【まとめ】肝臓の数値すべて解説

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肝臓の数値の変化

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれて
異常があってもなかなか自覚症状がでないものなのですけど、
血液検査の数値も急激には変わったりしないもののようです。
ガンマGTPのようにアルコールに敏感に反応するものも
ありますけどそれは例外的なんですね。
ですので、肝臓の状態を表す血液検査の数値が
正常値からかなり離れているというのは、
もう長い間肝臓が苦しみ続けた結果ともいえます。
ただ、急激に数値が変化する場合もあります。
それはB型・C型肝炎など、ウイルス感染による
肝機能障害の場合ですね。
ただ、数値は変わるのですけど
これまた自覚症状がないことが多いんです。
自覚症状がでたとしても
風邪と間違ってしまうようなもので
見落とすことが多いんですね。
そこが肝臓の病気の困ったところです。
黄疸が出ればわかりやすいですけど、
でた場合は既に症状が進行していることが多く、
また、必ずしも黄疸が出るとは限らないんです。

総コレステロールが高い・低い その原因

コレステロールというと、動脈硬化との関係が深くて
肝臓とはそれほど関係ないんじゃないかと思うかもしれませんが
実はコレステロールの多くは肝臓で作られています。
なので、肝臓に異常があると、
総コレステロールの数値も異常になることが多いです。
もちろんAST・ALTなどと合わせてみる必要があります。
ちなみに総コレステロールの正常値は
120~220といわれています。
AST・ALTの数値が高い状態で、
総コレステロールの数値も高い場合は
脂肪肝の疑いが出てきます。
脂肪が過剰になって血液中のコレステロールも
増えているというわけです。
逆に総コレステロールが低すぎるのも問題で、
コレステロールは肝臓が作っているのだから
それが少なすぎるということは
肝臓が弱っている可能性を示唆します。
もちろんこれらだけで断定はできませんので
この後に精密検査が必要になります。

血小板数(PLT)の増加・減少と肝硬変

結論から言いますと、血小板数は増加した時ではなく
減少した時が危険なんです。肝硬変の疑いも出てきます。
基準値は15万/mm3~40万/mm3となっています。
血小板は肝臓で作られるわけではなく
骨髄で作られますので、この数が減るということは
まずは白血病など骨髄の異常が疑われます。
ただ、肝臓の異常の場合も減ることがあります。
その場合考えられるのはB型やC型の肝炎で、
ウイルスマーカー検査によりウイルス感染も
認められるはずです。
つまり、まず血液検査で血小板数が基準値より低い
という結果が出たら、つぎにウイルス感染がないかどうかの
検査をすることになります。
B型あるいはC型の肝炎であっても、
症状が進むと肝臓が線維化していきます。
細胞が死んでしまってコラーゲン繊維に
置き換わってしまうということです。
これが取り返しの付かないレベルまで進むと
肝硬変ということになります。
そして肝臓の線維化が進むと、
それに応じて血小板数も減っていくというわけです。

プロトロンビン時間の正常値~延長と肝硬変

プロトロンビンというのは血液を固めるために
必要な物質ですが、プロトロンビン時間とは
血液が固まるまでにかかる時間を測定したものです。
正常値は11.5~15秒となっていますが、
これを超えると肝機能障害が疑われます。
肝硬変の疑いもありますけど、
それだけではなく、その他の肝臓病の可能性もあります。
肝炎の場合もあれば肝臓がんの場合もあります。
肝臓では血液を固めるための物質が作られていますので、
肝硬変その他で肝機能が弱ってしまうと、
その物質が不足して血液凝固に時間がかかってしまうということです。
測定方法としては、静脈の血液を使います。
そこから血漿を取って、カルシウムと
組織トロンボプラスチンという物質を混ぜて
血液が固まるまでの時間を測ります。
このように、血液検査で肝機能の状態がわかるというのは
肝臓が作り出す物質がいろいろと
血液に溶け込んでいるからなんですね。

ガンマグロブリンの基準値~高値だと肝硬変?

血清中のタンパク質は大きく分けて
アルブミンとグロブリンということになりますけど、
健康な人であればアルブミンのほうが多くなっています。
ですのでグロブリンの一つである
ガンマグロブリンが高いというのは異常な状態です。
まず基準値は13.2%~23.6%となっています。
これに加えてASTやALTが異常値であれば、
何らかの肝機能障害が考えられます。
必ずしも肝硬変というわけではなく、
慢性肝炎ということもあります。
また、AST・ALTが異常でなければ、
肝臓以外の病気も考えられます。
ガンマグロブリンというのはタンパク質の一種なのですが
免疫のために働くものだからです。
何らかの病原菌に感染していたり、
膠原病や腫瘍、骨髄腫などでも
γグロブリンの数値は高くなってしまいます。
ただ、肝臓以外の病気の場合は
自覚症状があることが多いですので気づきやすいです。

血清アルブミン値の正常値・基準値

まず、血清アルブミンの正常値ですが、
4.0~5.1g/dlとなっています。
ただこれは検査機関によって微妙に違いますので
その検査機関の基準で見るべきです。
さて、血清アルブミンというのは何かというと
血液中に存在するタンパク質の一種です。
これは普通、血液中の総タンパク質の
3分の2近くを占めています。
そしてこの血清アルブミンが
どこで作られるのかというと、肝臓なんですね。
つまり、肝臓に障害があると血清アルブミンが
減ってしまうということになります。
数値としては低いほうが危険ということになりますね。
低い場合には、代わりにγグロブリンの数値が
高くなります。A/G比として、比率で表すことが多いです。
A/Gの正常値は1.1~2といわれています。
つまり健康な人なら、アルブミンはグロブリンの
1.1倍から2倍の量ということになります。
異常値の場合は、慢性肝炎や肝硬変の疑いがあります。
もちろんこれとあわせてAST・ALTなどの
数値も見ることになります。

肝機能数値が高い原因

肝機能を表す血液検査の数値にはいろいろあるのですが、
まず最初に見るべきものはASTとALTです。
ASTとALTは以前はGOT・GPTと呼ばれていた数値です。
肝機能に何らかの異常が見られるとまずこれらの数値が上がります。
危険域と考えられるのはASTが70以上、ALTが100以上と
言われています。
ただこれらの数値は検査機関によって微妙に違います。
だいたいそれくらいと思っておけばいいでしょう。
さて、ASTとALTが高い場合、何らかの肝臓の異常が
考えられますので、他の数値を合わせてみてみます。
たとえばガンマーGTPが高い場合は
アルコールによって肝臓が傷めつけられていることがおいです。
これは男性だと100以上、女性だと40以上が
危険数値と言われています。
ChE、つまりコリンエステラーゼが高い場合は
脂肪肝である可能性が高まります。
コリンエステラーゼの数値に関しては
検査法によって基準値が大きく異なりますので
単に高いか低いかを見ればいいでしょう。
このコリンエステラーゼが低すぎる場合は
肝硬変の疑いもありますので、そちらのほうが怖いですね。
ただ、肝硬変の場合、AST・ALTも低くなってしまうことがあるので
そこには注意が必要です。
また、AST・ALTに加えて総ビリルビンが高いと
肝炎や肝硬変などの肝細胞障害が考えられます。
どれを見るにしても、まずはAST・ALTが高くないか?
というところから見ることになりますね。

ネフローゼ症候群の原因と症状

血液検査で肝臓関係の数値が異常を示した場合、
それは肝臓の異常ではなく腎臓の異常であることもあります。
特に血清蛋白関連の数値の場合がそれにあてはまります。
その時に出てくる腎臓の病名として
ネフローゼ症候群というのがあります。
これは簡単に言うと腎臓の濾過機能が異常になっていて、
タンパク質がどんどん尿として排泄されてしまう
というものです。それで体内でタンパク質が不足します。
原因としては腎臓自体の病気の他に
糖尿病や膠原病なども考えられます。
症状としては蛋白尿が顕著で浮腫も見られます。
血中のタンパク質が不足してしまうことで
血液が薄くなって、水分が血管外に出てしまって
いろいろな場所がむくんでしまうということですね。
それから体が非常にだるかったり、無気力になったり、
腹水が見られることもあります。
これもタンパク質が不足しているということで
起きることですね。

アルブミンの正常値

アルブミンというのは血中のタンパク質ですが、
血清蛋白というのはアルブミンとグロブリンの
2グループに大別することができます。
そしてアルブミンの数値をいうのは、
まず全体の総タンパクの数値で問題になり、
つぎにアルブミンとグロブリンの比率である
A/G比で問題になります。
総タンパクの正常値は6.7~8.3g/dlとなっています。
そしてA/Gの正常値は1.1~2.0となっています。
A/G比が2を超えるということはアルブミンが
グロブリンの2倍を超えて存在するということで
アルブミンの数値が高値だということになります。
この場合はグロブリンが少なすぎるということで
低ガンマグロブリン血症が考えられます。
これは先天性の場合もありますし、
がんやエイズなどの影響ということもあります。
免疫機能が弱っている状態で感染症にかかりやすくなります。
逆にアルブミンが少なすぎる場合は、
肝臓の障害が考えられます。
または膠原病や関節リウマチ、
感染症やネフローゼ症候群も考えられます。

尿ウロビリノーゲンの正常値・陽性・陰性とは

これは名前からわかる通り血液検査ではありません。
尿に試験紙を入れて色の変化で判断します。
ウロビリノーゲンとは何かというと、
もとはといえばビリルビンです。
血液中で赤血球が壊れて間接ビリルビンができるのでしたね。
それは肝臓で処理されて直接ビリルビンとなり、
胆汁に混じって十二指腸へ排出されます。
その直接ビルルビンが、腸内細菌に分解されたものが
ウロビリノーゲンです。
これ、腸から再吸収されて血液に入ります。
そして腎臓でろ過されて、尿に混じって出てきます。
ということはつまり・・・直接ビリルビンの数値が高ければ
尿ウロビリノーゲンも高くなるということになります。
正常値は数値ではなく「弱陽性」と表現されます。
陰性でも陽性でも異常です。
陰性の場合は、直接ビリルビンが腸に排出されていない
ということで、胆道が詰まっていると推測されます。
陽性の場合は「+」「2+」とありますが、
高くなるほど危険です。
肝臓病や溶血性貧血が考えられます。
ただ、尿検査よりも血液検査のほうが正確ですので
尿ウロビリノーゲンだけで判断するということはありません。
ではなぜこんな検査があるのかというと、
血液検査より簡単だからです。
簡単にできるというのがメリットなんですね。

LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)の検査値

血液検査で肝臓関係の数値としてLAPというのもあります。
これはロイシンというアミノ酸を分解する酵素です。
体の中では肝臓や胆のう、それからすい臓や腎臓にも
存在しています。
ですのでそれら臓器の細胞が壊れた時に
血液中に混入すると考えられますが、
不思議なことに、LAPの検査値が上がるのは
胆のうや胆道に異常があるときだけのようです。
つまり胆石症とか、胆のう炎とか、
またいろいろな原因によって胆道が詰まった時ですね。
さて、数値に関してですが
正常値は35~80IU/lとされています。
これより低い場合は問題ありません。
高い場合ですが、120以上ですと危険値となりますので
精密検査が必要になります。

コリンエステラーゼ(ChE)の基準値

血液検査で肝臓関係の数値というと
だいたい高いと危険というものが多いのですけど、
コリンエステラーゼは高すぎても低すぎても危険・・・
というか低いほうがかえって怖いです。
まず正常値ですけどこれは
3200~6800IU/lとされています。
ただし個人差が大きい数値なので一概にはいえません。
さて、これより高い場合は
脂肪肝やネフローゼ症候群の疑いが出てきます。
ネフローゼというのは肝臓ではなく腎臓の病気です。
そして、低いほうが怖いと書きましたが、
あまりにも低い場合は肝硬変や肝臓がんの疑いがあります。
コリンエステラーゼは肝臓で作られる酵素ですが
それが減りすぎているということは
肝臓が機能していないことを推測させるからです。

コリンエステラーゼ(ChE)と脂肪肝

肝臓が悪いかどうかは、血液検査の数値としては
まずAST・ALTが見られるわけですけど、
その2つが高いとわかって、さらにコリンエステラーゼも
高いとなると脂肪肝の疑いが出てきます。
でもコリンエステラーゼって酵素なんですよね。
語尾に「◯◯ーゼ」ってつくのはだいたい酵素です。
このコリンエステラーゼは、アセチルコリンなどの
神経伝達物質を分解する酵素です。
これって・・・脂肪関係ないですよね・・・
なのになぜ脂肪肝といわれるのかと。
脂肪肝になっていると、
肝細胞は過剰に働かなければなりません。
脂肪を分解するためです。
そうすると肝臓全体が過活動状態になります。
コリンエステラーゼというのは肝臓で作られる酵素なので、
この過活動状態によって、「ついでに」生産が増えてしまいます。
それで脂肪肝だと血液中のコリンエステラーゼが増えるんです。

直接ビリルビンと総ビリルビンの正常値と高値は

血液検査ではまず、総ビリルビンの数値が見られます。
総ビリルビンが高いとなると、次はその内容を見るために
直接ビリルビンの数値が見られます。
以下、具体的な数値を見てみましょう。
(単位はmg/dlです。)
まず、総ビリルビン(TB)の正常値ですが、1.3以下となっています。
低い方は心配要りません。
1.4以上になると注意が必要なレベルです。
3以上になると赤信号です。
3以上のレベルになると血液検査をしなくても
わかることがあります。黄疸が出るからです。
次に直接ビリルビンですが、
これは0.3以下が基準値となっています。
0.4以上ですと注意ということになり、
2以上となると危険です。
胆汁が逆流して、血液に入り込んでいることを意味します。
これは、胆管が詰まっているか肝臓の働きが悪くなっている
ことが原因で、胆汁が流れなくなっているということです。
一方、関節ビリルビンの方は1以下が基準値となっていますが
少しくらい高くてもそれほど心配いらないようです。
ただ、溶血性貧血などの可能性もあります。

直接ビリルビンと総ビリルビンの違い

ビリルビンとビール瓶はなんだか似てますし
血中ビリルビンが増えると尿がビールのようになるといいますが、
別にビールの成分ではありません。
元をたどると赤血球に行き着きます。
赤血球には酸素を運ぶヘモグロビンという物質が含まれていますが
これが分解されるとビリルビンという物質が出てきます。
これを間接ビリルビンといいます。
間接ビリルビンは脂溶性なのですが、
肝臓で処理されて水溶性のものに変わります。
これを直接ビリルビンと呼びます。
簡単に書くと以下のようになります。
ヘモグロビン→(分解)→間接ビリルビン→
→(肝臓で処理)→直接ビリルビン
血液検査で出てくる総ビリルビンというのは、
直接と間接を合わせた数値となっています。
この後、直接ビリルビンは胆汁に混じって
胆管から十二指腸へ排出されます。
胆管か肝臓に異常があって胆汁がうまく流れない場合
直接ビリルビンが逆流して血液に入ってしまいます。
ですので、直接ビリルビンの数値が高ければ
胆管か肝臓に異常があるということになります。
間接のほうが多ければそれは何らかの理由で
赤血球が普通より多く壊れていることを意味します。

A/G比の正常値と異常値

A/G比というのはAとGの比率ということなんですけど・・・
それじゃあそのままですね。
A÷Gの数値ということです。
これでもいまいちわかりませんね。
Aというのはアルブミンのことで
Gというのはグロブリンのことです。
どちらも血清中に溶け込んでいます。
で、この2つはタンパク質なのですが、
どちらも肝臓で作られます。
だから、肝臓に異常があるとこの数値に異常が出るんです。
アルブミンとグロブリン、2つに分けて見るだけですので、
蛋白分画を簡単にしたものといっていいでしょう。
A/G比の正常値は2となっています。
つまりA÷G=2前後が正常ということです。
A÷Gが1未満になると、危険とみなされます。
1未満ということはアルブミンよりグロブリンが多くなっている
ということですね。
その場合は肝臓の病気の他に、
がんとかネフローゼ症候群などが疑われます。

蛋白分画の正常値・異常値と病名

血液検査では総蛋白の濃度も重要な数値として調べられますけど、
そのタンパク質自体がどういう比率で構成されているかも
どんな病気かを推測する上で重要なんです。
「どんな比率か」ということですが、
5種類のタンパク質についてその割合を調べます。
これを蛋白分画と言います。
5種類のタンパク質とは
アルブミンと、グロブリン(α1、α2、β、γ)です。
それぞれの正常値は以下の通りです。
アルブミン:60~65%
α1グロブリン:1.7~5%
α2:6.2~12.5%
β:8.3~16.3%
γ:10.7~20.0%
それぞれ多すぎても少なすぎても
何らかの病気が考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
【アルブミン】
アルブミンは多い方は問題はありません。
少ない場合は肝炎や腎炎、がんやネフローゼ症候群が疑われます。
【グロブリン】
次にグロブリンですが、
α1、α2、βが少ない場合はどれも肝臓の病気が疑われます。
γが少ない場合はネフローゼやリンパ性悪性腫瘍が疑われます。
α1、α2が多い場合は、体のどこかの炎症か
がんや自己免疫疾患が疑われます。
α2、βが多い場合はネフローゼが疑われます。
またβは妊娠でも高くなります。
γが多い場合は肝臓の病気の他に感染症や自己免疫疾患、
またはがんなどが疑われます。

血清総蛋白(TP)の正常値

肝臓というのはタンパク質も合成していて、
それが血液に溶け込んでいます。
ですので血清中のタンパク質の濃度を調べることで、
肝臓が正常に機能しているかどうかを
推測することができるんです。
ただ、肝臓がタンパク質を作る量は、
多すぎても少なすぎても異常なんです。
多すぎということは何らかの理由で暴走しているということです。
少なすぎということは機能が衰えているということです。
ということで正常値ですがこれは
6.7~8.3g/dlとなっています。
特に危険といわれるのは、
低すぎる方では5.9以下、
高すぎる方では9.0以上です。
どちらの場合も、肝臓の異常が考えられます。
ただ、高い場合は自己免疫疾患なども考えられます。

TTTとZTTの正常値・異常値

TTTもZTTも血清に薬品を加えてその濁り具合を見、
そこから肝臓の異常などを推測しようとするものだ
ということでしたね。
それで正常値ですけど・・・これ単位が独特です。
TTTのほうはマクラガンという単位で、
ZTTのほうはクンケルという単位です。
まあ、単位はどうでもいいです。
問題は数値ですね。
TTTは4以下が正常値となっています。
ZTTのほうは12以下が正常値です。
TTTとZTTで異常値の場合に推測される病気は
微妙に違うのですけど、共通するものとしては
肝臓の病気や自己免疫疾患があります。
病原菌などの異物が体内に入り込んでいる時も
高い値が出ます。
これは免疫が働いている状態ということで
自己免疫疾患と同様ということです。
微妙に違うというのは、
TTTが高い場合は高脂血症が考えられ、
ZTTが高い場合は多発性骨髄腫が考えられる
ということです。
以上、いろいろな可能性がありますので、
この検査はあまり行われなくなってきているわけなですね。

肝機能をTTTやZTTで判定するのは…

どちらも「血清膠質反応検査」というものなんですが
簡単に言うと、血清にある薬品を入れてどれくらい濁るかで
肝臓の働きを判定しようという検査です。
どれくらい濁るか、ですので曖昧なことも多く、
国際的には消えていきつつある検査です。
日本だけなぜか行われています。
AST、ALTをGOT、GPTと呼び続けていたことといい
日本の医学会は頑固なのでしょうか。
それはさておき、
TTTのほうは「チモール混濁試験」
ZTTのほうは「硫酸亜鉛混濁試験」
といいます。
肝臓はタンパク質を合成していますが、
そのタンパク質濃度によって血清の濁り具合が変わってきます。
ですのでその濁り具合を見て
肝機能の異常を推測しようというわけです。

ALPの正常値・異常値とアイソザイム

ALPの正常値

さて、ALPが高いと肝臓や骨に異常があることが考えられる
ということでしたが、それではまず正常値とは
どれくらいかといいますと・・・・・・
90~300IU/l
となっています。
これより低い場合は亜鉛不足が考えられますが深刻ではありません。
亜鉛のサプリメントでも飲めばいいのです。
高い場合が問題です。

ALPのアイソザイムと病気

ALPにもアイソザイム、つまり形の異なるものがあって、
それは1~4まで番号が付けられています。
このうち、肝臓系の異常を示すのは1と2です。
これらが高ければ肝臓または胆道の病気が疑われます。

3が多い場合は骨の病気が疑われます。
では4は何かというと、妊娠後期の女性だと
これが高くなります。
もちろんALP単体で判定するようなことはなく
他の数値や精密検査の結果を見て
どんな病気か確定していくことになります。
※メモ
肝臓が悪い場合は、AST・ALTが高くなりますので、
肝臓が気になる場合はまずそちらの数値を先に確認
ということになります。
ALPなどは補助的に使っていくことになります。

ALPが高いと肝臓が悪いの?

ALPが高い→肝臓または骨の異常

血液検査でALPという数値もありますよね。
アルカリフォスファターゼとかアルカリフォスターゼとかいいますけど、
そんなことはどうでもよろしい。
ALPというのもASTやALTと同じく酵素の一種なのですが
ALPはエネルギー代謝に関わっています。
それで、体のいろいろな場所にありますが、
これが血中で増えてしまうのは、
特に肝臓かまたは骨に異常がある場合です。

細胞が過剰に壊れるから数値が上がる

肝臓や骨の細胞が過剰に壊れることで、
ALPが血液中に流れ出して、
血液検査では通常より高い数値になるというわけです。
ALPが高いだけでは、肝臓と骨、どちらが悪いのか
わからないわけですが、それを判別する方法もあります。

それについては次の記事でお話します。
※メモ
ALPは普通は細胞膜の上に存在しています。
いろいろな臓器の細胞に存在するようですが、
血液中に出てくるのは肝臓由来のものと骨由来のものがほとんどです。
それでこのどちらかで細胞が死んだり再生したりを
繰り返していると、新しい細胞膜ができるわけですから
ALPがたくさん必要になるのですね。
それでたくさん合成されて、血液中に増えてしまいます。
その結果が血液検査の数値として出てきます。
例によってALP自体が悪者というわけではありません。

LDH(乳酸脱水素酵素)の正常値・異常値

LDHが低いのは問題ないが…

血液検査でLDHが高値を示した場合、
体のどこかに異常があるということになります。
まず、正常値ですがこれは130~235IU/lとなっています。
LDHは低すぎる方は問題ありません。
これより高い場合が問題なのですけど、
前に書きました通り、LDHは体のいろいろなところに
分布しています。

どこの細胞が死んでいるのか知るために

それで、どこの細胞が壊れて出てきたLDHかを
判別するために、LDHは5つのタイプに分けられています。
このタイプを「アイソザイム」と言います。
アイソザイムとは働きは同じだけど、
形が微妙に違う酵素のことです。
そしてLDHのアイソザイムは1~5まで番号が付けられています。
このどれが多いかで、体のどこが悪いのかを推測します。

LDHのアイソザイムと病気

アイソザイムの1と2が高ければ、
心筋梗塞や溶血性貧血が疑われます。
2と3が高ければがんまたは筋肉の異常が疑われます。
3と4ならがんの可能性があり、5だと肝障害や子宮がんが疑われます。

ただしこれで確定ではなく、
これによってしぼりこんだ後、
さらなる精密検査が必要になります。
※メモ
これによって肝臓の異常が疑われれば、
超音波診断やCT、MRIなどの画像診断が
行われることになります。

LDH(乳酸脱水素酵素)は肝臓だけじゃなかった

肝臓が悪い、とは限らない

血液検査でLDHという数値もあります。
これが高いと、肝臓が悪いといわれることもあります。
LDH自体は酵素なので、別に有害物質でもなんでもなく、
体のいろいろな場所に存在しています。

エネルギーの必要なところにLDHあり

肝臓以外の臓器や骨格筋にも存在しているんです。
そして人体のエネルギー代謝に関わっています。
エネルギーは骨格筋でも内臓筋でも当然必要なので
そういう場所にあるというわけです。

細胞が壊れるとLDHが流れだす

それで、LDHが血中で増えるということは
そういう内臓または骨格筋の細胞が
壊れいているということになります。
ではどこの細胞が壊れているかどうやって判別するのか?
それはまた次の記事でお話しようと思います。
※メモ
LDHは日本語では乳酸脱水素酵素といいます。
それで体じゅうにあるということなので
単にLDHが高いだけでは何が悪いのかわかりません。
でもLDHにはいくつかの種類(アイソザイム)があるので
それを調べて判定します。

肝臓の数値一覧

血液検査でみる数値のうち
肝臓に関係あるものを概観してみたいと思います。

AST(GOT)・ALT(GPT)

肝臓の数値といえばまずこの2つです。
え? 4つある?
あ、GOTやGPTという呼び名は使われなくなりつつあります。
この2つは肝臓その他に存在する酵素で
肝臓に異常があって肝細胞の破壊が進むと
血液中に溢れ出します。
高いと危険です。低い方は問題ありません。

ガンマGTP

これも肝臓の数値としてよく出てくるものですが
たまにどこも悪くなくても高い人もいます。
アルコールに特に反応しやすいと言われています。
アルコール性肝炎の場合高くなりやすいです。
高いと病気の疑いありです。低い方は問題ありません。

LDH(乳酸脱水素酵素)

これも名前を見るとわかる通り酵素なのですが、
肝臓だけでなく、いろいろな臓器に存在します。
ではどこが悪いのかどうやって調べるのかというと、
LDHを5つのタイプに分けて、どれが多いかで推測します。
高いと病気の疑いありです。低いのは問題ありません。

総ビリルビン・直接ビリルビン・間接ビリルビン

胆汁の色のもととなっている黄色い色素です。
肝臓や胆道の異常で胆汁の流れが悪くなると
ビリルビンが血液に逆流し、黄疸が出てきます。
高いと問題です。
黄疸ですから目に見える異常となって出てきます。

総蛋白(TP)

血清中のタンパク質の濃度です。
肝臓ではタンパク質が合成されますので、
肝臓に異常があると、総蛋白の数値に表れます。
これは高すぎても低すぎても問題があります。
A/G比や、蛋白分画によって更に細かく分析することができます。

コリンエステラーゼ(ChE)

これは肝臓で作られる酵素ですので、
肝臓に異常があると数値も異常になってきます。
コリンエステラーゼに関しては、高い方も問題ですが、
低いほうが、肝硬変や肝臓がんなど怖い病気が多いです。

ALP(アルカリフォスファターゼ)

アルカリフォスターゼということもあります。
体のいろいろなところにある酵素ですが、
肝臓や骨に異常がある場合に数値が高くなります。
低い場合は亜鉛不足の疑いがあるくらいでそれほど心配いりません。

LAP

ロイシンアミノペプチダーゼです。
肝臓というよりも胆道に異常がある場合に高くなります。
低い方は問題ありません。

TTT・ZTT

特定の薬品を加えた時の血清の濁り具合を表す数値です。
高い場合にいろいろな病気が推測されますが、
この数値だけで絞り込むのは難しいとされています。