昔は、消費者金融からお金を借りて返済できないでいると、公正証書に基づいて強制執行、つまり財産差し押さえ、とかあったようですが・・・
現在は貸金業法改正によって、これは現実的ではなくなっています。
公正証書とは?簡単に言うと…
そもそも、
「公正証書って何?」
っていうことですけど、これは簡単に言ってしまうと、
「個人と個人の約束を国が保証したもの」
ということになります。個人ではなく法人でもいいのですけど。
で、たとえば、あなたが消費者金融から借金するときに、
「返済できない時は強制執行してかまいませんよ」
という内容の公正証書を作っておくと、返済できない場合は、問答無用で財産を差し押さえられる、ということなんですね。
公正証書は「面倒」
でもこの公正証書、「作るのがすごくめんどくさい」んです。
消費者金融の人とあなたとで、公証役場に出かけていってですね、本人確認書類とか見せて、それから「公証人」というお役人に認証してもらわないといけない。
そんな、お金を貸すたびに、お客さんと一緒に公証役場に出かけて行くなんて、消費者金融業者としてはやってられない。
あなたから消費者金融に「委任」する
それで昔は「委任状」というのを取ったことがあるんです。
あなたが消費者金融に行ってお金を借りるとしましょう。
そうすると、
「私どものほうで公正証書を作らせていただきますので、委任状に署名とハンコお願いします」
なんて、言われるわけですね。
「委任状」というのはつまりあなたが「私に代わって公正証書を作ってください」って、消費者金融に委任する文書のことです。
昔はそれができたんです。
そして裁判なしの「差し押さえ」が可能になる
で、消費者金融の人はあなたから受け取った「委任状」を持って、公証役場に行くわけですね。
そしてめでたく(?)公正証書が完成すると。
その内容は「返済できない場合はあなたの財産を問答無用で差し押さえます」というものになってると。
貸金業法改正で変わった
でも今は消費者金融はその「委任状」を作らせてはダメだって、法律で決まってるんです。
貸金業法が改正されてそうなったんですね。
昔は、お金を借りたいから、背に腹は代えられない、委任状にサインする人が多かったんです。
「委任状にサインしなきゃお金貸さないよ」
って言われたら、「仕方ない」ってなりますよね。
そんなことにならないように、貸金業法が改正されて、消費者金融は公正証書を作るための「委任状」を取ってはいけませんよ、ということになりました。