあと上がって④まで行きますけど、途中で、高値②を超えていますよね。
つまり、②を超えた所で「高値更新」ですが、この
高値更新
が条件その2。
つまり、安値切り上げと高値更新が見られたら、「上昇トレンド継続」と認めるということです。
だからトレンドフォローで買いエントリーする場合は、③で切り返して価格が上がっていき、②を超えた所、つまり高値更新したところでエントリーすることになります。
ということは?
「トレンド転換」のシグナルとは?
条件1または条件2が崩れた時、ということになります。
ただ、崩れただけでは「下降トレンド」になったのか「レンジ」に突入したのかわかりません。
下降トレンドになったとみなすには、下降トレンドの条件1と条件2を満たす必要があります。
つまりさっきとは逆で、
高値切り下げ
安値更新
この2つが揃えば「下降トレンド」だとみなすわけです。
たったこれだけのことです。
実践的には、上位足にダウ理論を適用してトレンドを見定め、下位足にダウ理論を適用してエントリーポイントを決める、という順になります。
たとえば日足を確かめて
「上昇してるな」
と思ったら「買い」から入ることに決定。
次に1時間足で、ダウ理論を利用しつつどこで入るか決める、ということです。