肝臓とアルコール

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大酒家突然死症候群とは

久里浜医療センターというところがありますけど、
ここはアルコール依存症の治療も行っています。
さてこの病院が、
退院した人に対して追跡調査を行いました。
退院して5年後、その人がどうなっているかを調べたんです。
約500名を調べた結果ですが、
結局お酒をやめられなかった人のうち、
2割の人は死亡していたそうです。
死んだ人のうち更に2割くらいは死因が肝硬変だったのですが
4割くらいは原因不明の突然死だったそうです。
調べてみても脂肪肝くらいしか見つからず、
それが突然死の原因になるとは考えられません。
そういう人に共通するのは、
特に食事もせずに毎日大量のお酒を飲む
という点だったそうですね。
ただ、なくなった人をよく調べてみると、
ろくに食事もせずにお酒を飲み続けたことで
栄養が非常に不足していたようです。
ただでさえ食事をとっていないところに、
アルコールの分解のために多量のビタミン類を
必要としてしまうわけです。
また、血糖値も異常に低くなっていました。
普通なら「これはおかしい」と気づくような
異常な低血糖でも、酔っているせいで
気づけないんですね。
また、アルコールによって
体内の水分が排出され、
脱水症状も起きていました。
これも普通なら気づいて
自分で水分をとるところです。
以上のように、特に肝臓が悪くなくても
突然死をすることがあるということで、
これを大酒家突然死症候群と呼んでいます。

禁酒のメリットと肝臓の回復

お酒の場合はタバコと違って、
少しの量であれば健康にとってプラスに働くということもあります。
ただ飲み過ぎてしまうとどうしてもマイナスになってしまうので
やはり禁酒のメリットは大きいといえます。
完全禁酒ではなく、身体に良い量まで減らすことができれば
それが最も理想的ですね、
さて、禁酒のメリットですがまずは肝臓の回復に役立つことです。
お酒を飲むとアルコールが体内に入るだけでなく
有害なアセトアルデヒドが発生しますが
この2つの物質を分解するのは肝臓の仕事だからです。
お酒を飲まない人の肝臓は、この有害物質の分解という
重労働を全くしなくて良いというわけですね。
また、アルコールを分解する過程で、
脂肪生成を促進するような物質も生まれます。
ですのでお酒は脂肪肝につながるわけですが、
禁酒するとそれを防ぐことができます。
もちろんアルコールやアセトアルデヒドは、
肝臓だけでなく全身の細胞にダメージを与えますので、
(だからこそ肝臓で分解する必要があるわけで)
禁酒すれば全身の細胞を守ることにもなります。
そして、お酒を飲んでいるということは、
その代わりになにか有用な栄養素を摂取する機会を
失っているということでもありますよね。
お酒でおなかがいっぱいになって
食べるべきものを食べられなくなってしまっていたり
ということです。
ですのでお酒をやめることで
より栄養バランスが取りやすくなるともいえます。
もちろん、体に悪いものにお金を使ってしまうという
金銭的な無駄もなくすことができますね。

アルコール性肝線維症の症状と治療

アルコール性肝線維症と呼ばれる状態がありますが
これは、肝臓の細胞が死んでしまって、
そこがコラーゲン線維に取って代わられている
状態のことです。
脂肪肝や肝炎でも、一部は線維化していますし、
この線維化が不可逆的に進めば肝硬変ということになります。
ですのでアルコール性肝線維症という
一つの病気があるわけではないということもできます。
自覚症状としては、まったくないこともありますし、
肝硬変のような症状が出ることもあります。
クモ状血管腫、手掌紅斑、腹水、女性化乳房、
静脈瘤の破裂などさまざまです。
血液検査でも肝硬変の数値に近づいていくことになります。
治療としてはお酒をやめることはもちろんですが、
肝細胞の再生に役立つ栄養をバランスよく取っていくことも必要です。
さらに、線維化を勧める細胞の働きを抑えたり、
線維を分解したりするための薬物を用いることも多いです。
とにかくここで踏みとどまって引き返さなければ
肝硬変、それから肝臓がんという最悪のシナリオが待っています。

急性アルコール性肝炎の症状と治療

アルコール性脂肪肝を放っておきますと
アルコール性肝炎に進行してしまうことがあります。
それでも自覚症状が出ないことが多いですが、
症状が出る場合は風邪に似たものが多いです。
例えば体がだるいとか、熱が出るといったことですね。
あとは肝臓の病気に特徴的なこととして
黄疸が出たりすることもあります。
肝炎ともなりますと、もうかなり肝細胞も
破壊されていますので、油断は禁物です。
肝細胞の破壊がAST、ALT、ガンマGTPなどの
検査値の異常となって現れることでしょう。
そして時には命の危険にさらされることもあります。
さらに、ここから放置して肝硬変ともなってしまえば
もう取り返しがつかないと言ってもいいですので
なんとしてもここで引き返す必要があります。
治療法としてはまずお酒はやめなければなりません。
お酒をやめるのはつらい、なんて言っている
段階ではありません。
もちろん栄養も適切に取っていく必要がありますね。
肝細胞の破壊が進んでいるのですから
その修復のために必要なアミノ酸やビタミン類は
意識してバランスよく取るようにしなければなりません。
また、血液検査の数値があまりにもひどい場合は、
運動も控える必要が出てきます。

アルコール性脂肪肝の症状と治療

アルコール性肝障害のうちでも
初期のものはアルコール性脂肪肝と呼ばれます。
この段階であれば治療も簡単ですので
早めに気づいて改善するべきですね。
さて、自覚症状ですが、「ない」ことがほとんどです。
でもお酒が好きで、しかも肥満気味であれば
アルコール性脂肪肝になっている可能性は高いです。
ですのでそういう人は、健康診断での
血液検査の数値に目を光らせておく必要があります。
検査値としては、AST、ALT、ガンマGTP、
そしてコリンエステラーゼなどが高めになってしまいます。
治療としては、お酒をやめるというのが最も効果的です。
ただ、やめるのはつらいでしょうからお酒の量を減らし、
そして食生活も見なおしてカロリー摂取を適切に
コントロールしていきます。
カロリーを減らすとはいえ、肝細胞の再生には
アミノ酸やビタミンは必須ですので
そういうものはバランスよく取るようにします。
また薬物療法として、肝臓を保護するための薬を
使っていくこともあります。
サプリメントもうまく利用していきたいところです。
この段階で引き返せば
それほどつらい思いをしなくてすみますので
ぜひ徹底して生活を改善していきたいところですね。

アルコール性肝障害の数値

アルコール性肝障害といっても段階があって、
その段階によって検査数値も変わってきます。
大きく分けるとアルコール性脂肪肝から
肝炎や肝線維症に進展し、そして肝硬変に至る、ということになります。
肝硬変に至る前であれば、肝臓の数値としては
ASTやALTが100以上となったり、
また、アルコール性肝障害では特に上がりやすい
ガンマGTPが100以上になったりします。
しかしこれがアルコール性肝硬変にまで進行すると、
逆に数値が下がってきてしまいます。
なぜならこれらの数値は、肝細胞で働いている
酵素が、どれくらい血液中に流れ出しているかを
表すものだからです。
肝硬変ともなると、肝細胞自体が相当数死滅しているので
流れだす酵素自体減ってしまっているということです。
ですのでその場合は、血清蛋白であるアルブミンの低下や
ビリルビン値の上昇、プロトロンビン時間の延長などを
合わせてみていくことになります。
また最近は血小板数の減少も
検査数値としてよく見られるポイントです。

アルコール性肝障害の診断基準

お酒が肝臓に悪いことはよく知られていますが、
度が過ぎるとアルコール性肝障害という病気になります。
その診断基準ですが、
まずは過剰な飲酒を続けていることが前提です。
1日のアルコール摂取量の平均が60グラムを超えている場合、
それは過剰な摂取と考えられます。
女性の場合はもっと基準が厳しくて40グラム以上
ということになります。
いつも飲んでいるお酒の量に、度数をかければ
純アルコール何グラムを飲んでいるかわかりますよね。
次の基準として、禁酒をすれば
ガンマーGTPやAST、ALTが改善するような場合です。
これは明らかにお酒が原因となっていることを示します。
最後に、肝炎ウイルスマーカー、抗ミトコンドリア抗体、
抗核抗体がすべて陰性であることです。
これらが陽性であれば別の病気が疑われます。
肝炎ウイルスマーカーの場合は、
これはウイルス性の肝炎ということで
アルコール性ではないということになります。
抗ミトコンドリア抗体の場合は、
原発性胆汁性肝硬変という病気の可能性があります。
抗核抗体の場合は膠原病など自己免疫疾患の可能性があります。

休肝日は必要か?その取り方は?

肝臓の元気をとりもどすためには
休肝日は必要と言われますけど、
つまるところ摂取アルコールの総量が問題なのだという
考え方からすれば、休肝日は特に必要ないという
結論が出てきてもおかしくありません。
にも関わらず休肝日は必要だという意見が強いのはなぜでしょう?
一つの考えとしては、1日に飲むお酒の量が
把握しにくいから、ということが挙げられます。
自分では量を控えているつもりでも
実は思ったより飲んでいることが多いというわけです。
酔ってくればなおさらそういうことが起こりやすいです。
それに対して休肝日を設ければ、
その日はアルコールを一滴も飲まないわけですから、
1週間あたりの摂取量が減ることにつながりやすいです。
もちろん、休肝日に飲まなかったぶんを
とりもどす勢いで暴飲していては意味がありませんが。
また、2日連続で休肝日を設ける場合、
これがアルコール依存症かどうかの判断材料になるようです。
依存症の場合、2日連続で飲まないと
禁断症状が出てつらい思いをするといいます。
2日間をまずまず楽に乗りきれるなら
依存症の心配はないということです。
ということで最低でも週に2日の休肝日は取りたいところですね。
できれば1日飲んで2日休む、というサイクルにしたいですけど。

ちゃんぽんすると二日酔いになりやすい?

二日酔いになるというのは、
肝臓の処理が間に合わず、アセトアルデヒドが
翌日にも残ってしまっているということなんですが
これはちゃんぽんと何か関係があるのでしょうか?
ちゃんぽんというのは、ここではあの麺類のことではなく
いろいろな種類のお酒を飲んでしまうということです。
いろいろな種類のお酒を飲むことで、
何か良からぬ反応を起こして、肝臓に余計な負担を
かけてしまうのでしょうか?
ところがこれは、別に何か反応を起こすわけではないようです。
アルコールはアルコールで、どのお酒も同じです。
ではなぜちゃんぽんすると二日酔いになりやすいのかというと
それはどれだけ飲んだかわからなくなることが多いからです。
ビールだけ飲んでいれば「中ビン一本飲んだのか」なんて
カウントもできますけど、次に日本酒を飲んでしまうと、
また新鮮な気持ちで(!)一杯目から飲み始めてしまいます。
さらにワインを飲んだりウイスキーを飲んだりということをすると
もうどれだけ大量にアルコールを飲んでいるのか
自分で意識できなくなってしまいます。
そのせいでついつい飲み過ぎてしまって
二日酔いになりやすいというわけです。
その結果、肝臓にも大きな負担をかけてしまうということです。

禁酒して肝臓を回復させる

アルコールは肝臓の負担を増やして、
肝細胞の破壊を進めてしまいますので、
禁酒することで肝臓を回復させることはできます。
ただ、ここで気をつけなければならないことがあります。
禁酒をすると、けっこう血液検査の結果はすぐ変わるんです。
でも、それで安心?したのか、すぐまた大量の
お酒を飲んでしまう人がいます。
そして健康診断の前になるとまた禁酒して、
検査数値が悪くなかったと喜び・・・また飲むわけです。
そうすると、検査では引っかかりませんが
確実に肝臓への負担は蓄積していきます。
具体的には、肝細胞が減っていって
そのかわりコラーゲン繊維が増えていきます。
そしてそれが増え過ぎますと、
不可逆的な肝硬変が待っています。
ですので、そういう数値を操作するためだけの禁酒は
意味が無いどころか危険が大きいということです。
たまに禁酒して、というのではなく、
長期間続けられるように、お酒の量を
コントロールしていくべきです。
もちろん休肝日は設けるべきですけどね。

お酒は血糖値を上げる?下げる?

お酒をたくさん飲むと脂肪肝になるくらいだから
血糖値も上げるだろうと考えるのが普通ですよね。
でもお酒で血糖値が下がることも多いようです。
それは肝臓がアルコールを分解するときに糖を使い、
また、アルコール分解に忙しくて糖を「作る」余裕が
なくなってしまうからと言われています。
ただそれには糖質を含んでいない蒸留酒が良いようです。
ウィスキーや焼酎ですね。
日本酒やワインやビールなどは糖質も含みますので、
人によっては逆に血糖値を上げてしまうようです。
ビールの場合は「糖質ゼロ」というのもありますね。
低血糖の悩みを抱えている場合は
お酒の飲み方は気をつけなければならない
ということになります。
まあ、気をつけなければならないのは誰だって同じか・・・

アルコールの分解時間を計算しよう

不思議な話ですけど、
体重が多いほどアルコールの分解時間は早いんです。
肝臓の大きさは体重にあるていど比例するそうですが
それほど大きな差はないでしょうし・・・
ともあれ、計算方法は簡単です。
体重1キロにつき、0.1グラムのアルコールを
1時間で分解すると言われています。
それでは体重70キロの人が20度の日本酒を1合飲んだとしましょう。
体重70キロですので1時間あたり0.1×70=7グラムの
アルコールを分解できます。
一方日本酒1合に含まれるアルコールの量は
180ml×0.2=36ml
ですが、単位はグラムなので、
エタノールの比重はだいたい0.8ですから、
36×0.8=28.8グラム
となりました。1時間あたり7グラム分解できるのだから
28.8÷7=4.11…
ということで、約4時間7分で
アルコールをすべて分解できることになります。

お酒の適量=1単位

お酒の1日の適量のことを1単位と呼ぶことがあります。
そして1単位とはアルコールの重さにして20グラムです。
アルコールの比重は0.8くらいですので
体積にすると25ミリリットルということになります。
純粋なアルコール25ミリリットルが適量となります。
もちろんこれは体重によって微妙に増減しますけどね。
それでは日本酒1合というのは適量なのでしょうか?
日本酒の場合、アルコール濃度のばらつきが大きいですが
仮に20度=20%の日本酒としてみましょう。
そうするとアルコール量は1合=180ミリリットルの20%ですので
36ミリリットルということになります!
これは少し・・・多いですね。
まあ2単位までは大丈夫という話もありますが、
やはり慎重に行くべきでしょう。
どうしても1日1合飲みたい場合は、14度くらいにしてみましょう。
これだと180×0.14=25.2となります。
ちなみにビールですと中瓶がだいたい1単位となります。

常習飲酒家と大酒家の基準

常習飲酒家はいつもお酒を飲んでいる人のことで
大酒家は大酒飲みのことだろう・・・と思うのですけど
医学的には基準があるようです。
日本酒で計算した場合のお酒の量ですけど、
3合以上を5年以上飲み続けている人は常習飲酒家と言います。
5合以上を10年以上続けている人は大酒家と呼ばれます。
大酒家ですと、非常に病気の可能性が高くなります。
たとえば大酒家でなくとも、
常習飲酒家のレベルで既にアルコール性脂肪肝であることは
確実と言われます。
また、常習を10年以上続けると肝硬変になる確率が大幅に上がります。
大酒家の5人に1人前後は肝硬変になると言われています。
また大酒家突然死症候群というのもあり、
急死した中年男性の3人に1人は大酒家だというデータもあります。
お酒の適量を守ることがいかに大切かがわかります。
最も望ましいのは飲まないことですけどね。

アルコールは何重にも肝臓に負担をかける

お酒は肝臓に負担をかけるということですが、
一回飲むだけで何度も負担をかけてしまうんですよね。
まずお酒を飲むとアルコールが吸収されますが
アルコールは有害ですので肝臓が分解してくれます。
ここでまず1回目の負担。
でも分解した結果アセトアルデヒドができます。
二日酔いのもとになる物質ですね。これも有害。
だからこれも肝臓が分解します。2回目の負担。
さて、アルコールを分解する過程で
脂肪のもとになる物質ができてしまいます。
そのせいで肝臓に脂肪がついてしまいます、
その脂肪がまた肝臓への負担となります。
3回目の負担ですね。
お酒を飲んだだけで肝臓は3連打をあびるというわけです。
ですのでアルコールの量には気をつけなければなりません。

牛乳でアルコールの吸収を穏やかにできる?

ないよりはマシ?な程度

お酒を飲む前に牛乳を飲めば、
牛乳外の内側に膜を作ってくれて
アルコールの吸収が穏やかになる・・・
という話もありますね。
ただ、それほど頼りにもできないようです。

アルコールは小腸での吸収が多い

なぜなら、アルコールが吸収される割合は
胃が2割、小腸が8割と言われているからです。
その上、牛乳はすぐに胃を通過してしまいます。
もちろん空腹に比べればマシですけど、
これで万全、というものではありません。

食事しながらゆっくり飲むのがいい

他の食べ物を楽しみながら、
お酒をゆっくり飲む、というのが
アルコール吸収を遅らせるにはよいようです。
※メモ
やはり昔からよく言われていることですが
空きっ腹にお酒というのがいちばん酔いやすいということです。
まあ、当たり前のことなんですけどね。
少しでも肝臓への負担を減らそうと思ったら、
やはり何か食べながら飲む、というのが大事です。
そうすればレ自然にお酒の量自体も減りますからね。

お酒に強い地方と弱い地方があった

日本人はお酒に弱いけど

アセトアルデヒドを分解する酵素を作る遺伝子を調べると
お酒に強いか弱いかがわかるということでしたね。
それで日本人は世界的にも
弱い民族だということがわかりました。
では日本国内ではどこが強いんだろうと思いますよね。

お酒は文化?

それで・・・文化は都を中心に
波紋のように広がっていったという説がありますが、
お酒の強さも似たような事態となっています。
遺伝子ですので・・・文化とは関係ないとは
思うのですが・・・

お酒に最も弱い地方は?

遺伝子を調べた結果、近畿を中心とする地方が弱く、
そこから離れるほど強いというのがわかったんです。
強い地方というのは北海道・東北と、
南九州・沖縄です。
なぜそうなったのかはわかりませんけど
面白いですね・・・。
※メモ
これが、北の地方ほど強いというのであれば、
ああ、寒さに耐えるためによく飲んだのかな、なんて
納得もしやすいのですけど、近畿から離れるほど
強くなるというのが面白いですね。
やはりお酒を飲む習慣というのも
都を中心に、波紋のように広がっていったということなんでしょうかね。
それで遺伝子が左右されたとすると、
そのお酒を飲む習慣に耐えられなかった人が早死にして
子孫を残せなかったということになりそうですが・・・
だとするとちょっと怖い話です。

血中アルコール濃度の計算式

暗算は無理!

血中アルコール濃度の計算式自体は簡単です。
式は簡単ですが計算は・・・電卓がないと面倒です。
では以下に血中アルコール濃度の計算式を紹介します。
{お酒の量(ml)×アルコール濃度(%)}÷{833×体重(kg)}
これで計算できます。
アルコール濃度というのは度数ですね。1度=1%です。

試しに計算してみよう

では仮に、体重70キロの人が度数10度の日本酒を1合飲んだとします。
まず、1合は180mlですので、180×10=1800
それから833×70=58310
最後に1800÷58310=0.0308…
ということで血中アルコール濃度0.03%となりました。
これなら適量といっていいでしょう。
「ほろ酔い」にもならないレベルです。
血中アルコール濃度と酩酊度
体重がこの3倍のお相撲さんだと、
3合飲んでもほろ酔いにすらならないということですね。
ただ、日本酒の場合、ものによって度数が大きく変わりますので
計算する場合は度数表示をしっかり確かめてください。

血中アルコール濃度と酩酊度

血液に溶けこむアルコール

二日酔いではなく飲んだ直後の酔いの状態は、
血中アルコール濃度に左右されます。
ということで血中アルコール濃度と酔いの程度の関係を
見ていくことにしましょう。

血中アルコール濃度と酔い加減

0.02~0.04%
ビール中瓶1本以下、日本酒180ml以下、ウイスキーシングル2杯以下
顔が赤くなる、陽気になる
0.05~0.1%
ビール1~2本、日本酒1~2合、ウイスキーシングル3杯
ほろ酔い、体温上昇、脈拍上昇
0.11~0.15%
ビール3本、日本酒3合、ウイスキーダブル3杯
酩酊初期、ふらふらする、大声でしゃべる、怒りっぽくなる
0.16~0.3%
ビール4~6本、日本酒4~6合、ウイスキーダブル5杯
酩酊期、まともに歩けない、同じ話を繰り返す、吐く
0.31~0.4%
ビール7~10本、日本酒1升未満
泥酔期、立てない、朦朧としている、まともに喋れない
0.41~0.5%
ビール10本以上、日本酒1升以上
昏睡期、意識がない

昏睡期以上に進むと命の危険が

以上のようになりますが、ビール○○本というのは
あくまで目安で、これは体重によって変わってきます。
上記のうちでも泥酔期以降は急性アルコール中毒の危険があります。
昏睡期からは命の危険もあります。
※メモ
つまり、血液1000ミリリットルに対して、
5ミリリットルのアルコールが混じれば、
急性アルコール中毒で死んでしまうかもしれないということです。

お酒に強い遺伝子でも急性アルコール中毒にはなる

すぐに分解できるわけじゃない

お酒に強いか弱いかは遺伝子である程度決まるということですが、
でもそれは、アルコールの次の段階のアセトアルデヒドの
分解に関わる遺伝子のことです。
アルコールの分解ではないので、たとえお酒に強い遺伝子を
持っていても、短時間に大量にお酒を飲めば
急性アルコール中毒になってしまいます。

酔いやすいかどうかは体重で決まる

でも、同じ量を飲んでも酔いにくい人っていますよね。
これは多くは体重で左右されるようです。
急性アルコール中毒になるかどうかは、
アルコールの血中濃度にかかっています。
そして、体重が多いということは血液の量も多いということです。
なので同じ量のアルコールを摂取しても、
血中濃度は低いということになります。
お相撲さんがお酒に強いというイメージがあるのはそのためです。
※メモ
何かの検査で、自分は遺伝子的に
お酒には強いんだということがわかっても、
だからたくさん飲んでいいということにはなりません。
一度に大量のアルコールを摂取すれば
急性アルコール中毒が待っています。
じゃあ太ればいいの?と考える人もいるかもしれませんが、
太れば肝臓につく脂肪が増えてしまいます。
そしてその脂肪は、肝臓に負担をかけ続けることになります。
その上でお酒を大量に飲めば、肝臓にとっては
脂肪とアルコールの二重苦ということになります。

遺伝子でお酒に強い、弱いは決まる?

アセトアルデヒドを分解する力

お酒に強いか弱いかは遺伝子に大きく左右されてしまいます。
ではどういう遺伝子が関係しているのか・・・
お酒だからアルコールを分解する酵素を作るための遺伝子
かと思ったらそうじゃないんですね。
アルコールの次の段階のアセトアルデヒドを分解する
酵素を作るための遺伝子で、お酒に強いかどうかは
左右されるんです。

日本人はお酒に弱い民族

それで、お酒に強い遺伝子はN型と呼ばれ、
弱い遺伝子はD型と呼ばれます。
遺伝子は2つ1組になっていますので、
最も強い組み合わせはNN、あとなND、DDですね。
それで日本人の場合はNNは半分くらいだそうです。
残りの半分はお酒には弱いか、
またはまったく飲めないということです。
ちなみに>最も弱いDDは1割くらい

アルコールもアセトアルデヒドも有害

お酒は百薬の長?

アルコールは一定量なら体の役に立つ面もありますが、
それでも肝臓が必死に分解しているところを見ると
やはり体にとって有害なものと言えそうです。

アセトアルデヒドが二日酔いの原因物質

さて、アルコールは分解されるとアセトアルデヒド
という物質になります。
そしてこの物質も体にとっては良くないものです。
ほかならぬこの物質こそ二日酔いの原因なんですよね。
アセトアルデヒドが血液中にたくさん残っているほど
頭痛や吐き気が酷いものになります。
ですので肝臓はアセトアルデヒドも一生懸命分解してくれます。

肝臓の二重苦

結局のところ、お酒を飲んだだけで、
アルコールの分解と、アセトアルデヒドの分解と
二重に肝臓に負担をかけてしまうことになります。
だからこそお酒は適量を守ることが大事なんです。
ちなみにアセトアルデヒドは分解されると酢酸になります。
お酢ですね。これでやっと二日酔いが消えることになります。
酢酸はさらに分解されて最終的には水と二酸化炭素になります。
※メモ
お酒が百薬の長になりうるのは、
一日の飲酒量が少量の場合に限られます。
飲み過ぎるとやはり、肝臓だけでなく
体のいろいろな部分にダメージを与えてしまいます。
酔って記憶が飛ぶこともあるわけですから
脳にも悪影響があることは確実です。

アルコールの吸収はダイレクト

なぜ酔うのか?

普通の食べ物は、
食べたからといって酔っ払うことはありません。
そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、
普通の食べ物というのはちゃんと分解されてから
吸収されますよね。消化という過程です。

アルコールは有害なまま吸収される

ところがアルコールの場合は順番が逆なんです!
吸収されてから分解される・・・
アルコールさんが順番を守らないせいで
肝臓に余計な負担をかけてしまうわけですが、
でもだからこそ酒好きの人もいるわけですね。
分解されずに吸収されるからこそ酔っぱらえるわけです・・・

酔う=脳が影響を受けている

でも酔ってしまうということは、
少なくとも脳には変な影響を与えているわけで
それが良いものであるとは考えられません。
そこで肝臓はこれを一生懸命分解してくれます。
アルコールという有害な物質を、
全部受け止めて必死で分解してくれます。
ですのであまり負担をかけ過ぎると、
肝臓も壊れてしまうんです・・・。
※メモ
アルコールはそのまま吸収されてしまうということで
そういう物質って珍しいですよね。
普通は分解されてから吸収されるものでしょう。
ただアルコールがそういう仕組で吸収されるとしたら
お酒を飲む人はいなくなるのかもしれませんけど。
となると、悪影響があるからこそ飲んでしまうという、
不思議な人間の性、ということになりそうです。