がん光免疫療法の実用化はいつ?~治験の結果は…

最初に「光免疫療法」についてのまとめ。

【仕組み】

①がん細胞にのみくっつく抗体と、
近赤外線に反応する色素(IR700)を
結合させたものを体内に投与。

②近赤外線をがん細胞に向けて照射

③IR700が反応してがん細胞を破壊

④免疫細胞が壊れたがん細胞を処理する
とともにがん細胞を認識

⑤転移したがん細胞も免疫細胞が処理

【メリット】

・がん細胞にのみ作用する(体に優しい)
・副作用がなく使用上限がない
・費用が格段に安い
・日帰り治療が可能

【実用化】

早くて東京オリンピックまで。
アメリカだけならもっと早い可能性も。

小林久隆さんとは

末期がんですら「治る病気」になるのではないか・・・

そんな希望のある治療法を研究しているのが小林久隆(こばやしひさたか)さんです。

「怪しい学者じゃないの?」

と思う人もいるかも知れないので、略歴を挙げておきます。

1961年:兵庫県西宮市生まれ。
1987年:京都大学医学部卒。
1995年:京都大学大学院医学博士修得。アメリカ国立衛生研究所(NIH)臨床センターフェローに。
2001年:NCI(アメリカ国立がん研究所)およびNIHシニアフェロー。
2004年:NCI分子イメージングプログラムで主任研究員。
2012年:オバマ大統領の一般教書演説で紹介。日本政府の国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」として表彰。
2014年:NIH長官賞を受賞。
2015年:頭頸部がん患者を対象にした臨床治験が米国で開始。
2018年3月:日本で再発頭頸部がん患者を対象にした臨床治験開始。

NIHもNCIもアメリカ政府直轄の研究機関です。

ちょっと悲しいのは、日本では思う存分研究できなかったのではないかということですね。アメリカで研究なさっています。

それはさておき。

がん光免疫療法の仕組み

まず、光免疫療法の仕組みから見ましょう。

①がん細胞にのみくっつく抗体と、近赤外線に反応する色素(IR700)を結合させたものを体内に投与。
②近赤外線をがん細胞に向けて照射
③IR700が反応してがん細胞を破壊
④免疫細胞が壊れたがん細胞を処理するとともにがん細胞を認識
⑤転移したがん細胞も免疫細胞が処理

このような順序になります。

メリット

次に、光免疫治療と従来のがん治療絵を比べた場合の、光免疫治療のメリット。

・がん細胞にのみ作用する(体に優しい)
・副作用がなく使用上限がない
・費用が格段に安い
・日帰り治療が可能

ということは・・・

「がんより危険なんじゃないか?」なんて言う人もいる抗がん剤や放射線を使わずにすみます。つまり治療自体で体にダメージを与えられることがない

その上、使用上限がないから、何度だって治療することができます

そして大事なのが、費用が安くすむこと。

これまで、がんの最先端治療といえばほとんど「お金持ち専用」だったわけです。実質、「貧乏人は諦めろ」状態。

でも光免疫治療が実用化されれば、そんな悲しいことはなくなります

治験の進捗

ただ気になるのはその効果ですよね。安かろう悪かろうでは意味がない。

これについては、アメリカでの治験はすでにフェーズ2まで終わっているとのこと。

治験というのは、薬品を医薬品として正式に認めてもらうための試験で、3段階あります。

フェーズ1:安全性試験
フェーズ2:効果試験
フェーズ3:優位性試験

つまりアメリカではもう、光免疫療法の「効果」は正式に認められたということ。

驚くべき効果

頭頸部がん、つまり顔や首のがんを対象とする試験ですが、集められた人たちは「末期がん」の状態でした。

つまりもう、他に治療法がない状態。

そのうち、どれくらいの人に効果があったかというと、小林久隆さんの言葉をそのまま書くと、

「2~3割から4割くらいの方が、完全にがんがなくなっている」
「7~8割以上の方に奏効率30%以上のがんの縮小がある」

とのこと。

あの・・・対象は末期のがんですよ?

それなのに、少なく見積もっても「2割」の方が、完全にがんが消えたんですよ?

で、7~8割の方は、がんが縮小したと。

これ、合計したら・・・ほとんど全員に効果があったということじゃないですか。

すごいことですよね。

これだけの効果が、

・がん細胞にのみ作用する(体に優しい)
・副作用がなく使用上限がない
・費用が格段に安い
・日帰り治療が可能

こういうメリットを持ちつつ得られるとしたら、フェーズ3の優位性、つまり従来の治療法より優れているかという試験だって・・・合格しなきゃおかしいんじゃないでしょうか。

優れているに決まってるでしょ?

実用化はいつ?

それで、2018年の3月から日本でも治験が始まりました。

気になるのはいつ「承認薬」となるか、つまり実用化されるかということですが、これも小林さんの言葉を借りれば

「なんとか東京オリンピック(2020年)までに」

とのこと。

どんなガンにも有効?

もう一つ気になるのは

「頭頸部のガンだけ?」

ということでしょう。

これに関しては、現時点でも、

・乳ガン
・肺ガン
・大腸ガン
・すい臓ガンの一部
・食道ガン

には効果があるとのこと。

ただこれは、現時点での抗体のみの話で、これ以外に既に、使えそうな抗体が20種類ほど見つかっているそうです。

そのうち半分でも実用化できるなら8~9割のがんは治るとのこと。

もちろん更に研究を進めて使える抗体を見つけていけば、すべてのがんが治るんじゃないかという期待も持てますね。

この研究が「大人の事情」で潰されたりしなければいいのですが・・・さすがにアメリカ大統領が発表したくらいだから大丈夫かな・・・と思いたい。

※画像出典:テレビ朝日「羽鳥モーニングショー」

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