肝臓の働き

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肝臓の切除と再生

内臓の切除なんてめったにしないはず

肝臓の病気で、肝臓を一部切除しなければならない
ということもありますよね。
でも他の臓器と比べると、切除ということを
よく聞くような気がしませんか?
これは肝臓が非常に再生能力の高い臓器なんだからですね。
例えばマウスを使った実験では、肝臓の7割を切り取っても
1週間でもとの大きさに戻ったという例もあります。

肝臓は再生するが胃は再生しない

他の臓器だと考えられないことですね。
たとえば胃の切除なんてこともありますけど、
残念ながら胃は再生しないのです。
また、肝臓は再生力が強いというだけでなく、
もともと余裕がある臓器なんです。

肝細胞の4分の3は予備!?

肝臓の細胞のなんと4分の3は「予備」の細胞だと言われます。
半分切り取っても機能は落ちないということです。
でもそれだけに、
肝臓には負担をかけがちになってしまいます。

沈黙の臓器だけに、限界が来ると…

沈黙の臓器、いじめてもいじめても
黙って働いてくれる肝臓ですが、
そんなことを続けているといずれ限界が訪れます。
その時には既に、取り返しの付かないほどの
ダメージが蓄積されていた、ということになるのでしょう。

肝臓と美容・美肌の関係

肝臓の健康は美肌に必須

美肌なんていうと、肌につける基礎化粧品を
すぐに思い浮かべてしまいがちですけど、
それにもまして大事なのは内側からの
スキンケアですよね。
それで、肝臓は美肌のためにも
大きく役立ってくれています。

肝機能が衰えると血液が汚れる

肝臓が悪いと顔色も悪くなったりします。
黄色は黄疸ですが、土気色になったり
黒くなったりすることもあります。
あれは要するに血が汚れてしまっているんですね。
肝臓は有害物質を分解してくれる働きがありますので
肝臓が弱れば血液中の有害物質が増えるというわけです。

血液が汚れれば肌も醜くなる

肌の細胞に必要な栄養や水分を届けるのは血液ですが
その血液に有害物質が含まれていたのでは
肌がきれいになりようがありません。
ニキビが増えることもあるでしょうし
くすみが目立つことにもなるでしょう。

抗酸化酵素グルタチオン

また、肝臓はグルタチオンという酵素を作っていますが、
これは抗酸化作用があるものです。
つまり老化の元凶である活性酸素を除去してくれるものですが、
肝臓が衰えればグルタチオンも不足してしまいます。
そして活性酸素の害が増えれば、メラニンが生成されやすくなり
シミも増えますし、細胞や遺伝子まで傷つけられて
肌の老化が進むことになります。

肝臓は肌の素材を作る

肝臓ではタンパク質の合成も行っていますが、
これは肌を作るための素材ともなります。
つまり肝臓が衰えれば肌が新しく作られにくくなる、
つまりターンオーバーが滞るということにもなります。
血液が汚れるということも合わせて考えると
二重の意味でターンオーバーには悪影響があるわけです。

肝内結石症の原因・症状と治療

肝内結石症というのは文字通り、肝臓の中に石ができる
という病気なのですが、肝細胞にできるのではなく、
肝臓の中にある細い胆管に石ができてしまいます。
これが肝臓より外の胆管でできる場合、
総胆管結石といいますけど、それよりも肝臓内のほうが
治療は難しくなってしまいます。
肝内石灰化とはまったく別のものです。
肝内石灰化
原因が何かはよくわかっていません。
ただ、大都市で生活している人のほうが
かかりにくい病気だというデータはあります。
食生活の違いが関係するのでしょうか?
症状としては、痛みがあったり熱が出たり
ということもありますし、胆管が詰まるわけですから
黄疸が出ることもあります。
治療法としては今のところ、
結石が生じた部分を切り取ってしまうという方法が多いようです。
つまり肝臓の部分切除ということになります。
また、切らない方法としては内視鏡を用いるものもあります。
経皮経肝胆道鏡(PTCS)というものを用います。
再発しやすいと言われており、
また、重症になると命にも関わりますので
手術を受けたあとも、定期的に検査する必要があります。

肝臓の再生メカニズムと成長ホルモン

肝臓は非常に再生力の高い器官として知られていますが
その再生メカニズムとしては2つのものが知られています。
一つは細胞が普通に増殖するというメカニズムです。
これは細胞分裂をするということですから
体じゅうで起こっていることなのですが、
肝臓の場合はそれが活発だというわけです。
その時に必要とされるのが成長ホルモンです。
成長ホルモンとは何も子供が成長するときのみに
必要とされるのではなく、大人になってからも
細胞分裂において必要とされるものです。
その成長ホルモンは主に睡眠中に分泌される
ということでしたね。
睡眠不足は脂肪肝・肝機能障害の原因?
またもうひとつのメカニズムとして、
肝細胞の増殖能力自体が傷つけられてしまった場合に
既存の肝細胞とは別に肝前駆細胞というものが
作られるというパターンがあります。
この肝前駆細胞が新しい肝細胞になるということですね。
こちらの場合だと、肝臓の中に特殊な細胞が現れ
それがFGF7というタンパク質を分泌することで
肝前駆細胞が作られるようです。

ストレスは肝機能障害の原因?

ストレスは万病の元ともいいますが、
ストレスが原因で肝臓が悪くなったという人もいます。
いったいどんな因果関係があるのでしょうか?
一般的に、肝臓は副交感神経が優位の時に
働くと言われています。
気分的にリラックスしていると
肝臓も働きやすいということですね。
ところがストレスが続いて
精神が長期にわたり緊張状態におかれると
交感神経が優位な状態が続いてしまいます。
これによって肝臓の働きが弱くなってしまうと
考えられます。
さらに、ストレスが続くと、体内で活性酸素が
多量に生み出されることになります。
これは肝臓にかぎらず体を傷つけてしまいます。
また、ストレスが原因で食べ過ぎてしまう、
お酒を飲み過ぎてしまうということがあれば
これは確実に肝臓への負担になります。
ただでさえ、交感神経優位の状態で
働きが衰えているところに、大量のアルコールが
襲ってくれば肝臓が壊れてもおかしくないでしょう。
その上、ストレスが続くと
不眠症になってしまうかもしれません。
これももちろん肝臓のみならず
体全体を傷つけることになってしまいます。
そういうことが複合的に働いて、
ストレスが肝臓を壊してしまうということなのでしょう。

肝臓は鉄の貯蔵庫なので鉄不足より過剰に注意

体内の鉄分は主に、
血漿→骨髄→赤血球→マクロファージ→血漿
という順番で体内をめぐり、肝臓はいざというときの
鉄の貯蔵庫という話でしたね。
肝臓の鉄代謝・貯蔵とヘプシジン
なので肝臓にはたくさんの鉄が蓄えられています。
体内に存在する鉄のなんと4分の1は肝臓に存在するそうです。
ちなみに7割程度は赤血球に組み込まれています。
そして意外にも鉄を排泄する仕組みは
私たちの体に備わっていないんです。
つまり基本的には体内の鉄はリサイクルされ続けているということです。
鉄が不足するのは出血した時など、特別な場合なんですね。
だから鉄が不足するというのは、
体がどんどん大きくなっている子供か、
あるいは生理で血液を失ってしまう女性ということが普通で、
成人男性の場合はめったに鉄不足ということにはなりません。
だから肝臓が弱ってヘプシジンが減ってしまって、
腸からの鉄の吸収が抑えられなくなると
鉄過剰の状態になって危険なのですね。

肝臓の鉄代謝・貯蔵とヘプシジン

肝臓は鉄分の貯蔵庫としても働いています。
私たちの体になぜ鉄が必要なのかというと
赤血球の素材となって酸素を運ぶ役割をするからです。
それで鉄分はどういう経路で体を巡っているのかといいますと、
まず外界からの摂取がありますよね。これは腸からの吸収ですが、
体内に十分な鉄分がある場合は吸収されません。
ここで鉄分の吸収を抑えるために働いているのが
肝臓で作られているヘプシジンというホルモンです。
だから通常は鉄過剰になることはほとんどありません。
次に体内での鉄分の動きですが、
血液の血漿の中にまず溶け込んでいます。
血漿というのは血液の血球など以外の液体の部分ですね。
この血漿中の鉄分を骨髄が取り込んで
赤血球を作ります。だから血漿から赤血球に鉄が移るわけです。
赤血球は約120日で寿命を終えますが、
寿命が来ると、体内のマクロファージという細胞に
食べられてしまいます。マクロファージというのは
体内の掃除屋さんと思っておけばいいでしょう。
ということで赤血球からマクロファージに鉄が移ります。
そしてマクロファージは血漿の中に鉄分を戻し、
その量を一定に保ちます。そして血漿中の鉄は骨髄に・・・・
つまり・・・
血漿→骨髄→赤血球→マクロファージ→血漿
という順番で鉄分は回っているわけです。
あれ? 肝臓は?
肝臓は鉄の貯蔵庫の役割を果たしていますので、
上記のサイクルで鉄が不足した時だけ、
肝臓から鉄分が放出されます。
それ以外ではヘプシジンを分泌することで
鉄のやりとりを抑制するという仕事をしています。

肝臓の糖新生とグルカゴン

肝臓は糖新生という働きによって、
糖質以外の物質からブドウ糖を作り出せるということでしたが、
糖新生を起こすべく肝臓に情報を伝達しているのが
グルカゴンというホルモンです。
これはインスリンと逆の働きをするホルモンと
考えておけばよさそうです。
インスリンはご存知のように、
血糖値が上がった時にそれを下げる役割をしますが、
グルカゴンは血糖値が下がった時に
これを上げる役割を果たします。
どちらも膵臓から分泌されています。
グルカゴンが分泌されると肝臓は
「ブドウ糖が不足している、これは大変」
ということで糖新生の仕事にとりかかるわけです。
また、肝臓だけでなく、全身の脂肪細胞の分解も進み
遊離脂肪酸として血液中に放出されます。
この遊離脂肪酸も肝臓に送られてそこで活用されます。

肝臓の糖新生と脂肪肝

消化されて体内に吸収された糖質は
私たちの体のエネルギー源となるのですが
一部は肝臓にグリコーゲンという形になって
蓄えられます。
体はそれをエネルギー源として活動できるわけですが
それがなくなってしまった場合はどうするのでしょう?
ガス欠になった自動車のように止まってしまうのでは困りますが、
ここでも肝臓が働いてくれます。
糖新生という働きによって、糖質以外のものから
ブドウ糖を作り出し、体にエネルギー源を供給するのです。
なんだか魔法みたいですよね。
例えばよくある糖新生としては、脂肪からブドウ糖を作る
というものです。ダイエットを考える人にとっては
是非とも進めていきたい糖新生だと思います。
脂肪肝の改善にもなりますね。
脂肪が分解されるとグリセリン(グリセロール)ができますが
肝臓はこのグリセリンを原料にしてブドウ糖を作ります。
また、ブドウ糖代謝の過程で作られる乳酸も、
糖新生によってブドウ糖に変えられます。無駄がなくていいですね。
あまりおこってもらうと困るのは、
アミノ酸を原料にした糖新生です。
食糧不足や過度な食事制限によっておこることですが、
糖質どころか脂質すら足りなくなってしまって、
筋肉をアミノ酸に分解してそれからブドウ糖を作るわけです。
これが続くと筋肉がやせ細っていくことになります。

糖質制限と肝臓への負担

炭水化物などの糖質を取りすぎてしまうと、
余分な糖質は結局脂肪となって蓄えられてしまいますので
脂肪肝や肥満、メタボリックシンドロームの元になって
よくありません。
ということで糖質のとりすぎには注意しなければならないのですが、
減らしてしまうとこれまた肝臓への負担になるのではないか
という人もいます。
糖質が減ると、肝臓は糖新生をしなければならないので
仕事が増えてしまうというわけですね。
ですがこれはあまり心配しなくて良いようです。
なぜなら糖新生というのは特に異常事態でもなく、
肝臓にとっては普通の機能なので
逆に肝臓が活性化するというのです。
なぜそんなことが言えるのかというと、
人類数百万年の歴史で、コメや小麦など
炭水化物を大量にとるようになったのは
ほんの最近のことだからというわけです。
むしろ私たちの肝臓は糖質制限状態で数百万年過ごしてきたので
その状態のほうが普通だということですね。
砂糖など甘いモノがよく食べられるようになったのは
さらに最近のことです。
ですので糖質制限による肝臓への心配をするよりも
とりすぎによる肝臓や膵臓への負担を
心配するべきたということになります。

肝臓病と便秘

肝臓が悪いせいで、便に血液が混じって黒くなったり、
あるいは油が消化できなくてトイレの水に浮いていたり
ということはありますけど、便秘になる、
ということはないようです。
ただ、便秘のせいで肝臓に負担をかけることはありえますし、
肝機能障害の状態の時に便秘になると
普通よりも体への悪影響が大きいということもありえます。
なぜなら便秘になると腸の中で悪玉菌が増え
その悪玉菌は有害な物質を増やしてしまうからです。
また、アンモニアも発生します。
そういうものが腸から吸収されれば、
肝臓は有害物質の分解のために働かなくてはならないので
負担が増えることになります。
また、肝機能が弱っている時、
例えば肝硬変などの時に起こることですが
アンモニアなど有害物質を分解できなくなっていて
それが脳に達して肝性脳症を引き起こす
ということも知られています。
ですので、腸をきれいにするというのは
基本的なことですが日頃から気をつけておきたいものです。

胆汁の成分と役割

胆汁の成分には
胆汁酸やビリルビン、コレステロールなどありますが
その中で重要なのは胆汁酸です。
胆汁酸こそが胆汁の役割を担っているんです。
さてその役割ですが、脂肪の消化を助けることにあります。
脂肪はあのとおり「脂」ですので、消化酵素と混ざりにくいんです。
胆汁酸はこれを乳化して、消化酵素リパーゼと
混ざりやすい形にしてくれます。
乳化というのは細かい粒にするということですね。
さて、胆汁のもともとの原料は何かというと
コレステロールです。肝臓はこれを原料にして
胆汁酸を作ってくれます。
さらにビリルビンなどと混ぜて胆汁のできあがりです。
ビリルビンというと血液検査の項目でありますね。
これは赤血球が分解された時にできる物質で、
体にとってはもういらないものです。
だから肝臓は、胆汁酸と混ぜて排出してしまおうというわけです。
ところが肝臓や、胆汁の通り道である胆管に異常があると、
このビリルビンがうまく排出できなくなります。
それで血液検査でビリルビンの数値が上がるというわけです。
そしてこのビリルビンの色は黄色です。
つまり、血中のビリルビンが増え過ぎると黄疸が出るというわけです。

肝臓と脂質代謝・糖代謝・蛋白代謝

肝臓ではいろいろな代謝、つまり合成と分解が
行われているわけですけど、脂質・糖質・タンパク質
つまり三大栄養素の代謝も行われています。
3つ全て行っているわけですので
肝臓がいかに大事かがわかりますね。
まず脂質代謝ですけど、
腸で吸収された脂肪酸などを材料にして、
コレステロールや中性脂肪、リン脂質などを合成します。
中性脂肪はエネルギー源となりますし、
コレステロールやリン脂質は細胞膜の材料などになります。
次に糖質代謝ですが、これも腸で吸収された
ブドウ糖を使ってグリコーゲンを作ります。
グリコーゲンはエネルギー源として蓄えられます。
そして蛋白代謝ですが、これは腸で吸収された
アミノ酸を用います。アミノ酸を材料にして
人体に必要なタンパク質を作ります。
なので食べた肉がそのまま筋肉になるわけではありません。
ちゃんと「人間用」に肝臓が作り替えてくれるんです。
肝臓が作ってくれたタンパク質が筋肉や皮膚の材料となります。

肝臓と血液の流れ

肝臓には主に、2つの血管から血液が流れ込んできます。
1つは肝動脈で、主に酸素がはこまれてきます。
もう一つは消化器官で吸収した栄養素を運んでくる門脈です。
血液量としては前者が2、後者が8くらいです。
この2つの血管が運んできた血液は、
毛細血管を通って肝細胞に届けられます。
肝細胞は、血液中の栄養素を、体が利用できる形の
物質に作り変えてくれます。
また、有害な物質は分解してくれます。
肝細胞はおよそ50万個ほど集まって
1つの肝小葉を作っていますが、この肝小葉の真ん中に
中心静脈が通っています。
上記、肝細胞で処理された血液は、
この中心静脈に集まり、そうして肝静脈に入って心臓まで送られます。
心臓はこれを体全体に送り出すというわけです。

肝臓のコレステロール代謝(合成と分解)

肝臓はなにもアルコールを分解するためだけの
臓器ではありません。それ以外にもいろいろな
仕事をしてくれています。
その中でも大きなものの一つとして
コレステロールの代謝があります。
コレステロールを合成したり分解したりという仕事です。
ですので、肝臓に異常がある場合、
血液検査でコレステロール値に異常が出ることもあります。
コレステロールの材料は脂質ですが
脂質から作られたコレステロールは
血液に乗って全身の細胞に運ばれます。
この全身へ運んでくれるもののことをLDL
つまり悪玉コレステロールと呼んだりします。
でもこれ、必要だからこそ全身へ運んでいるわけであって
けっしてそれ自体が「悪玉」というわけではありません。
何に必要かといいますと細胞膜や
ホルモンを作るために必要なんです。
だから悪玉コレステロールだって
なければ人間は生きていけないんです。
ただこれが多すぎてしまうと、
血管にこびりついて動脈硬化の元になるというわけですね。
逆に全身から余分なコレステロールを回収し
肝臓に運んでくれるものをHDL、善玉コレステロールと呼びます。
HDLが運んできたコレステロールは
肝臓で分解されます。
このように、肝臓はいろいろな仕事をしていますので
アルコール処理だけで疲れ果てさせては
体調がいいはずはないんです。

肝臓と門脈、胆管

肝臓にはいろいろな管がつながっていますけど
大きく分ければ血管と胆管ということになります。
血管の中でも、
肝臓を通る血液の8割を運んでくるのが門脈です。
これは腸で吸収された栄養素を
肝臓に運んでくる血管です。
つまり腸で吸収されたものは、
肝臓でいろいろな形に加工されるということですね。
素材になったりエネルギー源になったり、
また、有害な物質は分解されたりということです。
肝臓が体の「化学工場」と呼ばれる所以ですね。
肝臓をとおる血液の8割を門脈が運んでくるということですが
残りの2割は普通に動脈からもたらされます。
こちらからは、肝臓が働くために必要な
酸素が送られてきます。
ちなみに肝臓から血液がでていくための血管は肝静脈です。
次に胆管ですが、これは肝臓で作られた胆汁の通り道で
途中、胆のうにつながってそこに胆汁を蓄え、濃縮します。
さらに伸びていって出口は十二指腸にあります。
精密検査の時にはこの出口から造影剤を注入して
X線撮影するということもありますね。
体内のコレステロールが多すぎますと、
胆汁内でコレステロールが「石」となって出てきます。
これが胆管結石で非常に痛い思いをすることになります。

肝臓の場所、部位

そもそも肝臓ってどのへんにあるの?
ということですね。
これは自分から見てお腹の右側といえばいいでしょうか。
体の前面には、肋骨があるのがわかると思います。
触ってみてもわかりますよね。
その、右側の肋骨の、いちばん下の一本、
そのすぐした辺りが肝臓と考えれば良さそうです。
ただこの辺りが痛いからといって、
肝臓の病気とは限りません。
なぜなら肝臓は「沈黙の臓器」、
異常があっても何も感じないことが多いんです。
この辺りが痛いというのは、
実は肝臓が悪いのではなくて、
近くの胃とか腸が痛んでいることのほうが
多いようですね。
肝臓関係で痛みが大きいというと
胆管結石がありますけど、
この痛みの場合は激烈で、
右肩の方まで痛むと言いますので
違いは明らかだと思います。

肝臓は糖代謝もしている

肝臓が悪いと疲れやすい

糖というのはブドウ糖ということになりますけど、
私たちの体にとっては最もエネルギーとして
使いやすいものです。
肝臓はその糖についても、作り出したり
取り込んだり、放出したりということをしています。
ですので肝臓の調子が悪くなると、
エネルギー源たる糖の調整がうまく行かず、
疲れやすくなる
、ということも起こるわけです。

肝臓の糖代謝

肝臓では、まず血液中に糖が多すぎる場合は
これを取り込んでグリコーゲンに変え、
蓄える働きをします。
そして糖が足りなくなったらグリコーゲンを分解して
血液中に放出します。

肝臓の魔法

さらに足りなくなった場合は「糖新生」も行います。
糖新生というのは、アミノ酸や脂肪など、
糖以外の物質から糖を作り出す作用です。
まったく別のものに作り変えるわけですので
まさに「化学工場」の名にふさわしいですね。
このように、肝臓は単にアルコールなどの
有害な物質を分解するわけではありません。
私たちの体に必須のエネルギー源をも
扱っているんですね。
本当に働き者の臓器です。

沈黙の臓器と呼ばれる理由

我慢強い臓器

肝臓は別名、沈黙の臓器とも呼ばれます。
なぜなら肝臓は非常に我慢強い臓器だからです。
生体肝移植を見るとわかる通り、
少しくらい損傷しても再生してしまうのですね。
だから負担をかけすぎて肝細胞が死んだとしても、
ある程度までなら自己修復してしまうわけです。
そうして毎日毎日500以上もの種類の仕事を
こなしてくれている健気な臓器です。

しかし、限界を超えると大変

だから「自分は大丈夫」とばかりに
お酒を飲み過ぎたり・・・そういうことはしないであげてください。
もし限界を超えて、肝臓が「沈黙」を破る時が来たら
それは非常に深刻な状態と言えます。
そうなる前に、血液検査で発見した時点で、
なにか手を打っていくべきなんですね。

沈黙の臓器が悲鳴をあげる時

我慢強い臓器ですし、痛みを感じる神経もありません。
そんな肝臓ですので、少しの異常では
自覚症状がないことが多いです。
ただ、自覚症状がない段階でも、
相当病状が進んでしまっている場合も多いんです。
だからこそ日頃から気遣ってやる必要があります。
肝臓が悲鳴をあげる時は、
その肝臓の持ち主は悲鳴では済まないかもしれません。

肝臓の働きは化学工場を凌駕する

肝臓は化学工場だとよく言われます。
お酒が好きな人にとっては、アルコールを分解してくれる
くらいのイメージしかないかもしれませんけど、
肝臓の働きはそれだけじゃないんです。
それだけじゃないどころか・・・肝臓の働きは、
現在わかっているだけでも500以上あると言われます!
500もの働きがある化学工場って・・・ないですよね。
肝臓ってすごい臓器なんです。

人工肝臓は作れない

それで、人工心臓は既に作られていますけど、
人工肝臓は現在ののところ不可能です。
だって、500以上の機能を持つ臓器なんて、
どうやって作ればいいんでしょう・・・・

肝臓は再生力が優れているがゆえに

ただ、肝臓の特徴として、再生力が大きいということが挙げられます。
少しくらい壊れても、再生してしまうというわけです。
だから、ちょっとくらい大丈夫だろうということで
お酒を飲み過ぎて肝臓を傷めつけてしまう人がいるわけ・・・。
でも限界を超えてしまうと、500以上の機能が
失われてしまう
ことになります。
そうなるともう人は生きていけません。
それにしても、こういう人体の働きを見ると、
私たちの存在というのは奇跡的であるということがわかりますね。

肝臓が解毒をしてくれなくなったら…

肝臓の大事な仕事~解毒

肝臓は化学工場だとよく言われますけど、
それはその働きの一つに「解毒」があるからです。
例えば皆さんが好きなアルコール、
これにしたって多すぎれば人体にとって毒なんですね。
それを分解してくれるところが肝臓です。

肝臓で働く酵素が血液中に流れだすと…

そのために肝臓にはいろんな酵素が働いています。
で、解毒のために負担がかかりすぎると
肝臓の細胞が壊れて、その酵素が血液中に流れ出します。
だから肝臓に異常があると血液検査の数値が高くなるんです。

肝細胞が死滅すると…

その肝臓がだんだん機能しなくなっていったら・・・
たとえば肝硬変などは肝臓の細胞の多くが死んでしまった
状態ですが、そうなると肝臓はまともに機能しません。
そうすると体内に入ってきた「毒」は分解されないので
どんどん濃度が上がっていくことになります。
その行き着く先は・・・わかりますよね。
そいうことで肝臓はいたわっていかなければなりません。
もしアルコールが分解されなければ、
お酒を飲めば飲むほど血液中のアルコール濃度が高くなっていきます。
となると、肝臓が働いてくれなければ
お酒を飲むだけで人間は死んでしまうということになります。

いかに大切な臓器かわかりますね。

肝臓系の数値が異常値だということは

肝臓以外が病気のことも

肝臓の状態を推測させるような血液検査の数値はいろいろあります。
AST(GOT)、ALT(GPT)、ガンマGTPなどが代表的なものです。
それで、そういう数値が異常値だった場合、
肝臓の異常が疑われることはもちろんですけど、
肝臓ではなく、胆道が詰まっていることもあります。
結石やがんなどでです。

肝臓以外では胆道系が多い

肝臓から十二指腸に伸びていて、胆汁が流れていくのが
胆道ですけど、その途中に胆のうもありますね。
ここが異常な場合も血液検査の数値に表れます。
胆のうというと結石が多いですね。
ということですので、肝臓系の数値が異常だといっても、
肝臓自体が病気とは限らないということです。

他の臓器が異常のことも

血液検査の数値で、肝臓に関係が深い
といわれているものが異常を示していても、
他の臓器が病気であることもあります。
多いのは膵臓ですが、心臓が悪いこともありますし、
骨髄が病気ということもあります。
筋肉が異常ということもありますし、
単なる栄養不良ということもあります。
ですので、血液検査で異常値が出たとしても
それで何かが決定的にわかるというわけではないのです。
その後の精密検査ではっきりさせていくしかありません。
できるだけ早く、精密検査を受けるべきなんです。