それはちょっと、正しいとはいえません。
なんのことかというと・・・
「痩せる菌であるバクテロイデスを増やす方法が知りたい」
ということですね。
バクテロイデスは卑怯者?
気をつけなければいけないのは、バクテロイデスは、善玉菌でも悪玉菌でもないということ。日和見菌と言います。
日和見菌っていうのはですね・・・卑怯なんです。
優勢な方の味方をします。まあ、人間と似ていますね。(笑)
つまり、腸内環境によって、良くもなるし悪くもなる、それがバクテロイデスです。
腸内環境が悪くなれば・・・バクテロイデス・フラジリスという、バクテロイデスの中でも悪いやつが増えます。こいつ、発ガン物質なんて生産してくれます。
だからただ増やせばいいというものではありません。
正しい方針
「腸内環境を改善する」という考え方が正しいんです。
そうすれば、バクテロイデスも、
「あ、今は善玉菌の方が優勢なんだ。じゃあこっちに味方しちゃおう」
ということになるわけです。「良い」バクテロイデスが増えるというわけです。
なぜバクテロイデスで「痩せる」と言われるのか?
では次に、なぜバクテロイデスが「痩せる菌」なんて思われたのか、ということですね。
これはバクテロイデスが作ってくれる「短鎖脂肪酸」が関係しています。
短鎖脂肪酸が腸内で増え、それが血液に取り込まれると、脂肪を燃やす、または脂肪が増えることを抑制する働きをしてくれます。
だから、「太りにくい人はバクテロイデスが多い」なんてことが言われたわけですが・・・
実は、短鎖脂肪酸は善玉菌であればいろいろな腸内細菌が作ってくれているものなんです。ビフィズス菌だって短鎖脂肪酸を作ってくれます。
ということは・・・つまり?
善玉菌を増やせばバクテロイデスも味方になる
バクテロイデスを増やそうとするのではなく、善玉菌を増やそうとすればいいのですよね。
そうすれば、日和見菌でしかも圧倒的多数を占めるバクテロイデスが、「正義の味方」として働いてくれるわけです。
しかも、善玉菌と力を合わせて、短鎖脂肪酸を作ってくれます。
なので
「バクテロイデスを増やそう」
と考えるのではなく
「善玉菌を増やそう」
と考えるのが正しいと言えそうです。
善玉菌を増やすために
ということで、善玉菌を増やし、同時に「良い」バクテロイデスを増やすには?ということですね。
これはもう、ヨーグルトでもいいですし、サプリメントでもいいですが、乳酸菌をとれば良い、というのがまず一つ。
これは「生きたまま腸に届く」というものもいいですが、そうでないものでも役に立ってくれます。乳酸菌が死んでしまっていても、腸で他の善玉菌を増やす役に立ってくれるということです。
ヨーグルトについてはこちらで多数の製品を比較しています。
次にオリゴ糖。これは腸内善玉菌の「エサ」になります。
なぜかというと、オリゴ糖はあまり消化されずに腸内を通っていくからです。人間の消化液ではあまりしょうかされないので、腸内の善玉菌がこれを「食べる」ことができます。
ということはオリゴ糖は、人体にはあまり吸収されないので、甘いけどカロリーは低い、ということになります。
つまりダイエットや血糖値の上昇抑制に役立つということです。
それでいてオリゴ糖は、悪玉菌のエサにはなりません。
三つ目として食物繊維。短鎖脂肪酸というのは、善玉菌が食物繊維を分解することで作られるからです。
ただ、ここで足りない食物繊維をサプリメントで補おうとするのはやめておいたほうが良さそうです。
食物繊維をサプリメントで取り続けた結果、腸内のポリープが増えた、という研究報告もあるからです。
ですので、食物繊維は食品から取るよう心がけたほうが良さそうですね。