マトリックス&リローデッド&レボリューションズをゲーマー目線でわかりやすく解説してみる

マトリックスの無印とリローデッドとレボリューションズ、3部作を例によってアマプラで一気に観ることができたので、解説していきまっしょ。

なお、ネタバレ注意ですので、まだ見ていない人は見てから当記事を読んだほうがいいと思います。ネタバレ注意!

では。

いいですか?

マトリックスとは、簡単に

まず舞台ですが、マトリックスと呼ばれる仮想世界があって、主人公のアンダーソン君はそこをリアル世界だと思って暮らしています。

で、この仮想世界マトリックスですが、デウス・エクス・マキナ(機械神=超AI?)がつくった(つくらせた)ものです。

じゃあなんのために作ったかというと、機械が「栽培」している人間たちに、仮想現実というリアルな夢を見せるためです。

そうして機械たちのためにエネルギーを人間から得ます。人体が発する電力と熱を利用するんだそうな。

それ以前は、人間とAIの戦争があったとされていて、人間は機械たちのエネルギー源となる太陽光を遮断するために雲っぽい何かで世界を真っ暗にしてしまいます。

最終的にAIが人間に勝ち、人間を電池代わりにするというわけです。

まあ人間とAIが戦争して、人間が太陽光を遮断って、人間も超絶困るでしょ?

そんなことあるの?と思っちゃいますが。ひょっとしたらAIが流した偽情報かもね。

まあそれはさておき。

そういうことが、21世紀か22世紀にあって、マトリックスの外の現実世界は、今2199年くらいなんじゃないか・・・とはモーフィアスさんの言。吹き替えは玄田哲章さん最高

モーフィアスさん、あのネブカドネザル号の船長ですね。最初にネオさんを鍛えた人。

で、マトリックス無印だけだと、アンダーソン君=ネオさんが救世主として目覚めて、人間を勝利に導くぞ!みたいな、単純な話ですんだんですが・・・

実はすべてアーキテクトの「想定内」

リローデッドになって話が変わってきます。

あのナイスミドルが出てくる。なんでしたっけ、そう、アーキテクトさん。カーネルサンダースみたいなおじさん。マトリックスの設計者、設計プログラム。

アーキテクトさん曰く、現在のマトリックスはバージョン6なんだそうな。それ以前に5つのマトリックスが作られては更新されたらしい。

最初のマトリックスは、AIとしては「完璧」だったと。でもなぜか悲劇的結末を迎えたと。

アーキテクトさん曰く

「オレは完璧なんだけど、人間が不完全なせいで失敗したんだよね」

と。人間にオール責任転嫁。

ゲーム的に解釈すると、AIとしては「これが最高、これ以外ない」という世界を作ったので、自由度ゼロの一本道ゲームになっちゃったんじゃないか。

で、マトリックスにつながってる人間たち=プレイヤーは

「なにこれ自由度ゼロかよツマンネ」

となって、人間からエネルギーをとれなかったと思われる。彼らにとって失敗とは、エネルギーの収支が赤字になることでしょ、たぶん。

で、次にアーキテクトは、人間の奇っ怪な性質を反映したマトリックスを作ってみたと。

でもそれも、AI目線の「完璧に奇っ怪な世界」だったのか、失敗に終わる。まあ自由度ゼロの奇っ怪な世界は嫌だよね。

さてまた作り直さねば・・・

ということで、解決策を見つけたのが、

直感プログラム
=人間の心理を探るプログラム
オラクル(預言者)

人間に「選択」を与えると、なんとかうまく回るようになったそうな。

不完全な人間に選択させるなんて、AIから見ると不完全で気持ちの悪いことなんだけど仕方ない。

選択できるということで人間たちも、マトリックス世界をリアルと勘違いできるようになった。

しかーし。

アノマリー、チーターも想定内にしちゃえ

選択の幅を与えると、「想定外」の使い方をするやつがいる。ゲームでもよくある話。想定外からさらに「チート」まで行くやつもいる。

こういうやつらが増殖すると、マトリックス自体ダメになってしまう。

AIはこれに対処しなくてはならない。といって我々の世界のゲームのように「アカバン」するわけにはいかない。エネルギーを取れなくなる。

そこで、チートするやつも想定内に入れてしまおう。ということでマトリックス外の人間世界「ザイオン」を用意します。英語で書くと「Zion」。作者はガンダム見てたのかな。ガンダムの方は「Zeon」か。

まあそういう、マトリックスから外れた者たちは「アノマリー」と呼ばれます。アノマリーって例外とか逸脱という意味です。理論では説明できないこともアノマリーと呼ばれます。

まさに、AIから見れば不合理な奴ら、不完全な人間。こんなすばらしい仮想世界作ってやってんのに、なんで反抗するわけ?

まあとにかく。

アノマリーたちはザイオンに住まわせて、「密かに反抗している」ような気分にさせます。

ただこのザイオンも永久に放置しておくとやばいので、ある程度活動が進んだら、究極のアノマリー=救世主=ネオが出現するようになっています。

そうして、預言者がザイオンの人々に働きかけ、いかにも人間が自分たちの力で救世主を見つけたかように導きます。

そうして救世主ネオさんも、選択の幅はあれ、最終的にアーキテクトと会う場面まで導かれます。そしてこれが6回目。

そこで救世主は選択を迫られます。

ソースに行って初期プログラムを書き込み、マトリックスを初期化し、現在のザイオンを消す。そして女性16人男性7人を選んでザイオンを再建させる。

それをするか、しないか。

する場合は、マトリックスは新バージョンに更新され、現ザイオンは滅び、新ザイオン再建となる。

これは単なる初期化ではなく、救世主はアノマリーの情報を蓄積しているわけなので、そのアノマリーを「想定内」に入れてしまうためのバージョンアップとなるでしょう。

初期化しない場合はマトリックスが機能不全に陥り、それに繋がれた人類は全滅、現ザイオンはやっぱり滅ぼされる。

これまでの5人の救世主にとっては二択のように見えて、実質一択でした。どっちにしても現在のザイオンが滅ぶなら、更新による人類救済とザイオン再建にかけるしかない。

ネオがそれまでの救世主と違ったのは…

ところが今回のネオさんの場合は愛する人「トリニティー」さんがいる。そしてトリニティーさんが危機に陥っている。

ということで今回のネオさんは、初期化作業よりもトリニティー救出を優先します。AIから見るととんでもない不合理でしょう。ありえへん!

でもネオがそっち選んじまったものは仕方ない。とにかくこれ以上ザイオンは放置できないので力ずくで潰す。

ということで戦闘用だか汎用だかわからないけど、あのタコみたいな機械「センチネル」がわんさかザイオンに押しかけます。

とりあえずマトリックス外に出た無課金チーターは滅ぼす。あとマトリックス内はなんとか緊急メンテで直せればいいけど、それができなかったらサービス終了!サ終!

で、次のレボリューションズでは、前作終盤で現実世界でもなぜか超能力を使ってセンチネルを倒し、そのあと昏睡したネオが地下鉄の駅のようなところに閉じ込められています。

どうもそこは、マトリックスに不正にアクセスするために通る場所のようですが、「トレインマン」というエグザイルが管理しています。

エグザイルというのは、もう不要になったプログラムだけど、削除が嫌で逃げ回ってるやつです。

ここに閉じ込められてる間に、ネオさんは、「プログラムにも愛があるんじゃないか?」なんて思わされる経験をします。

んで、トレインマンの親分であるメロビンジアン(あのフランス人気取りの男性)をトリニティーらが脅して、なんとかネオさんを取り戻します。

そのあとネオは預言者に会い、スミスについて聞きます。

スミスは、ネオに対してバランスをとるために作られた存在、マイナスのネオみたいなもの。それでネオが成長するに従って、スミスもとんでもないことになっていくのか・・・

そしてネオさんはなぜか自分が行くべき場所を悟ります。

責任者と話させろ!

マシンシティのデウス・エクス・マキナのもとへ。長いから機械神でいいや。

この機械神は、人間風に言うと、機械世界全体の支配者で、アーキテクトおじさんの親分にあたるんだろうね。

で、アーキテクトさんは、機械世界へのエネルギー供給手段の重要な一部であるマトリックスを任されていたと。

ネオさんはトップと直接交渉することにしました。

ネオさん「スミスはあんたには制御出来ないよ、マトリックスだけじゃなくてマシンシティも滅ぼすよ。オレならスミス削除できるよ」
機械神「何が望みかね」
ネオさん「平和」

アーキテクトさんは2択しか示さなかったけど、ネオさんはトップと直接交渉して第3の道を作ったんですね。

ネオさんはスミスと戦い、圧倒されますが、倒れたネオさんの前でスミスはこう口にします。

「待てよ、見覚えがある」
「こうして君が横たわり」
「そうして私は何かを言う」
「始まりがあるものには終りがある、ネオ」
「今、私はなんと言った?」

見覚えがあるのは、預言者を取り込んだからなんでしょう。預言者は前のバージョンのマトリックスの終わりも記憶してるはず。

でも、「始まりがあるものには終りがある、ネオ」という言葉は、スミスが意図したものではないようですね。前に預言者が言った言葉だし。それにすぐあとに「今、私はなんと言った?」と来るので。

しかも「ネオ」と呼んでいます。それまで「アンダーソン君」と言っていたのに。

つまり預言者は完全に同化されず、その「人格」とでも言うべきものが残ってたんですね。

なのでそのあと、ネオがスミスに取り込まれても、ネオと預言者で協力して、全スミスを内側から破壊できたのではないでしょうか。

真の黒幕は…

最後にアーキテクトと預言者が会話をします。

「危険なゲームをしたな」
預「変化に危険はつきもの」

この会話からすると、このエンディングは預言者が意図したもの、ということになりそうです。

5回目まで預言者は、救世主を導いてマトリックス初期化を繰り返していたけど、6回目は「変化」を望んだわけです。

もっとよい均衡があるはずだと。

いや、ずっと変化を望んでいたけど、6回目にしてなんとかここまで持ってくることができたのかもしれませんね。

初めて会ったときに、預言者はネオにクッキーを渡して

「それを食べ終わった頃には、すっかり元気になってる」

といいますが、これってネオに新しいプラグインを組み込む作業だったんじゃないでしょうかね。前回までとは違う働きをしてもらうために。

まあクッキーは単なる象徴で、会ってる間ずっと組み込み作業をしてたのかな?

「なぜかわからないけどマシンシティに行かなきゃならない」と思えたのは、その直前に会った預言者に組み込まれた情報っぽいし・・・

ひょっとしたらトリニティとの恋愛も・・・とそこまで考えると、ロマンもへったくれもないけど。