月別アーカイブ: 2013年9月

C型肝炎の抗ウイルス薬治療(リバビリン)

C型肝炎の治療には、新しく用いられるようになった
ペグインターフェロンと、抗ウイルス薬の併用が
大変効果的だと言われています。
これによってC型肝炎ウイルスを
完全に退治してしまえるそうです。
さて、ペグインターフェロンと併用される
抗ウイルス剤ですが、「リバビリン」というものですね。
1日2回も服用しなくてはならないのですけど
併用によって大きな効果が期待できます。
しかし副作用もあって、使い始めてから
1週間ほどで貧血が起こることが多いようです。
ただこれは心配するほどのものではなく
2週間程度たてば治ってしまうことがほとんどです。
最近はこれらに加えてさらに
プロテアーゼ阻害薬を用いて
効果を高めるということが行われています。
これらの薬もやはり、胎児には悪影響がありますので
妊娠中の女性は注意しなければなりません。

B型肝炎の抗ウイルス薬による治療(ラミブジン、エンテカビル)

B型肝炎はインターフェロンと抗ウイルス薬を用いて
治療することが多いです。
長い間使われてきたのはラミブジンという薬です。
これは効果が高い割に副作用がほとんど出ない
ということでよく用いられたわけですけど、
耐性ウイルスが出てくることもありました。
耐性ウイルスというのは
突然変異によって、その薬への耐性を
持ってしまったウイルスのことですね。
こいつらにはもうラミブジンは効かないということです。
その場合は、アデホビルピボキシル
という薬を用いていました。
2006年になってエンテカビルという新薬が
用いられるようになりました。
これは効果の高さはラミブジンに劣らず
また耐性ウイルスも出にくいという優れた薬です。
これによってB型肝炎は効果的に治療することが
可能になっています。
ただ、どの抗ウイルス剤にしても、
おなかに赤ちゃんがいる場合は悪影響があると
言われていますので、妊娠している場合は
注意が必要です。

C型肝炎・B型肝炎のインターフェロン治療と副作用

C型やB型などウイルス性の肝炎の場合、
インターフェロンを用いた治療が行われます。
でも普通、「インターフェロンって何?」ってなりますよね。
なんだか副作用のすごい薬なんじゃないかと
思ってしまいそうです。
でも実はインターフェロンというのは
もともと私たちの体内で作られているタンパク質です。
インターフェロンは、ウイルスの増殖を
抑制する酵素の生成を促すのですけど、
そのウイルスによって肝臓が侵されると、
インターフェロンが不足してしまうのです。
そこで外から補ってやるというわけですね。
ただ、C型肝炎の場合は、
かつては効果がない場合もありましたが
現在はペグインターフェロンというものができて、
C型肝炎ウイルスを完全に退治することができます。
B型肝炎でもインターフェロンは効果を持ちますが、
C型と違って、これだけで完全排除することは
できないようです。
ですので抗ウイルス剤を併用します。
また、副作用もあって、投与から1~2週間で
風邪のような症状が現れることが多いです。
熱が出たりだるくなったり、吐き気がしたりということですね。
それほど多くはありませんが、
脱毛やうつ状態が現れることもあります。
ですので、なんだか気分が落ち込むようになった
という場合は、すぐに医師に知らせる必要があります。

禁酒のメリットと肝臓の回復

お酒の場合はタバコと違って、
少しの量であれば健康にとってプラスに働くということもあります。
ただ飲み過ぎてしまうとどうしてもマイナスになってしまうので
やはり禁酒のメリットは大きいといえます。
完全禁酒ではなく、身体に良い量まで減らすことができれば
それが最も理想的ですね、
さて、禁酒のメリットですがまずは肝臓の回復に役立つことです。
お酒を飲むとアルコールが体内に入るだけでなく
有害なアセトアルデヒドが発生しますが
この2つの物質を分解するのは肝臓の仕事だからです。
お酒を飲まない人の肝臓は、この有害物質の分解という
重労働を全くしなくて良いというわけですね。
また、アルコールを分解する過程で、
脂肪生成を促進するような物質も生まれます。
ですのでお酒は脂肪肝につながるわけですが、
禁酒するとそれを防ぐことができます。
もちろんアルコールやアセトアルデヒドは、
肝臓だけでなく全身の細胞にダメージを与えますので、
(だからこそ肝臓で分解する必要があるわけで)
禁酒すれば全身の細胞を守ることにもなります。
そして、お酒を飲んでいるということは、
その代わりになにか有用な栄養素を摂取する機会を
失っているということでもありますよね。
お酒でおなかがいっぱいになって
食べるべきものを食べられなくなってしまっていたり
ということです。
ですのでお酒をやめることで
より栄養バランスが取りやすくなるともいえます。
もちろん、体に悪いものにお金を使ってしまうという
金銭的な無駄もなくすことができますね。

肝臓病には高カロリー食?

昔は肝臓病の時の食事の基本は、
高カロリー、高タンパクということになっていましたが
現在ではこれは否定されています。
高タンパク食については以前紹介しました。
肝臓病とタンパク質の負担
そして高カロリー食のほうも、今では避けられています。
なぜならまず、必要以上のカロリーを取ってしまうと
過剰なぶんは脂肪として蓄えられてしまうからです。
もちろんこれは肝臓に脂肪がつく原因ともなります。
脂肪肝になれば肝臓の負担が大きくなるのは当然ですね。
また、摂取カロリーが増えるということは
それだけいろいろなものを過剰にとることになりますので
肝臓はそれらの処理のために、普通以上に働かなくては
ならないということになります。
いろいろな栄養素の代謝自体、肝臓にとっては
大事な仕事ですが、中には代謝の過程で有害な物質を
生んでしまうものもありますので、
そういう有害物質の分解という仕事も
増えてしまいます。
ですので肝臓の仕事を必要以上に増やさないためにも
摂取カロリーには気をつける必要があるんです。

肝臓病とタンパク質の負担

以前は、肝臓の病気には高タンパク食が良い
というのが常識だったのですが、
最近はそうではなくなっています。
もちろん、健康な肝臓であれば問題ないのですが、
肝臓の病気も、慢性肝炎以上に重いものとなりますと
タンパク質の摂取を控える必要が出てきます。
なぜなら、タンパク質を分解する過程で
アンモニアが発生してしまいますが、
これは体にとって有害な物質ですので
肝臓はこれを分解しなければならないからです。
アルコールを摂取すると、
アルコールとアセトアルデヒドの分解のために
肝臓の負担が増えるのと同じような理屈ですね。
ただどれくらい控えるかは肝機能がどれくらい
失われているかによります。
肝炎程度であれば、過剰摂取をに気をつければ
良い場合がほとんどですが、肝硬変などになりますと、
通常より大幅に減らさなければならなくなります。
それにしても、健康や医学の常識って
よくかわってしまうものなんですね。

肝膿瘍の原因菌と治療

肝膿瘍というのは肝臓に膿がたまってしまう病気ですが、
原因となっているのは大腸菌などの細菌か
または赤痢アメーバ原虫です。
前者を化膿性肝膿瘍と呼び、
後者をアメーバ性肝膿瘍と呼びます。
日本では化膿性のほうが圧倒的に多いです。
胆管が詰まることで胆汁が逆流し、
その流れに乗って細菌が入ってくるパターンが多いようですね。
それ以外でも、周囲の内臓の疾患が元になることもあります。
症状としては一般的な肝臓の病気と同じく、
体のだるさや熱、それから黄疸などが出ることもありますが
腹痛となって表れることもあります。
治療としては、軽い場合は薬により治療を行います。
抗生物質による治療ですね。
ひどい場合にはチューブを差し込んで吸い出すなどの手術となります。
もちろん同時に薬物による治療もおこないます。
また、原因が赤痢アメーバ原虫の場合は
抗原虫薬を使った治療をします。
治療せずにほうっておくと、敗血症などにつながり
重症の肝膿瘍だと死亡率が2割前後もあるそうです。

肝のう胞の原因と治療

肝のう胞というのは、
肝臓に体液の溜まった嚢胞=袋ができる病気です。
原因としては、先天的なものが多いようです。
生まれつき、胆管内の胆汁の流れが悪くて
それで部分的に拡張してしまうのではないかと
考えられています。
それ以外の原因としては、
何らかの炎症によるものであったり、
寄生虫によって引き起こされるということもあるようです。
まれに悪性腫瘍が原因となっていることもあります。
通常、肝のう胞は無害ですので、見つかったとしても
特に治療をするでもなく、経過観察になることが多いです。
肝のう胞が大きくなってしまって、胆管や肝臓、
その他周りの臓器を圧迫してしまって障害の元になる場合や
悪性腫瘍の疑いがある場合は手術ということになります。
悪性でない場合は手術と言っても、
麻酔をして肝のう胞にチューブを挿入して体液を吸い出し、
かわりに薬を注入するだけですので
それほど大変なものではありません。

原発性硬化性胆管炎(PSC)の症状と治療

原発性硬化性胆管炎も、原発性胆汁性肝硬変と同じく
長い間原因不明とされていましたが、最近では
自己免疫疾患ではないかと考えられています。
自己免疫が胆管の太い部分の細胞を攻撃することにより、
その部分の細胞が死んで線維化が進みます。
そうして胆管の壁が腫れてしまって
胆汁の通り道を塞いでしまうということです。
そして胆汁が流れなくなること(胆汁うっ滞)
によって、徐々に肝臓自体も傷つけられていき、
最終的には肝硬変となってしまいます。
自覚症状はこれまた出ないことが多いですが、
全身の痒みやだるさとなって表れることもあり、
進行すると黄疸も現れてきます。
また、肝硬変まで進んでしまうと
肝硬変の諸症状が出てくることになります。
治療法としては、抗生物質や抗炎症剤を使ったり、
ウルソを用いたりすることが多いようです。
それで効果がない場合は、手術によって胆管を拡張したり
塞いでいる部分を切除したりします。
重度の場合は、
肝臓移植を行わなければならない場合もあります。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)の症状と治療

肝臓の病気の原因はというと、
ウイルスによるものとアルコールによるもの、
それから過度なカロリー摂取によるものが多いですが
それ以外のものとして自己免疫疾患によるものがあります。
つまり自分の免疫が自分の肝臓を攻撃してしまう病気ですね。
その一つとして原発性胆汁性肝硬変(PBC)というものがあります。
これは、肝硬変という名前にはなっていますけど
進行していないものであれば肝硬変にはいたっていません。
ただそれでも名前はこの名前が用いられますので
びっくりしてしまいそうです。
これは自己免疫が、肝臓にある細い胆管を攻撃して
破壊してしまう病気です。
そのことで胆管のみならず周囲の肝細胞も破壊され
さらに、胆汁が流れなくなることでも
肝細胞が障害されていきます。
そしてほうっておくと、肝硬変に至ってしまいます。
自覚症状としては例によって何も出ないことが多いですが、
出る場合はまず、全身が痒くなるという形で
出てくることが多いです。
そしてさらに進むと黄疸というわかりやすい形で出てきます。
さらに進行して肝硬変になってしまうと
こんどは腹水や肝性脳症など、
肝硬変の症状が出てくるようになります。
治療としては決定的なものはありませんが、
薬によって病気の進行を抑えることは可能なようです。
昔から漢方で使われてきた熊胆=ウルソが効果的とのこと。
しかし、肝硬変にまで至ってしまった場合は
肝硬変のための治療が必要となります。

自己免疫性肝炎の原因と症状

免疫というのは、外界からの細菌やウイルスを攻撃して
自分の体の健康を守るための仕組みですが、
この免疫が自分の体を攻撃してしまうことを
自己免疫疾患と呼びます。
そしてその免疫が、あろうことか自分の
肝細胞を攻撃してしまうことがあります。
これを自己免疫性肝炎と呼びます。
自分の免疫細胞が、自分の肝細胞を殺してしまうというわけです。
その原因ははっきりとはわかっていません。
何かの薬物がきっかけになるとか、
ウイルス感染がきっかけになると言われています。
自覚症状としては一般的な肝炎と同じです。
体がだるくなったり高熱が出たり、黄疸が出たり
ということですね。もちろんまったく出ないこともあります。
血液検査にはもちろん以上が表れます。
AST、ALT、やビリルビンが上がることが多いですし、
免疫が関与するということでガンマグロブリンの数値が
上がることが多いです。
また、抗核抗体も陽性となります。
治療としてはステロイドによる薬物療法が中心です。
ただ、それで治らない場合もあります。

急性胆のう炎・胆管炎の原因と症状

胆のう炎というのは胆のうが炎症をおこすことですが、
その原因としては胆石症が考えられます。
胆管などで石ができることで、それが胆汁の
通り道を塞いでしまって胆汁うっ滞という
状態になります。
その状態が続くと胆管や胆のうが
炎症を起こしてしまうというわけです。
原因は胆石ということになりますので
さらにその原因の、コレステロールを過剰にしてしまう
食生活を改善することが、
有力な予防法となりそうです。
自覚症状としては、急性の場合、
おなかの右側に激痛が走ることが多いです。
ですので肝臓系の病気としては
気づきやすいものと言えそうです。
これが慢性化すると自覚症状が
出ないこともあるといいますので不思議ですね。
治療法としては抗生物質による
薬物療法ということになりますが、
胆のうを摘出してしまうこともあります。

胆のうポリープの原因と症状

胆のうというのは、肝臓から出てくる胆管の途中にあって
胆汁をためて濃縮するための器官です。
その原因にはいくつかありますが、
多いのはコレステロールポリープと言って、
胆のうの壁の中にコレステロールが溜まって腫れてしまったものです。
ですのでこの場合、食生活が原因ということになります。
それ以外では、胆のうの壁の細胞が異常に増殖してできたり、
胆のうが炎症をおこすことによって腫れたりということがあります。
それぞれ過形成ポリープ、炎症性ポリープといいます。
ここまでは「良性」といわれますが「悪性」のものもあります。
それは胆のうのがんによるものです。
良性の場合は経過観察ということになりますけど
悪性の場合は手術で摘出してしまうことが多いです。
さて、自覚症状ですが、胆のうポリープ自体の
自覚症状はありません。ですのでなかなか見つかりにくく、
健康診断で超音波検査をして偶然見つかった
というパターンが多いです。
また、ポリープが原因となって石ができることがありますが、
その結石の痛みを自覚症状として感じることはあります。

肝臓がんの原因と症状

肝臓がんの場合も、他の肝臓の病気と同様、
自覚症状がない場合が多いです。
健康診断の血液検査で異常が認められ、
その後精密検査をして初めてわかった、
という例も珍しくありません。
また、転移はしにくいけど再発はしやすい
という特徴もあります。
さて、肝臓がんの原因ですが、
ほとんどはウイルス性の肝炎がもとになっています。
なんと肝臓がんの8~9割がこれに当てはまります。
B型肝炎とC型肝炎がだいたい半々くらいだと言われています。
それならお酒を飲んでも肝臓がんにならないのかというと
そうではありません。アルコールを大量に摂取している場合、
上記のウイルス感染後に、それが重い病気の方に
移行してしまう可能性が高く、肝臓がんのリスクも
上がってしまうということになります。
もちろんアルコール性肝炎から肝臓がんまで
進展してしまうこともあります。
それ以外ではNASH=非アルコール性脂肪性肝炎も
肝硬変から肝臓がんに進んでしまうことがあります。
結局のところ、日頃から肝臓をいたわっていれば
肝臓がんのリスクも下げられるということになりそうです。

肝硬変の治療

肝硬変の治療というのは非常に困難なのですが、
根気よく治療を続けることで改善する場合もあります。
また、肝臓の移植も視野に入ってきます。
治療法としてはまず、肝硬変になった原因は
取り除かなければなりません。
例えばアルコールの摂取はやめる、
食生活を改善するという当たり前のこともありますし、
ウイルスが原因になっている場合は、
抗ウイルス薬を使ったり、インターフェロンを
使ったりします。
それに加えて、合併症の治療も行わなければなりません。
例えば肝性脳症については、
体内のアンモニアを減らす処置をしたり、
アンモニアのもととなるタンパク質摂取を控えたり
という手段が取られます。
腹水の改善のためには、
アルブミンを増やすための薬剤(分岐鎖アミノ酸製剤)を
用いたり、利尿薬を用いたり、また塩分摂取を抑えたり
という手段が取られます。
食道や胃の静脈瘤に対しては、
破裂を防ぐための手術(内視鏡的結紮療法、内視鏡的硬化療法)が
行われます。
しかしどれも直接肝硬変をどうこうするものではなく、
原因と症状を抑えることで肝臓の再生を
促すものに過ぎません。

肝硬変の合併症

肝硬変になると様々な肝機能が失われますので
それによっていろいろな合併症がひき起こされます。
有名なものとして腹水とか足のむくみがあります。
肝臓はアルブミンというタンパク質を作っているのですが、
肝機能が失われることでアルブミンが不足していきます。
アルブミンは血中にあって、細胞との水分のやりとりを
調節していますので、これが不足すると水分調節が
うまくいかなくなります。
その結果として腹水がたまったり浮腫が出たりします。
次に肝性脳症ですね。
これは肝臓にはアンモニアを分解する働きがあるのですが
その働きが失われ、有害なアンモニアが脳に達してしまった
結果です。意識障害が現れたりします。
食道静脈瘤、胃静脈瘤ができることもあります。
これは、肝硬変によって肝臓に血液が通りにくくなり、
かわりに胃や食道の静脈に血液が押し込められてしまうことで
静脈にコブができてしまうという現象です。
静脈瘤が破裂すれば吐血をすることもあります。
そしてこれらの合併症が出た場合、
肝硬変は既にかなり進行していると判断できます。

肝硬変重症度のChild分類(チャイルドピュー分類)

代償性肝硬変が軽度、非代償性肝硬変が重度
ということでしたけど、もう少し細かく
肝硬変の重症度を判定するものとして
Child-Pugh分類というものがあります。
これはこの分類法を考案した二人の学者の名前をとって
名付けられたものです。
さて、分類法ですが以下の5つの観点から
得点を計算していきます。
肝性脳症
なし・・・1点
軽度・・・2点
昏睡あり・・・3点
総ビリルビン値(mg/dl)
2未満・・・1点
2以上3以下・・・2点
3超・・・3点
プロトロンビン時間(%)
80超・・・1点
40以上80以下・・・2点
40未満・・・3点
腹水
なし・・・1点
少量・・・2点
中等量以上・・・3点
血清アルブミン(g/dl)
3.5超・・・1点
2.8以上3.5以下・・・2点
2.8未満・・・3点
以上の得点を合計します。
そして6点以下なら判定はAとなります。
肝機能はよく代償されている、ということになります。
7点から9点だと判定はBです。肝機能が低下しています。
代償性肝硬変から非代償性への過渡期です。
10点以上ですと判定Cとなります。非代償性肝硬変です。
BまたはCですと手術をしても失敗が多いと言われています。
ですので他の方法でAの状態に戻してから手術をすることになります。

代償性肝硬変と非代償性肝硬変の定義

肝硬変というのが肝臓の線維化が進んで
既に自力で修復できなくなった状態を指します。
同じ肝硬変でも、まだかろうじて
肝臓としての機能を保っている場合は
代償性肝硬変と呼ばれます。
自覚症状は出ないことが多く、
出たとしても風邪と間違えてしまうようなものです。
肝硬変としては軽度、と考えていいでしょう。
しかし症状が進んでしまって、いろいろと現れてくると、
これは非代償性肝硬変と呼ばれます。
症状というのは例えば黄疸や腹水・足のむくみ、
クモ状血管腫や手掌紅斑、女性化乳房、
また肝性脳症などが有名です。
これらに当てはまる場合はかなり重症と考えられます。
胆汁やタンパク質の合成ができなくなっていたり
ホルモンの調節や有害物質の分解が
できなくなっていたりということを示すからです。
つまり肝臓としての機能が失われているということです。

メタボリックシンドロームと脂肪肝~診断基準

メタボリックシンドロームの診断基準として
一定以上の内臓脂肪の蓄積というのがありますので
脂肪肝は当然、メタボリックシンドロームの
症状の一つとして数えられます。
メタボリックシンドローム=代謝症候群
ですので、いろいろな症状を併発している状態です。
そのひとつとして脂肪肝があることは珍しくありません。
さてそのメタボリックシンドロームの診断基準を
以下に示しておきましょう。
まずは内臓脂肪の蓄積を判定するために
腹囲を計測します。
男性の場合85センチ以上、女性の場合90センチ以上となっています。
女性のほうがサイズが上なのは、女性は内臓脂肪より
害の少ない皮下脂肪がたまりやすいからです。
さて以上を満たした場合、メタボの第一基準はクリア
ということになりますクリアしてもうれしくない基準です。
第2基準は、次の3つのうち2つ以上を満たすことです。
①中性脂肪値150mg/dlまたはHDLコレステロール値40mg/dl未満。
②最高血圧130以上または最低血圧85以上。
③空腹時血糖値110mg/dl以上。
つまり高脂血症、高血圧、高血糖のうちの
2つ以上に当てはまると、第2基準クリアということになります。
第1基準と第2基準をクリアすると、
メタボリックシンドロームと認定されます。
嬉しくない認定です。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の原因と治療

脂肪性肝炎ですので、
脂肪肝が進行してしまって肝炎となったものです。
脂肪肝というとお酒を飲む人がアルコールの影響でなるもの
というイメージがあるかもしれませんが、
NASHの場合は非アルコール性ということで
お酒を飲んでいない人が発症するものです。
原因は何かというと、カロリーの過剰摂取
ということになります。
つまり、肥満やメタボリックシンドローム
である人が発症しやすいということです。
また、インスリン抵抗性がある人も発症しやすいと言われています。
つまり糖尿病と併発することが多いんです。
カロリーの過剰摂取によって肝臓に脂肪がつき、
風船様肝細胞が増えて肝臓が肥大し、
肝細胞が炎症を起こしたり壊死したりします。
ほうっておくと、死んだ肝細胞が
線維物質に取って代わられ、肝臓の線維化が進みます。
行き着く先は肝硬変です。
治療と言ってもNASHに対する薬というのはありません。
食事療法と運動療法で治療していきます。
簡単にいえばダイエットということになります。
肝臓の脂肪を燃やして減らしていくことですね。
ただ、ダイエットで脂肪を減らすと、
内臓脂肪が先に減ってくれますので
体重の減り方に比べて脂肪は意外にたくさん減ってくれています。
もちろん、肝細胞修復のために
多くの栄養をバランスよく取る必要もあります。

脂肪肝と肝臓肥大

脂肪肝というのは肝臓に脂肪がたまってしまうことですが、
それによって肝臓が大きくなってしまいます。
脂肪によって腫れてしまうと表現した方がいいかもしれません。
健康な肝臓というのは重さが1キロ程度なんですね。
そのうち脂肪は2~3%しか含まれていないんです。
ところが脂肪肝になりますと肝臓は肥大してしまって
その重さは1.5キロ~2キロにまでなってしまいます。
1.5倍から2倍ということですのでものすごい巨大化ですね。
脂肪の割合は5%以上となります。
肝臓が肥大しているということは
肝細胞自体も肥大しているということです。
バルーン化と言ったりします。
つまり細胞自体が太ってしまって、
肝臓の中でギュウギュウ詰め状態なんですね。
それで血行も悪くなってしまって、
肝臓の働きが悪くなります。
中には壊死する細胞も出てきます。
さらに脂肪は過酸化脂質に変化して
周りの肝細胞を傷つけ続けることにもなりますし、
細胞のバーンアウトにもつながってしまいます。
そのまま進行すると肝炎や肝硬変にもつながります。
なのでここで是非とも改善しなければならないのです。

アルコール性肝線維症の症状と治療

アルコール性肝線維症と呼ばれる状態がありますが
これは、肝臓の細胞が死んでしまって、
そこがコラーゲン線維に取って代わられている
状態のことです。
脂肪肝や肝炎でも、一部は線維化していますし、
この線維化が不可逆的に進めば肝硬変ということになります。
ですのでアルコール性肝線維症という
一つの病気があるわけではないということもできます。
自覚症状としては、まったくないこともありますし、
肝硬変のような症状が出ることもあります。
クモ状血管腫、手掌紅斑、腹水、女性化乳房、
静脈瘤の破裂などさまざまです。
血液検査でも肝硬変の数値に近づいていくことになります。
治療としてはお酒をやめることはもちろんですが、
肝細胞の再生に役立つ栄養をバランスよく取っていくことも必要です。
さらに、線維化を勧める細胞の働きを抑えたり、
線維を分解したりするための薬物を用いることも多いです。
とにかくここで踏みとどまって引き返さなければ
肝硬変、それから肝臓がんという最悪のシナリオが待っています。

急性アルコール性肝炎の症状と治療

アルコール性脂肪肝を放っておきますと
アルコール性肝炎に進行してしまうことがあります。
それでも自覚症状が出ないことが多いですが、
症状が出る場合は風邪に似たものが多いです。
例えば体がだるいとか、熱が出るといったことですね。
あとは肝臓の病気に特徴的なこととして
黄疸が出たりすることもあります。
肝炎ともなりますと、もうかなり肝細胞も
破壊されていますので、油断は禁物です。
肝細胞の破壊がAST、ALT、ガンマGTPなどの
検査値の異常となって現れることでしょう。
そして時には命の危険にさらされることもあります。
さらに、ここから放置して肝硬変ともなってしまえば
もう取り返しがつかないと言ってもいいですので
なんとしてもここで引き返す必要があります。
治療法としてはまずお酒はやめなければなりません。
お酒をやめるのはつらい、なんて言っている
段階ではありません。
もちろん栄養も適切に取っていく必要がありますね。
肝細胞の破壊が進んでいるのですから
その修復のために必要なアミノ酸やビタミン類は
意識してバランスよく取るようにしなければなりません。
また、血液検査の数値があまりにもひどい場合は、
運動も控える必要が出てきます。

アルコール性脂肪肝の症状と治療

アルコール性肝障害のうちでも
初期のものはアルコール性脂肪肝と呼ばれます。
この段階であれば治療も簡単ですので
早めに気づいて改善するべきですね。
さて、自覚症状ですが、「ない」ことがほとんどです。
でもお酒が好きで、しかも肥満気味であれば
アルコール性脂肪肝になっている可能性は高いです。
ですのでそういう人は、健康診断での
血液検査の数値に目を光らせておく必要があります。
検査値としては、AST、ALT、ガンマGTP、
そしてコリンエステラーゼなどが高めになってしまいます。
治療としては、お酒をやめるというのが最も効果的です。
ただ、やめるのはつらいでしょうからお酒の量を減らし、
そして食生活も見なおしてカロリー摂取を適切に
コントロールしていきます。
カロリーを減らすとはいえ、肝細胞の再生には
アミノ酸やビタミンは必須ですので
そういうものはバランスよく取るようにします。
また薬物療法として、肝臓を保護するための薬を
使っていくこともあります。
サプリメントもうまく利用していきたいところです。
この段階で引き返せば
それほどつらい思いをしなくてすみますので
ぜひ徹底して生活を改善していきたいところですね。

アルコール性肝障害の数値

アルコール性肝障害といっても段階があって、
その段階によって検査数値も変わってきます。
大きく分けるとアルコール性脂肪肝から
肝炎や肝線維症に進展し、そして肝硬変に至る、ということになります。
肝硬変に至る前であれば、肝臓の数値としては
ASTやALTが100以上となったり、
また、アルコール性肝障害では特に上がりやすい
ガンマGTPが100以上になったりします。
しかしこれがアルコール性肝硬変にまで進行すると、
逆に数値が下がってきてしまいます。
なぜならこれらの数値は、肝細胞で働いている
酵素が、どれくらい血液中に流れ出しているかを
表すものだからです。
肝硬変ともなると、肝細胞自体が相当数死滅しているので
流れだす酵素自体減ってしまっているということです。
ですのでその場合は、血清蛋白であるアルブミンの低下や
ビリルビン値の上昇、プロトロンビン時間の延長などを
合わせてみていくことになります。
また最近は血小板数の減少も
検査数値としてよく見られるポイントです。

アルコール性肝障害の診断基準

お酒が肝臓に悪いことはよく知られていますが、
度が過ぎるとアルコール性肝障害という病気になります。
その診断基準ですが、
まずは過剰な飲酒を続けていることが前提です。
1日のアルコール摂取量の平均が60グラムを超えている場合、
それは過剰な摂取と考えられます。
女性の場合はもっと基準が厳しくて40グラム以上
ということになります。
いつも飲んでいるお酒の量に、度数をかければ
純アルコール何グラムを飲んでいるかわかりますよね。
次の基準として、禁酒をすれば
ガンマーGTPやAST、ALTが改善するような場合です。
これは明らかにお酒が原因となっていることを示します。
最後に、肝炎ウイルスマーカー、抗ミトコンドリア抗体、
抗核抗体がすべて陰性であることです。
これらが陽性であれば別の病気が疑われます。
肝炎ウイルスマーカーの場合は、
これはウイルス性の肝炎ということで
アルコール性ではないということになります。
抗ミトコンドリア抗体の場合は、
原発性胆汁性肝硬変という病気の可能性があります。
抗核抗体の場合は膠原病など自己免疫疾患の可能性があります。

薬剤性肝障害の症状と治療

肝臓は有害な物質を分解する場所ですので、
薬物に反応して障害が引き起こされてしまうことがあります。
薬剤性肝障害といいます。
これには二種類あります。
アレルギー性のものと中毒性のものですね。
そして薬剤性肝障害の多くの場合はアレルギー性だと言われています。
アレルギー性肝障害の方は、
人によってどんな成分に反応するかはまったく違いますので
一概にどんな薬が悪いとはいえません。
中毒性の方ですと、明らかに毒となるものを
摂取しているはずですのでわかりやすいです。
例としては除草剤などがあります。
症状としては、肝障害の場合の一般的な症状とかわりません。
ですので何も自覚症状がない場合があります。
血液検査でAST・ALTが高くなっていて気づいた
というケースも珍しくありません。
自覚症状が出る場合は、体がだるかったり熱が出たりと、
風邪と間違ってしまうようなことが多いです。
アレルギーにありがちな皮膚のかゆみとなって出ることもあります。
黄疸が出ることもありますがその場合はわかりやすいですね。
治療としては、原因となった薬の服用をやめることです。
そうすることで時間はかかりますが少しずつ
肝臓はもとに戻っていきます。
もちろん健康的な生活習慣を心がけるべきである
ことはいうまでもありません。
また、ある薬を飲んでアレルギーが起こったのであれば、
それは必ず記録しておいて二度と飲まないように
しなければなりません。
次にアレルギー性肝障害が起こったときは
もっと深刻な症状になってしまうことが多いからです。

B型肝炎の無症候性キャリアとセロコンバージョン

B型肝炎はウイルスに感染すれば必ず発症する
というものではなく、肝臓にウイルスが存在するのに
肝炎は発症していない「無症候性キャリア」
という状態の人も多いです。
幼少期に感染した場合はこうなるケースが多いようですが
全体としても、感染者の9割前後は
無症候性キャリアだと言われます。
この場合はいつ発症してもおかしくありませんので
肝臓に関する検査は定期的に受ける必要がありますし、
身近にいる人には予防接種を受けてもらう必要があります。
無症候性キャリアと言っても、
一度肝炎が発症した後にそうなることもあります。
一度発症し、体に抗体ができてウイルスを抑えこんだ形で
この状態を特にセロコンバージョンと呼びます。
もう症状は消えていますので
一見治癒したようにみえるのですが
この状態から再び慢性肝炎が発症することもあります。
ですので、発症前であれ後であれ、
無症候性キャリアの場合は、完全に治癒するまで
治療を続けるべきだということになります。

劇症肝炎の原因と症状

劇症肝炎というのは、肝炎の症状が劇的に進んでいく
というわけなのですが、これは肝臓の細胞が
急激に壊されていくことで引き起こされます。
原因となるのはウイルス性肝炎ですが、
ウイルス性の急性肝炎のうち1%未満なのですが
劇症肝炎に移行するケースがあります。
肝臓の細胞が死んでいくというわけで
「肝臓が溶けて小さくなっていく」と
表現されることもあります。怖いですね。
初期の症状としては黄疸が出てくることが顕著ですが
すぐに意識も正常ではなくなってきて
最終的には昏睡状態になり、死に至ります。
これは、肝臓の機能が失われて
アンモニアをはじめとする有害物質が分解されず
脳まで回ってしまうからだと考えられます。
10日以内に脳に障害が現れる急性型と、
11日以後に現れる亜急性型がありますが、
亜急性型のほうが死亡率が高いと言われ、
救命率は10%未満しかないそうです。
ですが最近は劇症肝炎を「予知」することも
十分できるようになっていて、
発症前から手を打つことで、100%救命に
成功している病院もあるそうです。
発症してからでは救命は困難ですので、
いかにはやく予知するかが生死を分けるとも言えそうです。

肝臓の再生メカニズムと成長ホルモン

肝臓は非常に再生力の高い器官として知られていますが
その再生メカニズムとしては2つのものが知られています。
一つは細胞が普通に増殖するというメカニズムです。
これは細胞分裂をするということですから
体じゅうで起こっていることなのですが、
肝臓の場合はそれが活発だというわけです。
その時に必要とされるのが成長ホルモンです。
成長ホルモンとは何も子供が成長するときのみに
必要とされるのではなく、大人になってからも
細胞分裂において必要とされるものです。
その成長ホルモンは主に睡眠中に分泌される
ということでしたね。
睡眠不足は脂肪肝・肝機能障害の原因?
またもうひとつのメカニズムとして、
肝細胞の増殖能力自体が傷つけられてしまった場合に
既存の肝細胞とは別に肝前駆細胞というものが
作られるというパターンがあります。
この肝前駆細胞が新しい肝細胞になるということですね。
こちらの場合だと、肝臓の中に特殊な細胞が現れ
それがFGF7というタンパク質を分泌することで
肝前駆細胞が作られるようです。

睡眠不足は脂肪肝・肝機能障害の原因?

睡眠不足が即肝臓病につながるわけではありませんが
肝臓にとって良くないことであることは確かです。
なので睡眠はしっかり取る必要があります。
単に横になってリラックスするだけでも
肝臓は血流量が増えることで元気になりますので
役立つことなんです。
ではどれくらいの睡眠時間が理想なのかというと
肝臓のためには7時間以上必要だと言われています。
これは睡眠中に分泌されるホルモンの影響です。
まず入眠から3時間くらいの間は成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンなんて大人には必要ないんじゃないの?
と思うかもしれませんが肝臓を含めて
細胞の修復には欠かせないものなんです。
この時間帯に肝細胞が再生すると言ってもいいでしょう。
その後、3~4時間かけて、今度はコルチゾールという
ホルモンが分泌されます。
これは脂肪の燃焼を促すホルモンです。
これによって睡眠中もエネルギーを得られるわけですが、
同時に肝臓についた脂肪も燃やしてくれます。
意外かもしれませんが、肝臓の脂肪は、
起きている間よりも睡眠中によく燃えるんです。
ですので脂肪肝の予防や改善にも
良い睡眠というのはとても大事なことなんですね。

ストレスは肝機能障害の原因?

ストレスは万病の元ともいいますが、
ストレスが原因で肝臓が悪くなったという人もいます。
いったいどんな因果関係があるのでしょうか?
一般的に、肝臓は副交感神経が優位の時に
働くと言われています。
気分的にリラックスしていると
肝臓も働きやすいということですね。
ところがストレスが続いて
精神が長期にわたり緊張状態におかれると
交感神経が優位な状態が続いてしまいます。
これによって肝臓の働きが弱くなってしまうと
考えられます。
さらに、ストレスが続くと、体内で活性酸素が
多量に生み出されることになります。
これは肝臓にかぎらず体を傷つけてしまいます。
また、ストレスが原因で食べ過ぎてしまう、
お酒を飲み過ぎてしまうということがあれば
これは確実に肝臓への負担になります。
ただでさえ、交感神経優位の状態で
働きが衰えているところに、大量のアルコールが
襲ってくれば肝臓が壊れてもおかしくないでしょう。
その上、ストレスが続くと
不眠症になってしまうかもしれません。
これももちろん肝臓のみならず
体全体を傷つけることになってしまいます。
そういうことが複合的に働いて、
ストレスが肝臓を壊してしまうということなのでしょう。

脂肪肝・肝機能障害と入浴

基本的には入浴は体に良いことなのですが、
肝臓に関しては気をつけるべき部分もあります。
まず、脂肪肝など、肝機能障害としては
それほど進行しているとはいえない状態の場合は
入浴は肝機能改善に効果を持つことでしょう。
入浴は血行をよくし、代謝を上げてくれますので
運動同様、脂肪燃焼に役立ってくれると
考えられるからです。
ただそれでも、熱すぎるお湯に長時間つかる
などということは、肝臓に関係なく
体への負担が大きいのでやめるべきでしょう。
肝機能障害がかなり進んでしまった場合は
入浴も気をつけなければなりません。
まず、熱いお風呂や長時間の入浴は避けるべきです。
それ自体、体への負担が大きいですし、
全身の血管が開くことで肝臓の血液が減少し
肝臓がエネルギー切れになってしまいます。
それがよくないというわけです。
また、同様の理由から運動直後の入浴もダメです。
運動で血行が良くなっているところへ
さらに入浴してしまうのは負担が大きすぎます。
食後すぐの入浴もお勧めできません。
食後は肝臓にとって忙しい時間ですので、
その上入浴で負担をかけるというのはよくないということです。
肝機能障害が進んでしまっている場合の入浴法としては、
ぬるめのお湯で半身浴をするというのがいいでしょう。
その辺は、自分の肝臓の状態に合わせるべきですので
お医者さんと相談して決めるといいと思います。

肝臓病に効く温泉~本当にいい?

温泉といえば昔から、病気を治すためにも
活用されてきました。だから肝臓病にも
いいのではないかと考えてしまいますが・・・
実は肝臓病は例外なのだそうです。
もちろん、軽い場合は大丈夫なのですけど
症状が進んでくると気をつけなければなりません。
なぜなら、熱い湯につかる、
または長時間お湯につかると、
全身の末梢血管が開いて血の巡りが良くなるからです。
このことは全身にとっては良いのですけど、
肝臓の血液は減ってしまうことを意味します。
それで肝臓は一時的にエネルギー不足になってしまう
ということなんです。
ですので、肝臓病で病院に行っている人であれば、
温泉旅行に行く前にお医者さんに相談するべきです。
そうすればどのように温泉を利用すれば
肝臓によいのか、アドバイスしてもらえることでしょう。
基本的には、温泉にっても入浴は1日1回にする、
また10分以上お湯につかったりしない、
ということになるようです。

肝臓病で激しい運動はダメ~AST・ALTを目安に

肝臓が病気ですと、安静にしなくてはならない
こともありますけど、多くの場合は
適度な運動が肝臓の健康の助けになるものです。
ただし激しい運動は避けなければなりません。
健康な人であっても激しい運動を習慣とするのは
避けるべきです。なぜなら体内で活性酸素が
大量発生してしまうからです。
ですので運動は「適度」が肝心ですね。
さて、AST・ALTの数値を目安にするということですが、
これらが100未満であれば心配いりません。
「適度」な運動であれば健康を増進します。
100以上になってきますと少し軽めにした方がいいでしょう。
でも安静にしなければならないというわけではありません。
200を超えてきますと安静にする必要があります。
運動は他の手段である程度肝臓の健康を取り戻してから、
ということになるでしょう。
適度な運動というのは有酸素運動、
つまり負荷が軽くて長く続けられるものがオススメです。
ウォーキングがその代表ですね。
これなら、一駅分歩くなど、
日常生活に取り入れることも容易です。
荷物はバッグよりも背中に背負える
リュックサックのようなもので持ち歩くのがオススメです。
これなら体が左右どちらかに歪むこともないですし、
腕も大きく振ることができてより効果的だからです。
食後すぐの運動は避けたほうがいいですね。
食後すぐは、肝臓もいろいろ仕事をしなければなりませんので
さらに運動の負担はかけないほうがよいでしょう。

肝臓は鉄の貯蔵庫なので鉄不足より過剰に注意

体内の鉄分は主に、
血漿→骨髄→赤血球→マクロファージ→血漿
という順番で体内をめぐり、肝臓はいざというときの
鉄の貯蔵庫という話でしたね。
肝臓の鉄代謝・貯蔵とヘプシジン
なので肝臓にはたくさんの鉄が蓄えられています。
体内に存在する鉄のなんと4分の1は肝臓に存在するそうです。
ちなみに7割程度は赤血球に組み込まれています。
そして意外にも鉄を排泄する仕組みは
私たちの体に備わっていないんです。
つまり基本的には体内の鉄はリサイクルされ続けているということです。
鉄が不足するのは出血した時など、特別な場合なんですね。
だから鉄が不足するというのは、
体がどんどん大きくなっている子供か、
あるいは生理で血液を失ってしまう女性ということが普通で、
成人男性の場合はめったに鉄不足ということにはなりません。
だから肝臓が弱ってヘプシジンが減ってしまって、
腸からの鉄の吸収が抑えられなくなると
鉄過剰の状態になって危険なのですね。

肝臓の鉄代謝・貯蔵とヘプシジン

肝臓は鉄分の貯蔵庫としても働いています。
私たちの体になぜ鉄が必要なのかというと
赤血球の素材となって酸素を運ぶ役割をするからです。
それで鉄分はどういう経路で体を巡っているのかといいますと、
まず外界からの摂取がありますよね。これは腸からの吸収ですが、
体内に十分な鉄分がある場合は吸収されません。
ここで鉄分の吸収を抑えるために働いているのが
肝臓で作られているヘプシジンというホルモンです。
だから通常は鉄過剰になることはほとんどありません。
次に体内での鉄分の動きですが、
血液の血漿の中にまず溶け込んでいます。
血漿というのは血液の血球など以外の液体の部分ですね。
この血漿中の鉄分を骨髄が取り込んで
赤血球を作ります。だから血漿から赤血球に鉄が移るわけです。
赤血球は約120日で寿命を終えますが、
寿命が来ると、体内のマクロファージという細胞に
食べられてしまいます。マクロファージというのは
体内の掃除屋さんと思っておけばいいでしょう。
ということで赤血球からマクロファージに鉄が移ります。
そしてマクロファージは血漿の中に鉄分を戻し、
その量を一定に保ちます。そして血漿中の鉄は骨髄に・・・・
つまり・・・
血漿→骨髄→赤血球→マクロファージ→血漿
という順番で鉄分は回っているわけです。
あれ? 肝臓は?
肝臓は鉄の貯蔵庫の役割を果たしていますので、
上記のサイクルで鉄が不足した時だけ、
肝臓から鉄分が放出されます。
それ以外ではヘプシジンを分泌することで
鉄のやりとりを抑制するという仕事をしています。

肝臓病と鉄分の過剰

健康のために鉄分が必要といわれますが、
鉄分は過剰ですと体にとって毒となります。
なぜなら、体内の活性酸素は鉄によって働きを強めるからです。
鉄が多すぎれば活性酸素も強くなりすぎて、
周りの細胞を傷つけ、がんのもとともなってしまいます。
そこで肝臓がどう関係しているかということですが・・・
実は肝臓が鉄過剰にならないよう、
鉄の吸収を調節してくれているということがわかっています。
体内に鉄分が十分あるという場合は、
肝臓からヘプシジンという物質が分泌され
これが鉄の吸収を阻害してくれます。
だから肝臓が元気であれば、鉄過剰にはなりにくいのです。
肝炎や肝硬変などで、肝臓の働きが失われてしまうと
この鉄吸収を抑制する働きも失われてしまいます。
鉄がどんどん吸収されるようになります。
そうなると、どこにたまってしまうのかというと
ほかならぬ肝臓にたまってしまうんです。
肝臓は私たちの体の中で最も多くの鉄を備蓄する器官だからです。
ということは、肝臓が弱ると鉄の吸収が増えてしまい、
その鉄は弱った肝臓にたまって追い打ちをかけることになります。
ですので肝臓が弱っている人は特に
鉄分を控えなければならないのです。
まだまだ肝臓が元気なうちは、
しじみは肝臓によいといえるのですけど、
弱ってしまった肝臓には、しじみのもつ鉄分は
毒になってしまうということですね。

大豆食品で肝機能改善

納豆や豆腐などの大豆食品が
健康に役立つことは知られていますが、
特に肝臓に対してはどんな効果を持つのでしょう。
まず大豆には大豆サポニンという物質が含まれています。
大豆サポニンは過酸化脂質の生成を
抑制する働きがあると言われています。
肝臓にも脂肪がついてしまうわけですが、
その脂肪が活性酸素と結びつくと過酸化脂質となり
延々と周りの肝細胞を傷つけることになります。
それを大豆サポニンがある程度防いでくれるというわけですね。
それから大豆には良質なタンパク質が含まれています。
タンパク質はアミノ酸となり、
肝細胞や肝臓で作られる酵素の素材となります。
つまり肝臓の再生には欠かせないものです。
また、大豆にはビタミンB2やEも豊富ですので
これらも肝臓のために役立ってくれます。
大豆を納豆という形で食べれば
ナットウキナーゼもとることができますが、
この物質には血液をサラサラにする作用や
コレステロール値を下げる作用もあると
言われています。
やはり大豆食品は肝臓にも良いというわけです。

セサミンの肝臓への効果

セサミンというとゴマに含まれている成分で
特に肝臓にとって有用なのではないかということで
有名になっています。
ではこのセサミンの、肝臓に期待できる効果としては
どんなものがあるのでしょうか?
まず、アルコールに関してですが、
セサミンにはアルコールの分解を促進する作用があります。
それからアルコールが分解されたあとにできる、
二日酔いの原因物質アセトアルデヒドを弱めることもできます。
これだけでも肝臓には役立ちそうですが、
さらに、セサミンには抗酸化作用があります。
抗酸化作用というのは、老化や病気の元凶である
活性酸素を除去する働きですね。
ですので肝臓にかぎらず、全身で役立ってくれるわけですが、
特に肝臓は御存知の通り極めて多くの仕事をこなしています。
ということは酸素もたくさん必要で、
副産物として活性酸素も生まれてしまいます。
活性酸素は放置しておくと、
肝臓の細胞をどんどん傷つけてしまいます。
ですのでセサミンの抗酸化作用は
この点でも肝臓を助けてくれると考えられます。

肝臓とたばこ~喫煙は肝機能に悪影響

たばこが健康に悪いことはもうだれでも
わかっていることです。
では、タバコと肝臓の関係はいかなるものなのでしょうか?
まず、喫煙によって肝臓がんのリスクが高まることは
わかっています。ただそのメカニズムは
まだはっきりしないようです。
まず考えられるのは、煙草にもアセトアルデヒドが
ふくまれているということですね。
アルコールが分解されてできるあれです。
二日酔いのもととなる物質。
お酒の場合はアルコールによって
気持ちよくなる段階もあるのですが
タバコの場合はいきなりアセトアルデヒドという不快物質です。
それ以外にもたばこには有害物質がたくさん含まれます。
そしてそれらを体内で分解してくれるのは・・・
結局肝臓です。ということで煙草は肝臓に負担をかける
というのは自明のことかもしれません。
もう一つ、間接的に負担をかけることもあります。
それはタバコを吸うと飲酒量も増えてしまうということです。
タバコに含まれるニコチンのせいで、
脳が鈍くなってしまって、より多くのアルコールを
欲するようになるといいます。
それでお酒の量も増えてしまって
肝臓の負担が更に増えるということですね。
いずれにしても、お酒と違って
タバコにはメリットが何もありませんので
やめてしまうことを強くおすすめします。

休肝日は必要か?その取り方は?

肝臓の元気をとりもどすためには
休肝日は必要と言われますけど、
つまるところ摂取アルコールの総量が問題なのだという
考え方からすれば、休肝日は特に必要ないという
結論が出てきてもおかしくありません。
にも関わらず休肝日は必要だという意見が強いのはなぜでしょう?
一つの考えとしては、1日に飲むお酒の量が
把握しにくいから、ということが挙げられます。
自分では量を控えているつもりでも
実は思ったより飲んでいることが多いというわけです。
酔ってくればなおさらそういうことが起こりやすいです。
それに対して休肝日を設ければ、
その日はアルコールを一滴も飲まないわけですから、
1週間あたりの摂取量が減ることにつながりやすいです。
もちろん、休肝日に飲まなかったぶんを
とりもどす勢いで暴飲していては意味がありませんが。
また、2日連続で休肝日を設ける場合、
これがアルコール依存症かどうかの判断材料になるようです。
依存症の場合、2日連続で飲まないと
禁断症状が出てつらい思いをするといいます。
2日間をまずまず楽に乗りきれるなら
依存症の心配はないということです。
ということで最低でも週に2日の休肝日は取りたいところですね。
できれば1日飲んで2日休む、というサイクルにしたいですけど。

ちゃんぽんすると二日酔いになりやすい?

二日酔いになるというのは、
肝臓の処理が間に合わず、アセトアルデヒドが
翌日にも残ってしまっているということなんですが
これはちゃんぽんと何か関係があるのでしょうか?
ちゃんぽんというのは、ここではあの麺類のことではなく
いろいろな種類のお酒を飲んでしまうということです。
いろいろな種類のお酒を飲むことで、
何か良からぬ反応を起こして、肝臓に余計な負担を
かけてしまうのでしょうか?
ところがこれは、別に何か反応を起こすわけではないようです。
アルコールはアルコールで、どのお酒も同じです。
ではなぜちゃんぽんすると二日酔いになりやすいのかというと
それはどれだけ飲んだかわからなくなることが多いからです。
ビールだけ飲んでいれば「中ビン一本飲んだのか」なんて
カウントもできますけど、次に日本酒を飲んでしまうと、
また新鮮な気持ちで(!)一杯目から飲み始めてしまいます。
さらにワインを飲んだりウイスキーを飲んだりということをすると
もうどれだけ大量にアルコールを飲んでいるのか
自分で意識できなくなってしまいます。
そのせいでついつい飲み過ぎてしまって
二日酔いになりやすいというわけです。
その結果、肝臓にも大きな負担をかけてしまうということです。

肝臓病と塩分制限

塩分の取り過ぎは肝臓だけでなく
健康を考えるなら当然気をつけなければならないことですが
肝臓の病気にも悪影響をおよぼすことがあります。
特に肝硬変や肝臓がんなど、
肝機能障害の程度が甚だしい場合は
アルブミンの生成が非常に減ってしまいます。
アルブミンはタンパク質なのですが、
血液と細胞との間の水分のやりとりに関係しているので
これが不足するとその水分のやりとりが
うまくいかなくなります。
その結果、腹水とかむくみという症状が出てくるわけです。
そんな時に塩分を取りすぎてしまうと、
体は塩分濃度を下げようとして、外部から水分も
多量に吸収することになります。
それで体内の水分量も増えてしまって
腹水やむくみが悪化するということになってしまいます。
ですので肝硬変などの時は塩分の摂取制限がかかるのです。
塩分をたくさんとってしまったかな?
というときにはカリウムを摂取すれば
塩分の排出に役立ってくれます。
バナナやトマトジュースはカリウムを摂るには
お手軽な食品ですね。

肝臓の糖新生とグルカゴン

肝臓は糖新生という働きによって、
糖質以外の物質からブドウ糖を作り出せるということでしたが、
糖新生を起こすべく肝臓に情報を伝達しているのが
グルカゴンというホルモンです。
これはインスリンと逆の働きをするホルモンと
考えておけばよさそうです。
インスリンはご存知のように、
血糖値が上がった時にそれを下げる役割をしますが、
グルカゴンは血糖値が下がった時に
これを上げる役割を果たします。
どちらも膵臓から分泌されています。
グルカゴンが分泌されると肝臓は
「ブドウ糖が不足している、これは大変」
ということで糖新生の仕事にとりかかるわけです。
また、肝臓だけでなく、全身の脂肪細胞の分解も進み
遊離脂肪酸として血液中に放出されます。
この遊離脂肪酸も肝臓に送られてそこで活用されます。

肝臓の糖新生と脂肪肝

消化されて体内に吸収された糖質は
私たちの体のエネルギー源となるのですが
一部は肝臓にグリコーゲンという形になって
蓄えられます。
体はそれをエネルギー源として活動できるわけですが
それがなくなってしまった場合はどうするのでしょう?
ガス欠になった自動車のように止まってしまうのでは困りますが、
ここでも肝臓が働いてくれます。
糖新生という働きによって、糖質以外のものから
ブドウ糖を作り出し、体にエネルギー源を供給するのです。
なんだか魔法みたいですよね。
例えばよくある糖新生としては、脂肪からブドウ糖を作る
というものです。ダイエットを考える人にとっては
是非とも進めていきたい糖新生だと思います。
脂肪肝の改善にもなりますね。
脂肪が分解されるとグリセリン(グリセロール)ができますが
肝臓はこのグリセリンを原料にしてブドウ糖を作ります。
また、ブドウ糖代謝の過程で作られる乳酸も、
糖新生によってブドウ糖に変えられます。無駄がなくていいですね。
あまりおこってもらうと困るのは、
アミノ酸を原料にした糖新生です。
食糧不足や過度な食事制限によっておこることですが、
糖質どころか脂質すら足りなくなってしまって、
筋肉をアミノ酸に分解してそれからブドウ糖を作るわけです。
これが続くと筋肉がやせ細っていくことになります。

糖質制限と肝臓への負担

炭水化物などの糖質を取りすぎてしまうと、
余分な糖質は結局脂肪となって蓄えられてしまいますので
脂肪肝や肥満、メタボリックシンドロームの元になって
よくありません。
ということで糖質のとりすぎには注意しなければならないのですが、
減らしてしまうとこれまた肝臓への負担になるのではないか
という人もいます。
糖質が減ると、肝臓は糖新生をしなければならないので
仕事が増えてしまうというわけですね。
ですがこれはあまり心配しなくて良いようです。
なぜなら糖新生というのは特に異常事態でもなく、
肝臓にとっては普通の機能なので
逆に肝臓が活性化するというのです。
なぜそんなことが言えるのかというと、
人類数百万年の歴史で、コメや小麦など
炭水化物を大量にとるようになったのは
ほんの最近のことだからというわけです。
むしろ私たちの肝臓は糖質制限状態で数百万年過ごしてきたので
その状態のほうが普通だということですね。
砂糖など甘いモノがよく食べられるようになったのは
さらに最近のことです。
ですので糖質制限による肝臓への心配をするよりも
とりすぎによる肝臓や膵臓への負担を
心配するべきたということになります。

肝臓病と便の色

肝臓の病気は、便の色の異変となって表れることもあります。
例えば便が白っぽくなることがありますが、
これは脂肪がうまく消化できていないのが
原因になっている可能性があります。
肝臓では胆汁が作られて、
それが脂肪の分解を助けているのですけど、
肝臓が悪くなったり胆管が詰まったりすると
この胆汁が分泌されなくなって
脂肪がうまく消化できなくなります。
その結果、便が白っぽくなったり
トイレの水に油が浮いたりするわけです。
また便に血が混じったり、
そのせいで便が黒っぽくなったりすることもあります。
こちらのほうが重症かもしれません。
これは肝硬変や肝臓がんの時に見られる症状です。
これらの肝臓病の時には肝臓の血流が悪くなっているせいで
消化器官周辺の静脈に行き場のない血液が殺到します。
それで静脈瘤ができてしまって、
その後それが破裂すると便に血液が交じるというわけです。
逆に吐血してしまうということもあります。

肝臓病と便秘

肝臓が悪いせいで、便に血液が混じって黒くなったり、
あるいは油が消化できなくてトイレの水に浮いていたり
ということはありますけど、便秘になる、
ということはないようです。
ただ、便秘のせいで肝臓に負担をかけることはありえますし、
肝機能障害の状態の時に便秘になると
普通よりも体への悪影響が大きいということもありえます。
なぜなら便秘になると腸の中で悪玉菌が増え
その悪玉菌は有害な物質を増やしてしまうからです。
また、アンモニアも発生します。
そういうものが腸から吸収されれば、
肝臓は有害物質の分解のために働かなくてはならないので
負担が増えることになります。
また、肝機能が弱っている時、
例えば肝硬変などの時に起こることですが
アンモニアなど有害物質を分解できなくなっていて
それが脳に達して肝性脳症を引き起こす
ということも知られています。
ですので、腸をきれいにするというのは
基本的なことですが日頃から気をつけておきたいものです。

肝臓と食物繊維~脂肪肝改善だけじゃなかった

食物繊維といいますと
脂肪吸収を穏やかにするということで
脂肪肝の予防や改善にも役立つわけですが
肝臓との関係で言うとそれだけではないんです。
食物繊維には、腸をきれいにするという役割もあります。
便秘の中で腸が汚れていますと、悪玉菌が増えて
有害な物質をどんどん生み出します。
それが腸から吸収されて、そのまま体をめぐっては
大変ですので、その有害物質を分解しないといけないのですが
その役割を担うのが・・・肝臓なんですよね。
なので、腸が汚れると肝臓の負担が増すということになります。
食物繊維を積極的に取れば腸をきれいにすることにも
つながりますので、肝臓の負担を減らすことができます。
脂肪吸収の抑制と合わせて一石二鳥です。
さらに、水溶性食物繊維には
コレステロールを下げてくれる働きもありますので
動脈硬化などの予防にもつながります。
食物繊維の豊富な食品というと豆類がありますね。
特に大豆には良質なタンパク質やアミノ酸、
またビタミン類が豊富に含まれていて、その意味でも
肝臓の役に立ってくれます。
大豆食品の中でも納豆は血液をサラサラにしてくれる
ともいわれていますので、毎日食べるようにしたいです。

肝臓のビタミン貯蔵

肝臓にはビタミンを貯蔵するという役割もあります。
ホント、働き者ですよね・・・。
なので肝臓が病気になるとビタミン不足にもなりがちです。
肝臓に貯蔵されるビタミンは脂溶性のものですが
A、D、E、Kがあります。
ですのでこれらのビタミンは、
過剰摂取による弊害=ビタミン過剰症の
心配もしなければなりません。
ただこの中でもビタミンEはそれほど心配ないようです。
ビタミンAなどは、体に存在するもののうち
8割が肝臓に蓄えられているそうですが、
ビタミンEの場合は全身にまんべんなく分散されているようです。
なので過剰でも肝臓に負担をかける割合は減ります。
また、ビタミンEは、たくさん取れば取るほど
吸収率が悪くなるようです。
ですので過剰にとるのが難しいビタミンなんですね。
また、ビタミンEは脂溶性である割には
働きが終わった後、排泄されやすいそうです。

肝臓がんとビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があり、
血流を良くする作用もあると言われています。
また、動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
それに加えて、近年、肝臓がんとビタミンEに関する
研究も発表されました。
中国の上海交通大学医学部がアメリカの医学誌に
発表した研究結果なのですが、
13万人を超えるデータを用いて
女性は平均10年以上、男性は平均5年以上の
追跡調査を行った結果です。
それによりますと、ビオタミンEの摂取によって
肝臓がんのリスクがなんと48%も下がっていたそうです。
なので肝臓を守るためにもビタミンEは
積極的に摂取していきたいものですね。
ビタミンEは脂溶性なのですが、
Aなどのように過剰症にはなりにくいと言われていますので
そこはあまり心配しなくてもよさそうです。
ビタミンEを多く含む食品として大豆がありますが
大豆食品はタンパク源としても優秀で、
脂肪肝予防にも役立つと言われるスレオニン、
コレステロール排泄を促すグリシニンも
含まれていますので、肝臓に良い食べ物と言えそうですね。

肝臓に良いビタミンとは

肝臓によいビタミンの代表はやはり
ビタミンB群ということになりそうです。
肝臓では糖質・脂質・タンパク質などの代謝が行われますし
有害な物質の分解も行われます。
これらはすべて化学反応なのですが
化学反応には酵素が必要です。
そして酵素が働くためには酵素を助ける補酵素が
必要なのですが、その補酵素の代表とも言えるのが
ビタミンB群だからです。
ビタミンB群なくして肝臓は機能できないと言ってもいいでしょう。
ビタミンB群を摂取するには魚介類がオススメです。
それからビタミンAやEも大事です。
これらは抗酸化力もあり、免疫力を高めると
言われているからです。
肝臓がんの予防にも役立つでしょう。
そして万能のビタミンとも言われるビタミンCですね。
これにも抗酸化作用がありますし、
また細胞や粘膜を守る働きもありますので
肝細胞を守っていく上でも必須と言えそうです。
まとめてビタミンACE(エース)と言ってもよさそうですが
これらは緑黄色野菜や果物からとるといいでしょう。
特に色の濃い野菜やフルーツはポリフェノールも豊富ですので
これまた病気の予防につながります。

肝臓に良い食事レシピの共通点

肝臓に良い食事のレシピはいろいろありますけど
その共通点を挙げてみたいと思います。
まずはやはり脂肪に気を使っていることですね。
もちろん脂肪も大事な栄養素ですが、
現代人は取りすぎる傾向にあります。
脂肪の代謝自体、肝臓にとっては一仕事ですし、
カロリーも高いですので脂肪肝のもとにもなります。
なので、脂肪をなるべく減らす方向で
食べ物を選ぶことになります。
料理法としても油を使わない、「焼く」「蒸す」「ゆでる」
という方法が多くなります。
また脂肪を使うとしても以前紹介したように
飽和脂肪酸ではなく不飽和脂肪酸、
中でも魚油に代表されるオメガ3や
オリーブ油に代表されるオメガ9の
油を使っていくことになります。
また、塩分が多いのも肝臓には良くないですので、
スパイスで味を補うなどの工夫がなされます。
それから食物繊維は、腸をきれいにすることと
脂肪の吸収を穏やかにすることなど、
いろいろな意味で肝臓の助けになりますので
これも積極的に取り入れていきます。
タンパク質は良質なものを、
植物性も動物性もバランスよく取っていきます。
タンパク質はアミノ酸に分解されますが、
肝細胞の再生にも、肝臓ではたらく酵素の生成にも
アミノ酸は不可欠です。
動物性のタンパク質は魚からとるようにすれば
自ずと脂肪もオメガ3系が増えることになりますね。
また、肝臓の働きにはビタミンも大事ですので
生の野菜やフルーツをしっかり食べるようにします。
食物繊維も同時に取れますね。

過酸化脂質と肝臓の病気

脂肪は多すぎると体にいろいろな害を与えるわけですけど
過酸化脂質という形が最も危険だと考えられます。
過酸化脂質というのは、脂質と活性酸素が結びついたものです。
活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけ、老化や病気の
原因になると言われていますが、それでも
長くは存在していられないものです。
ところが脂質と結びついて過酸化脂質という形になると
延々と周りの細胞を傷つけ続けることになります。
それで、がんや動脈硬化の原因になるわけです。
この過酸化脂質を分解してくれるのは
体内では肝臓だけなんです。
ですので、古くなった油はなるべく取らないほうが
肝臓の負担を軽くすることにつながります。
また、過酸化脂質が多すぎて、
肝臓が処理しきれないレベルになってしまうと
今度は肝臓自体が過酸化脂質に
傷つけられてしまう可能性が出てきます。
ですのでやはり、脂質の取り扱いには
十分注意する必要がありますね。
過酸化脂質に対してはビタミンCが
その害をよく防いでくれるということですので
積極的に取っていきたいです。

不飽和脂肪酸と肝臓がん

脂肪肝予防のためには、脂肪のとりすぎに注意
しなければならないのですけど、同じ脂肪でも
悪玉コレステロールや中性脂肪を増やしてしまう脂肪と
減らしてくれる脂肪とがあります。
増やしてしまう方は飽和脂肪酸と呼ばれ、
主に肉に含まれているものです。
減らしてくれるものは不飽和脂肪酸と言われ、
EPA・DHAなどの魚油や、オリーブオイルなどに
含まれています。
ですので肝臓の健康を考えるなら、
同じ油でも不飽和脂肪酸の方をとるようにするといいですね。
さて、数年前の研究で、不飽和脂肪酸は
肝臓がんのリスクを減らすという研究結果も出ています。
これは不飽和脂肪酸の中でも魚油などに
多く含まれるオメガ3の脂肪酸についての研究です。
同じ不飽和脂肪酸でも、オメガ6のものは
多く取りすぎる傾向にありますので、
避けたほうがよいと言われています。
オリーブオイルはオメガ9の不飽和脂肪酸が含まれていて
これもがん予防に役立つのではないかと考えられています。
ですのでそういう油を積極的に使っていきたいですね。
その研究では、なぜ不飽和脂肪酸が
肝臓がんのリスクを減らすかに関する推測も
発表されています。
不飽和脂肪酸には細胞の炎症を抑える働きと、
インシュリン抵抗性を改善する働きが
あるからではないかと言われています。
インシュリン抵抗性を改善するということは
糖尿病予防にも役立ちそうだということになりますね。

肝機能改善にタウリン

タウリンといいますと健康に役立つ栄養素として有名です。
アミノ酸であるとも、いやアミノ酸ではないとも
言われますが、それは私たちにはどうでもいいことです。
体に良いということが大事です。
私たちの体のいろいろな部分に存在していて、
生きていく上で欠かすことのできない物質とも言われます。
ここでは肝臓に対する働きを見てみましょう。
まず、肝細胞を保護する働きがあると言われています。
肝臓に負担がかかると、それによって肝細胞が壊れ、
血液検査での数値が上がったりするのですが
それを防いでくれるということです。
また、胆汁の分泌を促進して、
余分なコレステロールを体外に排出してくれるともいいます。
また、お酒を飲む人にとって大事なことですが、
二日酔いの元になるアセトアルデヒドの分解を
助けてくれるとも言われています。
そして、老化や病気の元凶として有名な
活性酸素の除去にも役立ってくれるとも言われています。
ということでタウリンは積極的に取り入れていきたいですが
特にタウリンが豊富なものとしては
しじみやかき、たこやイカなどが有名ですね。
これらは良質のタンパク質も含み、
アミノ酸の摂取にも役立ちますので
肝臓によい食材と言えそうです。

肝臓に良い食事~アミノ酸

肝臓はダメージを受けても再生する力があります。
その際はもちろん肝細胞を作り出すわけですが、
そのための素材として必要なのがアミノ酸です。
AST・ALTやガンマGTPなど、
肝臓関係の数値で悪い結果が出ている人は
それだけ肝細胞が壊れているわけですから、
修復のためにアミノ酸が必要ということになります。
また、肝臓では体に必要な様々な酵素も作られていますが
その材料になっているのもアミノ酸です。
そしてこのアミノ酸、バランスよく取らなければ
意味がありません。一種類だけたくさんとっても、
働きとしては少ししか取らなかった
アミノ酸のレベルに合わされてしまうということです。
例えばAというアミノ酸を必要量に対して120%の量を
摂取したとしても、Bというアミノ酸を20%しかとっていないなら
その20%レベルの働きしかしてくれないということです。
ですのでアミノ酸は必要な物をまんべんなく
とらなければなりません。
アミノ酸のもとといえばタンパク質ですが、
健康に良さそうだからといって、
植物性たんぱく質ばかりとるのはダメで
動物性たんぱく質もバランスよく
とらなくてはなりません。
そうすることで、肝臓のためにも
効率よく働いてくれることでしょう。

肝臓のバーンアウトとは

バーンアウトというのは「燃え尽きる」
という意味ですが、肝臓が燃え尽きるというのは
いったいどういうことなんでしょう?
これは脂肪肝と関係があるようです。
脂肪肝というと、肝細胞の中に脂肪が溜まりすぎて
しまっている状態です。
さて、この脂肪がたまるということ自体、
過酸化脂質などを考えると有害なのですが、
バーンアウトという減少はそれとは別に起きます。
細胞の中でエネルギーを生み出しているのは
ミトコンドリアという部分ですけど、
細胞内で脂肪が増えることで、
ミトコンドリアはその脂肪を消費して
暴走し始めてしまうんです。
そして暴走の果てに疲れ果てたミトコンドリアは
死んでしまいます。細胞内でエネルギーを生み出す
部分が死んでしまうということは
細胞が死んでしまうことを意味します。
これが肝臓のバーンアウトですね。
肝細胞が死んでしまうと、
そこは何で埋められるのかというと、
肝臓が元気なうちは別の肝細胞で埋められるのですが
バーンアウトが進みすぎてしまうとそれが間に合わず、
コラーゲン組織でうめられることになります。
これが肝臓の線維化ですが、
線維化が進みすぎて、もとに戻れなくなった状態を
肝硬変といいます。こうなるともう手遅れです。

脂肪肝と摂取カロリーの計算

肝臓に脂肪がつくことを防ぐには、
脂肪を取らなければいいんだろうと考える人も
いるかもしれませんが、結局は、
摂取カロリーで左右されてしまいます。
カロリーの適正量を守らなければ
余った分は脂肪として蓄えられてしまうからです。
特に糖質と脂質ですね。
アルコールも脂肪を増やすもとです。
そして困ったことに、男性の場合は皮下脂肪より先に
内臓脂肪のほうが増えてしまいがちです。
さて、カロリーの適正量を知る方法として
標準体重から簡単に計算する方法があります。
まず標準体重は、(身長cm-100)×0.95で計算します。
そしてその標準体重に25~30の数字をかけたものが
カロリーの適正摂取量ということになります。
25~30というのは、日ごろあまり動かない人は25で、
仕事で結構動き回る人は30で計算するという感じです。
たとえば、身長170センチの人の場合、
上記の計算方法だと(170-100)×0.95=66.5kgが
標準体重ということになります。
今人がごく普通に仕事をしているとして、
カロリーの適正摂取量を計算すると、
66.5×28=1862キロカロリーとなります。

肝臓病の時、仕事はどうする?

肝臓の病気は治らない
というイメージがあるかもしれませんが、
実はそれは昔の話で現在は医学の発達で
治ることのほうが多いです。
特に肝硬変まで進まなければ、
十分治すことができるといえるでしょう。
しかしそのためには、
規則正しい生活を続けることが必要なのはいうまでもなく、
症状が重い場合は仕事の量も減らさなければなりません。
AST・ALTの数値を基準にした
だいたいの仕事量の目安というものがあります。
例えばこれらの数値が50未満であれば
普通に働いても問題ありません。
しかし50を超えてくると、
残業は勧められない、ということになります。
定時で帰って体の疲れをとるようにしなければなりません。
100を超えてきますと、普通に働くこともできません。
せいぜい1日4時間前後の労働時間にしなければなりません。
そうしないと肝臓の病気が悪化する恐れがあります。
そして数値が200を超えてしまったら、
仕事をしている場合ではありません。
肝臓が良くなるまで、安静にしていなければなりません。
もちろん運動も禁止です。
つまり、早いうちに気づいて生活を改めれば、
日常生活に支障が出ない範囲で
治療していくことができるということですね。

手の震えの原因は肝臓がん?

もちろん手の震えの原因はたくさんあるわけですけど、
その原因の一つとして、肝臓がんか肝硬変など
肝臓の病気もありうるということです。
肝機能障害によって、なぜそんな症状が
出てくるのかといいますと、
肝臓がカルシウムの代謝に関係しているからです。
肝臓はビタミンDを活性化するのですが、
肝臓がんや肝硬変によってその機能が失われると
ビタミンDが不足するようになります。
それによって、カルシウムの吸収も悪くなり、
体内でカルシウムも不足するようになります。
カルシウムは骨を作るだけでなく
筋肉の動きにも関わっていますので、
カルシウム不足により筋肉がうまく動かせなくなって
手の震えが起こるというわけです。
同様の理由からこむら返りが頻発するようにもなります。
単なる手の震えでも、実はとんでもない病気が
隠れていることがあるというわけですね。

食道静脈瘤・胃静脈瘤の原因は肝硬変?

これは酷い例ですが、肝硬変の症状として
大量に吐血したり血便が出たりということがあります。
これは食道静脈瘤や胃静脈瘤が破裂してしまったことが原因です。
ではなぜ肝硬変でそんな場所に
静脈瘤ができるのかということですね。
肝硬変というのは肝細胞が死んで、
そこが線維組織に置き換わってしまうということが
非常に広範囲で起こっている状態です。
それで肝臓が硬く萎縮してしまうというわけですが、
そのため血流も悪くなっています。
なので本来なら門脈から肝臓に入る血液が、
肝臓に入れないため消化器官に存在する静脈に
むりやり押し込まれることになります。
それで静脈が圧迫され続けると
静脈に瘤ができるというわけです。
しかもそれが破裂して吐血までするということは
非常に危険な状態だといえます。
すぐに病院に行かなければなりません。

青あざ・内出血・鼻血と肝臓がん

とくに肝臓がんに限るわけではありませんが、
ウイルスが原因となる肝臓の病気の場合、
青あざができやすくなったり、
鼻血や歯茎からの出血が起こりやすくなったり
という症状が出てきます。
これは、血液を固めるために働いている
血小板の数が減ってしまうことが原因です。
そのせいで出血しやすくなるわけです。
では肝臓が悪いとなぜ血小板が減ってしまうのでしょう?
血小板は骨髄で作られますので、
上記のような症状の場合まずは
白血病など骨髄の病気が疑われます。
では肝臓はどう関係しているのかというと、
まず、肝臓で、血小板生成に必要な
物質が作られています。
肝機能が衰えればこれが不足して
血小板の生成も進まなくなってしまうということです。
もう一つの理由として、肝硬変や肝臓がんなどで
肝臓の血流が悪くなりますと、
近くにある脾臓の血圧が高くなって腫れてしまいます。
そしてこの脾臓は血小板を破壊する働きがあるのですが、
腫れてしまうことで暴走して、必要以上に
血小板を破壊してしまうんです。
それで血小板が減りすぎてしまって、
出血しやすくなってしまうというわけです。
ということで、血小板数というのも
肝機能を調べるための数値として大事なんですね。

女性化乳房(にゅうぼう)の原因は肝硬変?

女性で胸が膨らむというのは自然なことですけど、
男性なのに女性のように胸が膨らんでしまうことがあります。
これを女性化乳房といいます。
その原因はいろいろあるのですが、
怖いのは、原因の一つとして肝硬変があることです。
男性の体においても女性ホルモンは生成されているのですが、
普通これは肝臓で分解されてしまいます。
ところが肝硬変によって肝臓の機能が失われると
女性ホルモンを分解できなくなってしまいます。
それで乳腺が発達してしまって
女性化乳房となってしまうということなんです。
ただ、女性化乳房だからといって
必ずしも肝硬変だとは限りません。
たとえば、肝臓の心配をする年代の男性であれば、
更年期によるホルモンバランスの乱れによっても
引き起こされることがあります。
また薄毛の治療薬などは、男性ホルモンをおさえる
働きをするものもありますので、
そういうものを飲んでいる人に
この症状が出ることもあります。
一般の人にはほとんどないこととして、
ドーピングによって引き起こされることもあります。
また、偽性女性化乳房というものもあります。
これは乳腺が発達するのではなく、
単に脂肪がたまっているだけの状態で
要するに肥満ということです。
以上のように原因はいろいろですので
肝硬変と即断することはできません。

手掌紅斑の原因は肝硬変?

手掌紅斑というのは名前のとおり、
手のひらに紅い斑ができるという症状です。
特に親指の付け根などの膨らんだ部分にできやすいですね。
これもおさえると消えますけど
手を離せばもとに戻ります。
原因としては肝硬変のことが多いようです。
ただ、これだけで肝硬変と決めることはできませんので
いろいろな検査をする必要があります。
手掌紅斑ができるメカニズムは
クモ状血管腫と同じです。
つまり、肝硬変によって肝機能が失われてくると
ホルモンのバランスが崩れてしまいます。
それによって手のひらの毛細血管が異常に拡張し、
紅斑となって現れるというわけです。
白目の部分や肌が黄色くなった、
そして手のひらは赤くなった、
ということでしたら、肝臓の病気がかなり進んでいる
ということですので一刻も早く
何か手を打つ必要があります。

クモ状血管腫の原因は肝硬変?

クモ状血管腫というのも、肝臓の病気の際の
自覚症状として現れることがあります。
原因としては肝硬変ということも多いですが
急性肝炎など、それほど症状が進んでいない場合でも
出ることがありますので、これが出たからといって
絶望的になることはありません。
顔に出たり、胸に出たりということが多いです。
見た目としては、蜘蛛が脚を広げているようにみえる
ということでこの名がついています。
また真ん中辺りが脈を打っていることがあり
ここをおさえると血管腫が消えてしまう
こともありますが、離せばもとに戻ります。
なぜこんなものが出てくるのかというと、
上記の病気によって、肝臓の機能が衰えることで
ホルモンのバランスが崩れてしまうからです。
それによって、毛細血管が部分的に
異常に拡張してしまって、クモ状血管腫となる
というわけなんです。
見た目からして不気味ですので、
これを見つけると怖くなってしまいますけどね・・・。

腹水の原因は肝臓がん?肝硬変?

あまり自覚症状のでないと言われる肝臓の病気ですが、
腹水という形で出てくることがあります。
この場合は、肝臓がんという可能性もありますが、
肝硬変や慢性肝炎であっても腹水がたまる場合があります。
自覚症状、自分でわかる体の異変としては、
おなかが張ってくるというのがあります。
ただ、肝臓が悪いため、おなかは出てきたのに
おなかより上は痩せてきた、という変化も見られます。
また、お腹がはることで青筋が見えるようになることもあります。
それから体内に水分がとどまるということで
尿の量が減るということもあります。
おなかだけでなく脚にも水がたまりますので
足がむくむという症状も出てきます。
脚をおさえるとへこむけど、それがなかなかもとに戻らない、
という異変も見られます。
なぜこんなことが起きるのかというと、
上記の病気によって肝機能が衰えると
タンパク質であるアルブミンの生成が不足するからです。
アルブミンは浸透圧に関わり、
体内の水分のやりとりを調節する役割があるので
それが不足すると水分調節がうまく行かなくなり
腹水がたまってしまうということなんです。
どうあれ、腹水がたまる状態というのは
肝臓の病気としてはかなり進行した状態と
考えてよさそうです。

黄疸の原因とビリルビン

黄疸は肝臓または胆管の病気に特徴的な症状ですので
これがでた場合はもう肝臓が悪いとほぼ断定できます。
例外的に体質的黄疸といって、肝臓由来でない黄疸が
出ることもあるのですが、これは急に出てくるものでもないので
区別しやすいことと思います。
さて、肝臓や胆管が悪いと黄疸が出るのはなぜかといいますと、
これはビリルビンという物質が原因になっています。
ビリルビンというのは黄色い色素なのですけど、
赤血球が寿命を終えて、分解された時に生じるものです。
このビリルビンは血液に乗って肝臓まで運ばれ、
肝臓で処理されて胆汁に混ざって排出される
というのが健康な場合のパターンです。
ところが胆管が詰まったり、
肝臓に障害が起こったりして胆汁が流れなくなると、
血液中のビリルビンは回収されないということに
なってしまいます。
ビリルビンが血液中で増えていく結果となりますが、
黄色い色素ですので、これが増えれば
まず目の白い部分が黄色くなり、
それから肌が黄色くなってくるというわけです。
つまり黄疸となって出てくるということですね。

尿が紅茶色~急性肝炎の自覚症状

急性肝炎といいますと、肝臓病の始まりのようなものですが、
肝臓自体は痛みを感じる神経を持っておらず
自覚症状が出にくいものとなっています。
自覚症状と言っても例えば、
体がだるいとか疲れが抜けないとか、
食欲がなくなったとか高熱が出たとか・・・
つまり風邪と間違えてしまうようなものがほとんどです。
わかりやすいものといえば目や肌に現れる黄疸ですが、
本格的な黄疸が出てくる前におしっこに異変が現れます。
朝起きた時におしっこをしてみて、
それが紅茶色になっていたら、急性肝炎かもしれません。
尿が紅茶色になった数日後に、
本格的な黄疸が出てくることが多いです。
なので上述した風邪のような症状に加えて
尿に異変が現れたら肝臓を疑うべきですね。
ただ、風邪のような症状の段階で
病院に行ってみるのがいちばんなのですけど。
この段階ではお医者さんも風邪と間違えるかもしれませんが・・・

肝硬変の自覚症状

肝臓の病気はとかく自覚症状がなくて気づきにくいもので、
ひどい症状がでた時にはもう病気がかなり進行している
ということが多いです。
また、自覚症状があったとしても風邪などの軽いものと
間違えられることがあります。
ということで注意してみていかなければなりません。
では肝硬変の自覚症状ですが、お酒が好きだったのに
お酒が飲みたくないと感じるようになる、
というのがあります。
これは肝臓の働きが悪くなることで
自然にそういう反応になってしまうんですね。
同様に食欲がなくなって痩せてしまうということもありますが
これは何も肝臓に限らないことですね。
また、痔になってしまうということもあります。
これは肝硬変によって静脈の血行障害が
引き起こされることがあるからです。
また、よくある症状として体がだるい、
いつも疲れている気がする、ということもあります。
夜眠れないという症状が出ることがありますが、
これは肝硬変によって引き起こされた
肝性脳症が原因になっていることがあります。
以上のようなことがいくつか重なるようなら、
すぐに病院に行って検査してもらったほうがいいです。

肝生検の方法と痛み

肝生検というのは肝臓の一部を採取して
細胞を調べる方法で、外に取り出して直接見るわけですから
肝臓について最も詳しく調べることができる精密検査です。
しかし、体への負担が大きいので、
最近は画像検査が増えて肝生検は減る傾向にあります。
具体的な方法ですが、まず腹部エコーで
どの部分を切開して肝細胞採取の器具を挿入するかを決めます。
だいたいみぞおちの右のほうか脇腹になるようです。
その後、麻酔を打っていくことになります。
肝生検自体に痛みはないのですが、麻酔を打つとは
少々痛みを我慢しなくてはなりません。
麻酔がすんでしまえば後は感覚もなくなりますが、
途中、しばらく息を止めなければなりません。
呼吸で体内が動いてしまうと思わぬ部分を
傷つけてしまうおそれがあるからです。
肝生検が終わったあとも、4~5時間は絶対安静です。
この間は仰向けでじっとしておかなければなりません。
そうしないと出血してしまうおそれがあるからです。
読書でもして待っていればいいのですが、
4時間というのは非常に長いです。笑うわけにもいきませんし・・・。
ここもつらいところですね。
以上のような検査ですので外来では行われず、
入院時に限定されることになります。

肝臓精密検査の内容

血液検査でガンマGTPやAST・ALTその他の数値に
異常が見られた場合、その数値だけでどんな病気かは
断定できませんので、精密検査が必要になります。
精密検査の方法として一般的なのは、
まずは腹部エコー、つまり腹部超音波検査です。
これは内蔵に超音波をあてて反射させ、
それを映像化するだけですので、
体にとって非常に負担の少ない精密検査ですね。
それでもかなり詳しいことがわかります。
更に詳しく調べたい場合はCT検査やMRI検査
ということになります。
どちらも体の内部を映像化することができるのですが、
CTの場合はX線を使うのに対し、MRIは「磁気共鳴断層撮影」
ですので、磁気を利用して体内を画像化します。
なのでどちらかといえばMRIのほうが体への負担は少ないです。
CT検査は放射線に被曝することになりますので
妊娠の可能性がある人は注意しなければなりません。
ここまでは体に傷を付けなくてよいのですが、
さらなる検査として血管造影検査というものもあります。
これはカテーテルで肝臓の血管に造影剤を入れて
その上でX線撮影をするというものです。
造影剤のお陰で血管の様子がはっきりと分かります。
さらに体への負担が大きいものとなりますと
腹腔鏡検査があります。これは体に小さい穴を開けて
内視鏡を挿入して肝臓を直接見る方法です。
そして肝生検という方法もあります。
これは肝臓の一部を切り取って調べる方法で、
腹腔鏡検査と同時に行うこともあります。
最も詳しく調べることのできる方法ですが、
体への負担は最も大きいものとなります。

肝臓がん腫瘍マーカー AFP、PIVKA-II、AFP-L3分画

ガンマーGTPやAST、ALTは何らかの肝機能障害があれば
数値が高くなるのですが、それがいったいどんな病気なのかは
これら数値だけでは特定することができません。
血液検査の中でも、特に肝臓がんの可能性を
探れるものとして肝臓がんの腫瘍マーカー検査
というものがあります。
肝臓がんになると、
血液中で特定のタンパク質が多くなりますので
これらの数値が高くなれば、
肝臓がんである可能性が高くなるというものです。
たとえばAFPという数値がありますが、
これは肝臓がんだけでなく肝硬変や慢性肝炎でも
上昇します。
しかしAFP-L3分画という数値が高い場合は
肝がんである可能性が非常に高くなります。
またPIVKA-IIというマーカーが高い場合も、
肝臓がんである可能性がありますが、
たんなるビタミンK欠乏ということもあります。
どの腫瘍マーカー検査にしても、
肝臓がんである可能性は示唆しますが
確定することはできませんので、
その後に超音波検査などの精密検査が必要になります。

C型/D型/E型 肝炎ウイルスマーカー検査

引き続き、ウイルス性肝炎に感染しているかどうか
調べるための肝炎ウイルスマーカー検査を
紹介していきます。
今回はC型、D型、E型についてです。
【C型肝炎】
HCV抗体
C型肝炎ウイルスに感染したかどうかがわかります。
これがマイナスの場合はこれまで感染したことがない
ということになります。
プラスの場合でも数値が低い場合は、
過去に感染して現在は消えていると考えられます。
プラスで数値が高い場合は現在進行中だと考えられます。
プラスの場合は次の検査も行います。
HCV-RNA
これはC型肝炎の遺伝子なのですけど、
これがプラスだと現在感染していることが確定します。
【D型肝炎】
IgM-HDV抗体
IgG-HDV抗体
どちらもマイナスですと、
これまで一度もD型肝炎ウイルスに感染していないことになります。
IgM-HDV抗体がプラスですと急性肝炎、
IgG-HDV抗体がプラスですと慢性肝炎の疑いがあります。
その場合は次の検査も行います。
HDV-RNA
D型肝炎ウイルスの遺伝子ですが、
これがプラスですと肝炎は現在進行中ということになります。
【E型肝炎】
IgM-HE抗体
IgG-HE抗体
どちらもマイナスですと、
これまで一度もE型肝炎ウイルスに感染していないことになります。
IgM-HE抗体がプラスですと最近感染したことになり、
IgG-HE抗体がプラスですと感染して時間が経っていることになります。
どちらかがプラスの場合は次の検査も行います。
HEV-RNA
E型肝炎ウイルスの遺伝子ですが
これがプラスですと肝炎は現在進行中です。

A型/B型 肝炎ウイルスマーカー検査

ウイルス性肝炎に感染しているかどうかを調べる
有力な検査方法として、ウイルスマーカー検査
というのがあります。
それぞれのタイプについて紹介してみましょう。
【A型肝炎】
IgM-HA抗体
この抗体がプラスだと急性肝炎発症中です。
IgG-HA抗体
こちらの抗体がプラスだと、A型肝炎ウイルスへの
中和抗体ができていることになり、
もう感染するおそれはないことになります。
【B型肝炎】
HBs抗原
これはB型肝炎の表面に存在するタンパク質で
マイナスだとこれまで一度も感染したことがないことになり
プラスだと感染経験があるということを示しています。
HBe抗原
これがプラスだとウイルスが体内で元気に活動中ということになります。
HBe抗体
これがプラスだと感染後、抗体ができて
ウイルスが弱ってきていることを示します。
HBV-DNA
B型肝炎ウイルスの遺伝子のことで、
ウイルスがどれくらい体内にいるかを調べることができます。

胆汁うっ滞の原因と症状

胆汁うっ滞というのは要するに
胆汁の流れが悪くなってしまうことですが
その原因は大きく分けて2つあります。
胆管に起因するものと肝臓に起因するものです。
胆管の場合は、胆管が詰まっていることが考えられます。
胆管結石や胆管がん、それから膵臓の障害でも
胆管が詰まることがあります。
もう一つの肝臓に起因する場合としては
肝炎や肝硬変などの肝機能障害が考えられます。
これによって胆汁が流れなくなっているわけです。
症状としては、黄疸が出たり尿が黄色くなったり
ということが挙げられます。
胆汁にはビリルビンという黄色い色素が含まれていますが
これが排出されずに血液中で増えてしまうためです。
また、全身が痒くなることもあります。
胆汁は脂肪の消化を助けるものですから
脂肪の消化も悪くなってしまいます。
上記のようなメカニズムで引き起こされますので
血液検査の結果としてはビリルビンの数値が高くなります。

胆汁の成分と役割

胆汁の成分には
胆汁酸やビリルビン、コレステロールなどありますが
その中で重要なのは胆汁酸です。
胆汁酸こそが胆汁の役割を担っているんです。
さてその役割ですが、脂肪の消化を助けることにあります。
脂肪はあのとおり「脂」ですので、消化酵素と混ざりにくいんです。
胆汁酸はこれを乳化して、消化酵素リパーゼと
混ざりやすい形にしてくれます。
乳化というのは細かい粒にするということですね。
さて、胆汁のもともとの原料は何かというと
コレステロールです。肝臓はこれを原料にして
胆汁酸を作ってくれます。
さらにビリルビンなどと混ぜて胆汁のできあがりです。
ビリルビンというと血液検査の項目でありますね。
これは赤血球が分解された時にできる物質で、
体にとってはもういらないものです。
だから肝臓は、胆汁酸と混ぜて排出してしまおうというわけです。
ところが肝臓や、胆汁の通り道である胆管に異常があると、
このビリルビンがうまく排出できなくなります。
それで血液検査でビリルビンの数値が上がるというわけです。
そしてこのビリルビンの色は黄色です。
つまり、血中のビリルビンが増え過ぎると黄疸が出るというわけです。

肝臓と脂質代謝・糖代謝・蛋白代謝

肝臓ではいろいろな代謝、つまり合成と分解が
行われているわけですけど、脂質・糖質・タンパク質
つまり三大栄養素の代謝も行われています。
3つ全て行っているわけですので
肝臓がいかに大事かがわかりますね。
まず脂質代謝ですけど、
腸で吸収された脂肪酸などを材料にして、
コレステロールや中性脂肪、リン脂質などを合成します。
中性脂肪はエネルギー源となりますし、
コレステロールやリン脂質は細胞膜の材料などになります。
次に糖質代謝ですが、これも腸で吸収された
ブドウ糖を使ってグリコーゲンを作ります。
グリコーゲンはエネルギー源として蓄えられます。
そして蛋白代謝ですが、これは腸で吸収された
アミノ酸を用います。アミノ酸を材料にして
人体に必要なタンパク質を作ります。
なので食べた肉がそのまま筋肉になるわけではありません。
ちゃんと「人間用」に肝臓が作り替えてくれるんです。
肝臓が作ってくれたタンパク質が筋肉や皮膚の材料となります。

肝臓と血液の流れ

肝臓には主に、2つの血管から血液が流れ込んできます。
1つは肝動脈で、主に酸素がはこまれてきます。
もう一つは消化器官で吸収した栄養素を運んでくる門脈です。
血液量としては前者が2、後者が8くらいです。
この2つの血管が運んできた血液は、
毛細血管を通って肝細胞に届けられます。
肝細胞は、血液中の栄養素を、体が利用できる形の
物質に作り変えてくれます。
また、有害な物質は分解してくれます。
肝細胞はおよそ50万個ほど集まって
1つの肝小葉を作っていますが、この肝小葉の真ん中に
中心静脈が通っています。
上記、肝細胞で処理された血液は、
この中心静脈に集まり、そうして肝静脈に入って心臓まで送られます。
心臓はこれを体全体に送り出すというわけです。