まずAST、ALTを見るべし!
ガンマーGTPだけ高い。これは珍しくない現象のようです。
肝臓が悪いかどうかを見るときに、血液検査でまず見られるのはAST(GOT)とALT(GPT)なんです。
この2つも肝臓ではたらく酵素なのですが、肝臓の細胞が壊れていると血液中に流れ出します。
単なる体質ということも…
だからASTとALTが正常値でガンマGTPだけ高いというのは原因がわからないことが多いようです。
単なる体質で片付けられることもあります。
膵臓の病気ということも
ガンマGTPは酵素なのですが、肝臓以外ではすい臓や腎臓でも働いています。
ただし、腎臓が悪くてもγ-GTPの数値は上昇しません。
ということは残るはすい臓が悪いのではないか?ということも考えられますね。
アルコールや薬物への反応
またはアルコールに過剰に反応しているだけかもしれません。
一部の薬でも上がってしまうことがありますので使用中の薬があれば、それを医師に伝えるべきです。
はっきりさせよう!
ガンマGTPだけが高値だとしても、「体質だろう」と勝手に判断するのではなくやはり医師の診断を仰ぐことをおすすめします。
その結果、単なる体質ならそれでよかったということになりますから。
ガンマGTPと肝臓の病気
肝細胞が破壊された結果
ガンマGTPの数値が高くなるということは肝細胞が過剰に壊れているということでしたね。
100以上は危険値ということでしたが、その場合、どんな病気が考えられるのでしょうか?
軽いものから深刻なものまで
肝臓だけでなく、肝臓とつながっている胆道の病気も考えられます。
γ-GTPが100以上の場合、もちろん病気に至っていないことも多いのですけど、可能性としては、アルコール性肝炎が多いようです。
それが進行して慢性肝炎ということもありえます。さらに進行すると肝硬変や肝臓がんもありえます。
また、アルコールと脂肪摂取のダブルパンチで脂肪肝ということもありえますね。
高すぎる!場合
ただ、高値といっても200を超えてくると、肝臓よりも胆道の異常が多いと言われています。胆汁うっ滞などがありますね。
肝臓の場合、γGTPなどに危険値が出ても自覚症状がないことが多いですので、注意が必要です。
勝手に大丈夫と決めつけず、精密検査を受けましょう。
※メモ
まず血液検査の数値で表れます。自覚症状が出てきた時には、病状は深刻な場合が多いです。なので早め早めに手を打っていきましょう!
ガンマGTPの高値
黄色信号のうちに方向転換すべし!
γ-GTPの場合、低すぎる方は問題ないんです。
それで、高いほうが問題なのですが、ではどれくらい高ければ危険といえるのか・・・
まず、黄色信号から。
例によって単位はIU/lです。
男性は66~99、女性は28~39です。
これくらいですと、生活習慣の改善でもとに戻すことも難しくないでしょう。
すぐに病院に行くべきレベル
次に「赤信号」ですが・・・・
上記の数字を超えると危険、ということになります。
男性は100以上、女性は40以上ですね。
女性のほうがはるかに数値が厳しいのは別に男女差別というわけでなく女性ホルモンの影響でガンマGTPの数値が低く出てしまうからです。
健康診断の血液検査で赤信号の数値が出た場合、すぐに病院に行って精密検査を受けるべきです、それで何もなかったらめでたしなわけですから。
※メモ
大騒ぎして病院に行って、何もなかったら恥ずかしい・・・なんて言う人がいますが、命に関わる問題ですので恥ずかしがっている場合ではありません。
ガンマGTPの数値が高い間は、まだ元に戻すことは可能な場合がほとんどです。
ですのでできるだけ早く病院に行きましょう。
肝細胞の破壊が進み過ぎると、逆にガンマGTPの数値が下がってきます。γGTPは肝細胞に存在するのですが、その細胞自体が減りすぎてしまっては、「居場所」がなくなるからです。
ガンマGTPの正常値
男女で違う!
ガンマGTPが高い!といわれることがありますが、じゃあいったいどれくらいが高い!といえるのか・・・
この数値って、男女で大きく違うんです。
なぜなら、女性ホルモンによって、ガンマGTPの数値は抑えられてしまうから。
これは、女性のほうが肝臓が強いという意味ではなく、男性より低い数値でも危険という意味です。
正常値はかなり低い
ではまず正常値ですが・・・
単位はIU/lです。
男性は12~65、女性は9~27です。
低い方は問題ありません。
お酒を全く飲まない人はこれより低いこともあります。
高いほうが危険なのですが、それじゃあどれくらい高いと危険なのか?
※メモ
理由はわかりませんが、女性のほうがアルコールに弱いようです。
すぐに酔うという意味ではなく、アルコール摂取量が男性の3分の2でも肝臓は男性と同じダメージを受けてしまいます。お酒は男女差別をするというわけですね。
※メモ2
女性ホルモンの話が出ましたが、男性が薄毛防止のために女性ホルモン剤を服用することがありますがそれで肝臓に負担がかかってしまうこともあるんです。
女性ホルモンって、肝臓が分解しようとしますからね。
だから、肝硬変などになると、女性ホルモンが分解できずに「女性化乳房」という症状が出てくることもあります。
男性でもわずかに女性ホルモンを生成していますがそれを肝臓が分解できなくなってしまった結果です。
γ-GTP(ガンマGTP)を下げる食事や栄養
ガンマGTPを下げるには、肝臓自体を元気にする必要があるわけですが、ここでは肝臓を元気にすると言われている栄養や食材を見てみることにします。
ごま
ごまというと、稀少成分セサミンを始めとするゴマリグナンが有名ですが、これはわざわざ肝臓に届いた上で抗酸化作用を発揮してくれるすぐれものです。肝臓にとっては非常にありがたい食品ですね。
しじみ
昔から肝臓によいと言われているのはしじみですね。しじみに含まれている成分で何がいいのかというとタウリンという成分が含まれているからです。
タウリンが含まれているというと他に牡蠣などもありますね。これは肝細胞の修復に役立つと言われています。しじみはオルニチンをはじめ、肝臓によいアミノ酸がバランスよく含まれているというのも大きなメリットです。
大豆
肝細胞の修復というと他には大豆レシチンも
役立つと言われています。
やはり納豆は万能の健康食品のようです。
もちろん畑の肉と言われるくらいなのでアミノ酸も豊富です。
ウコン
ウコンも良いと言われていますね。ウコンに含まれているクルクミンという成分です。これは胆汁の分泌を促進します。
胆汁は、肝臓にたまった老廃物を排出する役割もあるので胆汁がよくでると肝臓も元気になるということです。
ただしウコンの摂取し過ぎによる悪影響も色々と報告されているので、限度を守る必要があります。
ニンニク
ニンニクも見逃せません。
ニンニクにはアリシンという物質が含まれていますが、これは肝細胞修復や肝臓での解毒を助けると言われています。
ブロッコリースプラウト
また、ブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンも肝臓のために役立つと言われています。これも解毒を助ける働きがあるようです。
γ-GTP(ガンマGTP)を下げる方法その2~脂肪を減らす
アルコールを減らすだけでなく
ガンマGTPを下げる最もよい方法は、肝臓自体の元気を取り戻すことなんです。
そうしなければ数値自体を云々しても意味がありません。そのために休肝日を設けることが大事だということでした。しかし、気をつけるべきことはそれだけじゃありません!
脂肪が毒になる時
さて、肝臓に負担をかけるものとしては、脂肪の存在も大きいです。
脂肪は容易に「過酸化脂質」に変化して、肝臓のみならず、どの内臓も傷つける危険をはらんでいます。
ですので脂肪を増やしすぎないというのは大事です。
そのためには当たり前のことですが、食生活の改善や適度の運動が必要になってきます。
これは肝臓だけでなく、生活習慣病やメタボなど健康全般に関係することですよね。
※メモ
過酸化脂質が危険ということですが、そもそも過酸化脂質とは何かというと、脂肪と活性酸素が結びついたものです。
活性酸素というと、老化や病気のもとになるということで皆さんご存知だと思います。
ただ、活性酸素の状態だと消えるのも早いんです。
ところが脂肪と結びついてしまうと、過酸化脂質というしぶとい物質となって、延々周りの細胞を傷つけることになります。
活性酸素でいる時よりしぶといんです。いやなやつです。そして、この過酸化脂質を分解するのも肝臓の重要な仕事の一つなんですね。
だから脂肪が増えると過酸化脂質も増えて、肝細胞が過労死してもおかしくないんです。
危険物取り扱いという大変な仕事を山ほど抱えることになるのですから。あなただってそんなのいやですよね?
γ-GTP(ガンマGTP)を下げる方法
禁酒で劇的に改善しても無意味
ガンマGTPというのはお酒を飲む量に敏感に反応します。ですのでお酒の量を減らせば数値は改善するでしょう。
たとえば血液検査の前の1週間程度は禁酒をするとガンマGTPの数値は劇的に改善することが多いです。
でもそれで改善しても、あまり意味はありません。
その後またお酒をたくさん飲んで、肝臓に負担をかけては本末転倒です。
「沈黙の臓器」といわれる肝臓が、ガンマGTPの数値という形で悲鳴を上げているんです。
数値ではなく肝臓自体を改善しなければ
だから、お酒の習慣自体を改善しなければいけません。そうしなければそのうち取返しのつかないことになります。
毎日のお酒の量が多すぎる場合はもちろん減らさなければなりません。また、休肝日は作るべきです。週2日は欲しいところですね。
毎日のお酒を減らすよりも休肝日を作ったほうが効果は大きいと言われています。
※メモ
取り返しの付かないこと・・・それは例えばどういうことかというと、肝硬変がその代表です。
アルコールで肝臓に負担をかけ続けても、再生力に優れた肝臓ですのである程度は持ちこたえてくれます。
しかし限度を超えると再生が間に合わず、死んだ細胞の隙間を埋めるように線維物質が生成されます。
この繊維物質が増えすぎて、致命的なまでに肝機能が失われた状態を肝硬変といいます。
ガンマGTPが高いとなぜ危険なのか
有害物質ではないのに何が危険!?
ガンマGTPがというのは、肝臓や腎臓、すい臓で働いている酵素だということでした。
ではなぜこの数値が高いと危険なのか、ということですね。
ガンマGTPは、悪玉コレステロールのようにそれ自体がなにか悪さをするというものではありません。
なにか悪い事態が起こっていて、それを知らせてくれている数値です。
ではその悪い事態とは何か?
肝細胞が死んでいる証拠!?
ガンマGTPはもともと肝臓その他内臓の細胞内で働いています。
それが血液中に増えているということは、上記の細胞の中から漏れだしてしまっているということです。
なぜ漏れるのかというと・・・それは内臓の細胞が破壊されているからです。
その結果、中の酵素が血液中に出てきているわけ。そして特に、肝細胞が壊れている時に、ガンマGTPは血液中に溢れてきます。
腎臓より肝臓に反応しやすい数値
ちなみに、腎臓が悪い場合は、ガンマGTPの数値はあまり変わりません。おそらく腎臓から体外に排出されるためでしょうね。
ということで、ガンマGTPの数値が上がるのは肝細胞が壊れているからということなんですが、その原因は何なのでしょうか?
つまり、肝臓は有害な物質を一生懸命分解してくれるわけですが私たちはその有害物質を好んで飲んでしまうというわけ・・・
γ-GTP(ガンマGTP)とは危険物質か
すごい名前だけど毒?
γ-GTP、「ガンマGTP」と読むのですが、健康診断で高い数値が出て心配になることもあるでしょう。
「ガンマ」とか、名前がすごいので「何か有害物質!?」と思ってしまいます。
でもこれ別に有害物質じゃありません。これ自体に害はないんです。
ただ血液検査でこの数値が上がってしまうのは問題です。
本名は舌を噛みそう
っていうか、こんなの覚えられない!ガンマGTPというのは
「ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ」
の略です。
「ーゼ」ってつくのは酵素ですよね。ガンマGTPも元々私たちの体内にある酵素です。
元々どこにあるのか!?
とくに肝臓とか腎臓、すい臓にあるんです。そこでタンパク質を分解するために働いています。
特に腎臓に多いんですね、意外かもしれないけど。じゃあなぜ血液検査でガンマGTPの数値が高いと
肝臓が危険なのかということですよね。
※メモ
γGTPの働きについて専門的な言葉で説明してみると
「γ-グルタミルペプチドを加水分解し、他のペプチドやアミノ酸にγ-グルタミル基を転移する酵素」
となります。うん、よくわからない説明ですね。
ペプチドというのはアミノ酸の集まったものですね。だから簡単に言うと、ガンマGTPはアミノ酸を分解したりくっつけたりするときに働く物質ということになります。